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浮山は青島東南約12キロメートル、五つの奇峰が連なり、
海抜三百メートル。
山頂からの展望は即墨、膠州の平野を一望におさめられる。
(青島日本中学校校史より)
浮山は青島大学の背後に聳え立っている。
正しく言えば、浮山の麓に青島大学が建てられたわけだ。
海洋大学の新校舎もその隣にある。
ずーっとその先も、海岸に沿って住宅や別荘が隙間なく続いている。
浮山の後ろ側には、浮山后という東洋一と言われる大団地が造られた。
その団地側と海側に通じるトンネルが、今、掘り進められている。
浮山の周りは、つい10年ほど前までは、のどかな農村地帯だった。
労山に行く途中のバスから、峻厳な浮山の全容が遠望できた。
今や浮山の麓は、ぐるりと市街化が進んでいる。
Mさんからのメールには、小学生のとき、浮山に登った思い出が綴られている。
「クラブと違いますが、強歩会というのにも参加しました。
毎月一回彼方此方に出かけ歩きます。
四方の方に行ったりしましたが、
浮山に登ったときは、参加者の脇を陸戦隊の兵隊が銃を担いで
列をガードしてくれての歩きでした。
浮山の頂上では雲の流れが体を包みその印象は忘れられません。
よくぞ参加させたものだと両親の勇気にいまさらながら感心し、
また感謝しております。
青島での生活はとても短かったのに、
生まれた町の白浜での生活より
人格形成に大きく影響を与えていることは確かですね。」
浮山の登山には、兵士の護衛が必要だった時代だったのだ。
そんな時代に、わが子に登山体験させようというご両親に感服する。
私など、青島の郊外に一歩も踏み出したことはなかった。
それどころか、浮山の存在すら知らなかった。
(つづく)
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