『バベル』公式ブログ

世界で活躍する各界のキーマンが語る、つながる素晴らしさをリレー形式にてご紹介。4/28、映画『バベル』で世界はまだ変えられる…!

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中村 樹基
脚本家

経験から言って、雑談ほど奇妙なコミュニケーションはないだろう。ただの無駄話ではあるが、よく知らない者が何げない雑談で親しくなったり、逆に仲違いの原因になったり。僕の場合、この雑談が『世にも奇妙な物語』への参加のきっかけとなった。
『笑の大学』などの星護監督との雑談中、たまたま星監督が、「異次元の怪物を倒す、『ドゥーム』というゲームに夢中になっています」 と言われたので、僕は、「実は異次元の怪物じゃないですけど、異次元で恐竜が生き延びているという話を考えてるんです」と言った。そして、成立したのが『恐竜はどこに行ったのか?』だ。まさか日本のテレビドラマで恐竜のお話なんてムリだと思っていたので、頭の中にしまっていた企画であった。この雑談がなければ、『恐竜はどこに――』は生まれていなかったにちがいない。また、ひょっとすると、『バベル』もこんな雑談から生まれた映画なのかも知れない。


【映画バベルについて】
バベルといえば、かなり古いけど、横山光輝先生の『バビル二世』をつい思い出してしまう。でも本作との共通点は旧約聖書のバベルの塔伝説に着想を得ている事くらいしかないのだけど。
バベルの塔伝説……。神の怒りに触れ、言葉が通じなくなり、分かり合えなくなった人々。
本作では言語の違いだけでなく、たとえば父と娘の会話がかみ合わず、世代間で文化、価値観、しゃべり方も違って、分かり合えない人々までも衝撃的に描いている。がその一方、音楽は万国共通の言語であるかのように、渋谷の街でかかる湧口愛美の『Smile』、メキシコの結婚式のバンド音楽などを、登場人物のそのときの感情を表わすように使われているのが印象的だ。
また本作は、モロッコ、メキシコ、そして日本の3つのパートからなり、いずれのパートも圧倒的なリアリティがある。特に日本パートではこれまでの日本を描いた外国映画と一線を画す、生の現代日本を映し出す。外国人の目から見た、かなり勘違いな日本の描写などなく、夜遊びばかりして家に帰らない女子高生のことまで、よくアレハンドロ監督が知っていると驚かされるばかり。
僕は三部構成の中でも、メキシコ話が好きで、マット・デイモン主演の『GERRYジェリー』(02)、『WALKABOUT美しき冒険旅行』(71)風のシーンがあって、ハラハラして見てしまった。
そのメキシコ話の中、「私は悪人じゃない。愚かしい行いをしただけだ」という台詞に、監督の意図が集約されているように思える。神の子である人は悪ではないが、不完全であるゆえ、おろかな過ちを犯す。しかし、人はそもそも愚かな存在であると知ることで、許すことができ、真に分かり合えるのではないだろうか、と……。
 

【プロフィール】
脚本としては、映画『世にも奇妙な物語・映画の特別編』の『チェス』。同テレビシリーズでは、『恐竜はどこに行ったのか?』、『壁の小説』、『鏡子さん』など。また小説は、角川ホラー文庫『世にも奇妙な物語・小説の特別編』の『再生』、『悲鳴』、『遺留品』など。現在、長編小説を出筆中。

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