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中学校時代、恋愛って言うほどの物はしたことはなかったが好きになった子は確かにいた。
3年間、ずっと同じクラスメイトだったTさん。
彼女は勉強も良くできて、とても優しい子だった。
彼女とは一緒の班になることが多かった。別々の班になることはあっても、なぜか林間学校や修学旅行のような行事の時には同じ班になっていた。
彼女は班長で、私が副班長といった組み合わせが多く、教室では隣り合わせで座ることがほとんどだった。
しかし、自分の気持ちの中では、彼女に好意を持ってはいても、表だって好きと言うことは出来ずじまいだった。
彼女の事で、いちばん目に浮かぶのは、体育の授業が終わり、彼女が目薬をさしていたときだ。彼女は顔を上向きにして、薬が十分に行き渡るようにしばらく目をとじたままだった。
私は、その姿を見とれるようにしながら見ていた。そして、彼女が目を閉じたまま、もとの正面を向いたとき、ゆっくりと開いた彼女の目と私の目が合ってしまった。
そのとき自分自身も「ドキッ」としてしまったが、彼女も恥ずかしそうに目を伏せ、ほんのりと顔を赤らめていた。
あの時の何とも言えない気持ち。今の人たちには理解できるだろうか・・・
30年以上が過ぎ、何人かの同級生と食事に行ったときに、そのころ誰のことを好きだったのかって話題になった。
私は、素直にTさんの事を好きだったと話をすると
「そういえば、いつも一緒の班だったね」と彼らにも言われた
でも、私がTさんの事を好きなんだとは思ってもいなかったらしい
Tさんとは、20年近く前に同窓会で会ったきりで、もうずっと会ってはいないが
もし、今現在、会えたとしたら、ハッキリと言うことが出来るのにな
「Tさんのこと、本当は好きだったんだ」ってね
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