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藤井 眞也
集英社 ROADSHOW 編集長
ある人が、こんなことを言っていました。 音楽、映画、雑誌、本…さまざまなエンタテイメントがあるけれど、 人が生きていく上では、どれも絶対に必要なものではない。 でも、それを知っていれば、人生は確実に、豊かで面白いものになる、と。
ずっと、雑誌をつくる仕事をしています。 まさに、人の人生を、その瞬間だけでも面白くするのが雑誌。 読者が何を見たいのか、読みたいのかを日々懸命に考えてつくります。 だからある意味、この仕事はサービス業のようなもの、かもしれません。
インターネットの普及で、情報は、とても入手しやすくなりました。 双方向のコミュニケーションも、ずっと容易になりました。 しかし、人の記憶に長く残っていくのは、アナログでリアルな感動。 雑誌の中の一枚の写真や、一つの文章が、まだまだ力を持っています。 僕も、出会った方からすごく昔の記事がよかったという話をうかがって、 それが自分の担当した記事だったりした経験が、何度もあります。 伝えたい「思い」が込められたものは、情報以上の存在に変わるのです。
送り手である編集者と、受け手である読者 その間には、距離と時間が存在しています。 でも、それぞれの記事は、その隔たりを越えて、読者に届きます。 僕も、できるだけ機会を見つけて、たくさんの読者の方と話しますが、 「今月号買いました!」そう言っていただけるのが、無上の喜び。 それを糧に、僕の「思い」を一枚の写真、一つの言葉に込めて、 一人でも多くの人の人生が豊かで面白いものになるよう、 これからも雑誌をつくっていきます。
雑誌がつなぐコミュニケーション。 どんなに離れていても、ちゃんとつながっていくから、面白いのです。 |
【映画バベルについて】
鳥の目のように、世界を巡って見えてきたものは、
ずっしりと重い、悲しい現実と言葉の無力。
そしてリアルに体感する、さまざまな人生。
地球に生きる人類は、言葉や国家の壁で隔てられているけれど、
夫が妻を、親が子を思う気持ちは、誰も何一つ変わることはない。
伝わらなかったメッセージが届いたとき、見る者の心には、
小さいけれど、でもはっきりとした希望の光が灯るだろう。
そう、人は誰でも、みんなつながっているのだ、と。
【プロフィール】
編集者。「non・no」「COSMOPOLITAN」など女性雑誌を経て
現在、映画雑誌「ROADSHOW」編集長。
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