青島満帆

戦争は、勝った側も負けた側もこんな馬鹿馬鹿しいことはない」黄瀛

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写真1は、ドイツ占領時代の青島。労山の道教のお寺か?


写真2は、ドイツ占領時代の青島。こんなところもあったのか。



本日は、久しぶりの武藤直大氏の旅のエッセイをお送りします。
残念ながら写真がありませんので、
ドイツ占領時代の青島の写真(アメリカ在住原山さん提供)を載せますので、
百年前のタイムトラベルを同時にお楽しみください。



――武藤直大の旅のエッセイ――
「旅遊指南」観光バスの旅は道連れ


■空港にも現れた
 旅の楽しみの一つは行った先の“土地柄”に触れることである。それには観光バスがいい。それも外国人相手ではなく、大都市を観に来た「おのぼりさん」、つまりその国の地方からのお客さんが乗る、日本なら東京駅横から出ている「はとバス」のようなコースが面白い。
 重慶空港に降りて、広い構内をタクシー乗り場を探してうろうろしていると、紺色の空港職員のようなきちんとした制服制帽の美人が立っている。「タクシーどこ?」と聞くと、教えてくれたがチラシも渡されて、「観光バスはいかがですか」という。チラシには大きく、
「旅遊指南」重慶江北机場航空旅行社
と書いてある。なるほど、指南か、、、立派な制服で応対もテキパキしているので信用できそうだった。観光バスはホテルに着いてから探そうと思っていたのだが、その手間が省ける。連絡先を聞いて、こちらも相棒の中国の友人が携帯の番号を教えて別れた。
ホテルで一息ついて、さて観光バスと思って友人とロビーで落ち合うと、浮かぬ顔をしている。
「あの観光会社はどうも信用できない。空港の女性とは別の2人から電話があって、自分経由で切符を買ってくれ、、、ということなんだ」
 料金を誰に渡したらいいのか、分からないらしい。横から入り込んだ者にうっかり渡したら、そのままドロンされて、バスに乗れないかもしれない。そのうちにホテル前にバスが着いた。といっても大型の観光バスではなくてライトバンである。客も2人しか乗っていない。なんだか怪しい。
友人は運転手にいろいろ聞いてなかなか乗り込まない。2人の客は窓からしきりに手を振って「早く乗れ」と、混雑するホテルの玄関で3者が大声でやり合っている。こういう光景は中国ではよく見かけるが、自分が当事者になるのは初めてだ。
どういう経緯があったのかは不明だが、友人はぶつぶつ言いながらガイドらしき女性に料金を払ってその車に乗り、私も続いた。
 そのガイドは20歳前後で、化粧しない顔の頬が赤い童顔だった。4人の乗客を相手にマジメに案内の文句をしゃべり続ける。コースの最初の大きなお寺に着いて見学して回ると、本堂の次の間に偉そうなお坊さんが4人、離ればなれに机の前に座っていた。将来を判断してくれるという。80歳寸前の私が今さら分かってもしょうがないが、40代の友人が神妙にその前に座った。坊さんと顔を正面からつき合わせてマジメに答えている。理系の大学教授だが、別の一面を見た気がした。
「これから大きな仕事をすることになる。先祖を大切に、慎重に続ければ成功する」
 というご託宣だったそうで、友人は500元(約7500円)も払った。観光バスの料金が60元なのに比べると大盤振る舞いだ。黄色の太い線香の束を貰い、仏様の前で火をつけて拝む。占いではかなり有名なお寺らしかった。
   



