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6年生の授業に思う ↑青島日本人学校6年生の授業。はきはき質問する生徒たち。 縁あって小学6年生の授業でお話しすることになりました。 テーマは「青島の歴史について」。 私としては、少年時代の青島の暮らしや思い出を語れば、 と、軽い気持ちで、張り切って出かけました。 青島日本人学校の多目的室にはプロジェクターも用意され、 7人の6年生と担任の先生が待ち構えていました。 先ずは、古い写真をスクリーンに映し出しながら説明を始めましたが、 話しているうちに私自身だんだん迷いが出てきました。 相手が大人ならかなり突っ込んだ話もできますが、 小学6年生の知識水準はどのくらいだろうか、 難しい話はどのくらい理解できるだろうか? そして例えば、日独戦争や日中戦争について、 どの程度詳しく話したらよいものか? 迷えば迷うほど焦点が定まらなくなり、 我ながらもたついた授業になってしまいました。 6年生のみなさん、申し訳ありません。 ↑真剣に聞いてくれる生徒たち。 質問の時間は元気よく全員が手を挙げ、 子供らしい質問が飛び出しましたが、 日本敗戦のときどんな思いだったか、 引き揚げ後、いちばん辛かったことは、 など、大人顔負けの質問もありました。 敗戦のとき私は13歳。思えば彼らとほぼ同年代です。 時代に揉まれながらもけなげに生きた懐かしい思いがこみ上げてきます。 彼ら6年生は小さいながらも日本を離れて、 国際交流の最先端で学んでいるわけです。 日本の将来をリードする、国際感覚豊かな人材に育つこと間違いなしです。 ↑アメリカから来た伊藤さん親子も参加。国際感覚豊かな子供たちです。 授業の休憩時間に担任の若い先生から質問がありました。 「中国や中国人のために尽くした日本人はいませんか」 (きっといるはずだ)という期待のこもった質問でした。 幸い青島には「中国人にも教育の機会を平等に与えるべし」という信念のもと、 青島学院を創立した吉利平次郎氏がいます。 しかし当時の中国で、 「中国のために」という高い理想を掲げて活躍した日本人は皆無です。 たとえいたとしても時代に流され、軍部に蹴散らされて消えていったことでしょう。 貴重な質問でしたが、 若く、理想に燃える担任の先生の期待に応えることはできませんでした。 □ □ □ □ 若槻泰雄著「在中2世」が見た日中戦争(芙蓉書房出版) に、次のような記述があります。 △・・・(日中戦争が始まり)日本軍の占領とともに、 新米の人々によって日本人人口は増加していった。 日本政府が占領地に作った国策会社や新たに進出してきた日本資本の会社社員、 それに占領地ではどこでも見られる“一旗組”もやってきたようだ。 占領下、軍の権威を利用して、あるいは軍に取り入って、 経済的、社会的混乱に乗じ、一稼ぎ、荒稼ぎしようとする人たち・・・△ が大量に流れ込んできたのです。 日本が青島を租借した大正時代ならいざ知らず、 このような状況の下では、 「中国のために」という理想を掲げる人物が登場する機会はなかった、 と考えるほかはありません。 青島学院を創立した吉利平次郎氏の存在は、 青島が誇る稀な人物として評価されるべきでしょう。
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足立さんが青島で暮らす意義がますます大きくなってきましたね。
「中国の役に立つことをしたか」の質問にはグサときます。当時は日本が占領していること自体が正義と教えられた。私たちは、東洋平和のため、八紘一宇の実現を信じていた。
列強の植民地支配を打ち破るつもりだったのが、実は自分でやっていたのを知らなかった。
こういうやましさを感じながら旅しているのですが、中国人の皆さんの”大きさ”に救われています。
2010/7/13(火) 午前 10:45 [ 直大 ]
そうですか、素晴らしいことです。国際社会で生きるまさに次の時代を担う子供たちですからね。
2010/7/13(火) 午前 11:17 [ ぜん ]
直大さん、私たちは贋物の「大アジア建設」を信じていたのですが、青島日本人学校の生徒たちが、今度こそ本物の「大アジア」を建設し、アジアの平和と繁栄を実現して欲しいと願っています。
そのために微力をささげることが、私の中国への恩返しでしょうか。直大さんの励ましのお言葉、身に沁みます。みなさんの支えがあってこその私です。
2010/7/13(火) 午前 11:40
ぜんさん、次代を担う子供たちにお話ができることは幸いであり、うれしいことです。少しでもお役に立てればよいのですが。
2010/7/13(火) 午前 11:49
ブログに載っている青島人物伝の中の「西川文夫氏」の話、これ等は中国への恩返しの一つの美談ではないでしょうか。
2010/7/13(火) 午後 4:51 [ ターチャン ]
tadaoさん、その通りですね。西川さんのような無名の人の無償の行為こそ顕彰されるべきです。一人でも多くの人に知ってもらいたいですね。
2010/7/13(火) 午後 5:11