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G'day!
チェックポイントOを抜けたあたりで、周囲が一段と明るくなってきました。
夜明けです。
”ゴールはもうすぐそこだ!ペースをあげていっきに漕ぎきろう!”って舵取りR君の声。
音楽もなくなり、スピードもペースももうわかならない。
いったいゴールまでのチェックポイントがいくつなのかも・・・わからない。
でも、R君の声だけを頼りに最後の最後の力を振り絞って行くしかありません。
周囲を囲んでいたあのトワイライトゾーンのような霧も晴れてきました。
もう、幻覚もバイバイです。
チェックポイントPを越えたところで、もしかして次こそゴール?
だんだん漕ぐのも力がはいってきました、ここで全部力をだしきちゃえ!!
4番目の席に座っているD君が、
”あとどの位でゴールなの??”って舵取りR君に聞きました、
”そう遠くないから・・・”(R君)
”そう遠くないって、あとチェックポイントいくつあるの?”(D君)
”そんなにないから・・・”(R君)
明確に答えないという事は、次はまだゴールではないってこと?
ええっ???確かチェックポイントOを越えたらもうすぐゴールって聞いていたのに・・・。
そのために最後のパワーを全部出し切っているのに・・・。
”トイレに行きたいんでだけど・・・”(D君)
”でも、もうそうゴールまでそう遠くないから・・・”(R君)
R君の言葉を信じて行くしかない。
もうそろそろっていうのは・・・30分以内にはゴールという意味でしょう。(たぶん)
30分で全ての痛みは終わるなら、もう必死で漕ぎきるしかない!!!!
パワー、パワー、パワー・・・って心の中でぷつぷつ唱えながら硬直して曲がらなくなった腰と、どしりと重くなった肩にムチ打つように、最後の力をふりしぼる・・・。
15分位経過、
”やっぱりトイレ我慢できない、どっかの岸に止めて!”D君の悲痛な叫び。
R君はボートの方向を大きく左に切りました。
川の幅は約1km位、このロスは大きい。
左の岸に到着したみたら、そこは泥のマングローブの林、この泥ではとても降り立つことができません。
で、反対側の岸へと右にまた大きく切りなおし、今度は右側のマングローブ林は・・・そこも泥。
”もう少し漕ぎ出して様子を見よう!”(R君)
その頃には、何を目標に漕いでいるのか、いったい後どの位漕ぐのか、もうわけもわからない状態。
陽射がだんだんジリジリ暑くなってきました。
何重にも着込んているために、暑さの厳しさが身にしみます。汗が流れ落ちてきました。
どこまで行っても、マングローブの林ばかり・・・岸にあがれる場所がありません。
トイレを探しながら左に右にボートを蛇行させているので、漕ぐ距離も伸びる。
チェックポイントQが見えました。
”カヌー番号254通過です!”チェックポイントに向かって大声で確認。
あれ〜〜〜まだゴールでないのね。
もう喉もカラカラ、汗もかなりかいて体力消耗。
”どこでもいいから止まって!”D君の悲痛の叫び!
と、そこに泥の上に陸からボートに乗るための桟橋がかかっている場所がありました。
”あの桟橋の横に止めて!”(D君)
ボートをまた左に切りなおし、桟橋へ・・・
ボートを止めた途端に、D君はひとり陸に走ってあがって、林の中に消えていきました。
その間に、ボートに残された私たちは水分補給とストレッチ・・・。
D君が戻ってくると、もうここからは一切のストップはありえません。遅れた分を取り戻すことに集中するしかない!
いったいあといくつチェックポイントがあるんだろう・・・もうすでにQまで通過したけど・・。
不安な気持を抱えながら、疲れきって声もでず、皆ただ黙々と漕ぐ漕ぐ。
潮が満ちてきて水の流れが変わってきました。
私たちのボートの方向に対して逆に潮が流れています。ボートへの抵抗が強く漕いでも漕いでも前にすすまない。
抵抗して漕ぐので波が上がっています。それに対抗するだけのパワーがほとんどない!
前に進むのがスローモーションのようになってきました。疲労は増すばかり。
”ペースが落ちてるぞ!頑張れ!もうひと漕ぎじゃないか!ここで頑張らないでどうする!!!”
R君の声が響きます。
でも、それに反応する人もなく・・・黙ってみんな漕ぐ。
チェックポイントRが見えてきました。
”あれを越えたら、ゴールだよ!”R君がとうとうゴールという言葉を口にしてくれました!!!
これが聞きたかった!!!!
そこから5KMでゴール。
”ゴールに到着したら、倒れたっていいから、僕が運んでいってあげるよ!ほしいものがあったら言ってよ、ビールだってなんだって買ってきてあげるから、だから最後まで行こう!”
よしやるぞ!って言いたいところですが、心の中では叫んでいるものの、もう声にもならない。
R君の声への反応はどこからも聞こえてきません。皆もうなんの元気もパワーも残っていない。
残るは気力のみ。
ゴールの橋が遠くに霞んで見えてきました。
”あれが、ゴールだよ!見えるだろう!”(R君)
見える・・・見えるけど・・・まだ遠い。永遠に感じるくらい遠い。
”100KM以上を漕いできて、最後の4KM漕げないはずない!頑張れ!”
もう、体がバラバラになりそう・・・。
喉の渇きも頂点に来ていて、でも、もうゴールと思えば水のストローを口に持ってくる時間も惜しい。
漕ぎきるしかない。
”M君、最後の力出し切ろうよ!”前の席のM君に、かすれた声で声をかけてみました。
”わかってる・・”短い返事、M君も私も疲れてきってます。
もう、頼るのは自分の気力とリズムを覚えた筋肉が勝手に腕を動かしてくれるのみ。
後1KM・・・・
後500M・・・・・
後数メートル・・・・・
ゴール!!!!☆☆
サポーターたちの顔が見えます。
陸にボートを引っ張りあげてくれました。
数時間ぶりにボートのシートから立ち上がり、陸に一歩足を出すと体の重さに倒れそうになりました。
でも、なんとか休憩できる場所まで自力で歩き、後はそこに座ったら・・・放心状態。
皆が声をかけていってくれるんですが、反応も鈍い。
本当に精魂尽きたってこのことね。最後の10KMが本当に辛かった・・・。
他のメンバーたちと抱き合って喜ぶシーンを想像していたのに、実際は、それぞれどこに歩いていってしまったのか、たくさんの人込みでわからなくなったしまいました。
少し立ってサポーターのRちゃんが私を車まで連れていってくれて、なんとか濡れた服を乾いたものに着替えたら、そのまま車のバックシートに倒れこみ、最後に水を飲んだ記憶の後・・・とうとう私の体は心身ともにスイッチが切れました。
次に目が開いた時には、自宅前に到着してました。
111KMへの挑戦・・・無事生還。
タイムは13時29分。あれだけ後半にいろいろあったのに、予定時間以内にゴールできたのは奇跡のよう。
ブログを通じて応援してくださった皆様。
この記事で一緒にドキドキしてくださった方々。
ありがとございました。
今回の挑戦は、今後私が何に挑戦するにも大きな自信に繋がることと思います。
長い記事にお付き合いくださってありがとうございました。
これは私の挑戦の記録であり、今後も大切していきたいと思っています。
よし、来年も是非またこれに懲りず111km挑戦するぞ!!!(笑)
Ta Ta
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