■彼女は大卒だった 
 お寺からバスに戻ると、ガラガラだった席が満席になっていた。
「運転手たちがここでお客さんを集めたんだろう」
 と友人が言う。会社には報告するのかどうか、どういうシステムになっているのか分からない。実は似たようなことが重慶港でもあった。長江の観光船に乗るのに、正面玄関の受付で35元払った。船着場に行くと船員らしき男が「15元でいいよ」とどなって、付近を歩いている客を船に乗せていた。
 観光バスがコースの最後に土産物屋に寄るのは日本のバスツアーと同じである。初めに宝石店に寄った。ドアにVIPルームと書かれた部屋に通される。店主らしい女性の挨拶があって、若い男が紹介された。立て板に水でしゃべりまくる。私には何を言っているのか分からないが、やがて持ってきた黒いカバンから赤い紙袋を取り出した。
「今日、我が家に男の子が生まれました。先祖に感謝して、お目出度いので皆様にもお贈りします。高価な宝石です」
 20人程の客の全員に赤い紙袋を配った。私も貰って封を切ると、直径3センチ位の薄く丸い乳白色の石で、中心に1センチ位の穴が開いている。
「今日のお客様は運がいいですよ。ほら、この宝石はダイヤモンドのように固いから、その証拠をお見せします」
 と客の1人からその「宝石」を受け取ると、用意してあったガラスに当てて切って見せる。確かに傷がついて、そこからきれいにガラスが割れた。初めて「ほう!」とドヨメキが起こった。それからは次々に高価な宝石を取り上げて見せびらかし、特別におまけしますと客を興奮させたり、笑わせてくすぐったり、、、
 日本でも10年ぐらい前までは客を熱狂状態にもっていく売り方があった。友人も苦笑いしていたが、2〜3人は釣られて買ったようだった。この店には40分以上いた。
 次に寄ったのはお菓子や干物などの食料品店。ここで気がついたのはお土産をリュック2個分ぐらい山のように買う客がいたこと。
「田舎から出てきた人たちだからね。親戚や近所に配るんだよ」
 と友人。レジで料金を支払う横にバスの女性ガイドが立っていた。手帳に金額をつけている。日本でも店から割戻しがあると聞いている。しかしここまで購入金額を正確には調べているのを見たことはない。真面目で几帳面である。友人は、
「今年大学を卒業したが、いい就職先がなかった、と言っていた。最近の大学生は大変だよ」
 と同情している。どれだけ大変なのか、帰国したらテレビのニュースで「中国の今年の大学受験生の数は900万人」と報じていた。それでも昨年の1020万人に比べると減っているのである。
 ここしばらくは、日本の総人口の1割近い大学生が毎年卒業するわけだ。いくら広大な市場を持つ中国でも、就職するのは大変だろう。希望とはかけ離れているであろう現在の仕事に、黙々と従事している女生ガイドが健気に見えた。日本の同じ年頃の大学卒の甘えたような幼い表情は全くない。与えられた環境の中でもまれながら、自分の力で逞しく生きているのである。

(つづく)

閉じる コメント(6)

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何だか面白そうな中国内部の旅行記、直大さんの旅行している姿が目の前に浮んでくるようです。さてこの後どうなることやら・・・・

2010/7/4(日) 午後 3:33 [ ターチャン ]

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tadaoさん、相変わらず武藤さんの手馴れた文章で、先が楽しみですね。第一章のお寺もあの写真のようなお寺だったそうです。
また写真を探して見ますが、昔の青島の写真でがまんしてください。

2010/7/4(日) 午後 6:39 bad**uan1*3

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写真がなくてすみません。携帯とカメラは持たない主義になってしまって周囲から「はた迷惑」と言われています。確かにそうだな、と思うのですが、「我が身世に古る 眺めせし間に」で、ご勘弁願います。

2010/7/5(月) 午前 9:55 [ 直大 ]

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直大さん 東京指南というパンフレットもあり、今は都内を中国語で案内する「はとバス」もあります。弘法大師とは行けませんが、ご一緒にいかがですか。私は連れが見つからず未だに実現出来ずにいます。

2010/7/5(月) 午後 1:38 [ 相子 ]

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直大さん、相子さん、今や中国も日本観光ブーム、ビザなし旅行も夢ではなくなりました。中学生のビザなし日本修学旅行も盛んです。
都内のはとバス観光をどうぞお楽しみください。

2010/7/5(月) 午後 2:40 bad**uan1*3

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東京指南ですか、いいですね。最近の都内の観光地は観たことがないから。きっと秋葉原なんかに行くんだろうな。
行きましょう。でも今は暑い盛りだから、ちょっと涼しくなってからいかがですか。僕は中国語は苦手だけど、よろしくお願いします。

2010/7/5(月) 午後 9:05 [ 直大 ]


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