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会社で「手塚治虫が生きていたら、どうなっていただろうか」という話になった。 おそらく尾田栄一郎に「僕は、このくらいのマンガ、いつだって描けるんだ!」とケンカを売っていただろうという事で話はついた。 マンガの神様の、神様たる所以はその嫉妬心。 どんな新人でも、目の敵にした。 石ノ森章太郎が、手塚治虫の言葉で、連載を打ち切ったのは有名な話。 水木しげるも言われている。(「ゲゲゲの女房」では手塚らしきベレー帽の人と、談笑してるシーンがあったが、本当は前述したようなセリフを直に言われている。) 狭量と言ってしまえばそれまでだが、そのあくなきハングリー精神は死ぬまで衰えることは無かった。 言っておくが、手塚治虫の仕事は参考にしない方がよい。(できないだろうが)寿命を縮める。 帰り自転車を走らせていたら、信号待ちの時に、横断歩道の向こうに綺麗な色白の女性が立っていた。 明るく脱色されたロングは、色白の肌と相まってその存在を儚げに見せた。 その女性と横断歩道上ですれ違い、そのまま、遠ざかって行った。 そして、次はサラリーマンとすれ違い、主婦とすれ違い、高校生の集団とすれ違い、家にたどり着いた。 その一瞬一瞬、何があったわけでもないが、僕の人生と、彼らの人生がリンクした。 だからと言って、何がどうなるわけでもないが、その一瞬一瞬が、点となり、それを線で紡いで一本になっていくのだなぁとぼんやりと考える帰路であった。 僕の人生はどれだけの点でできるのだろう。 そして、僕はどれだけの人の人生の点となっているのだろう。 |

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