青島満帆

戦争は、勝った側も負けた側もこんな馬鹿馬鹿しいことはない」黄瀛

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中国で今流行っている言葉は「相当」だそうです。

漫談で人気のある趙本山という人が、

東北なまりで「相当」と言って笑わせているらしい。

意味は「とても」ですが、中国語で「とても」は、

「非常(feichang)」、「很(hen)」、「挺(ting)」などが辞書に載っています。

これに「相当」ということばが、新しく加わるのでしょうか。

「相当」と言えば、私も小学生のころよく使いました。

「相当」という漢語の響きが、なんとなく大人になったような気分にさせて、

「相当おもしろい」とか「相当難しかった」とか、よく言ったものです。

「とても」と同じような「程度を表す副詞」は、日本語には多いそうです。

国語研究所の「語彙分類表」には、「程度の甚だしいことを表現することば」として、

「すこぶる」「非常に」「大変」「はなはだ」など、70語が載っています。
(飯間浩明著「遊ぶ日本語、不思議な日本語」)

確かに多いですね。

日本語教育の基礎段階では、「とても」しか出てきません。

この「とても」も、使われ始めたのが大正時代からですから、新しいことばです。

当時の大学生が、長野県にスキーに行って、長野県の方言の「とても」を全国に広めた、

という説があります。

「とても」という言葉がなかった時代は、何を使っていたのでしょうか。

日本語学研究者の飯間浩明先生は、

夏目漱石の小説の中で使われている「程度を表す副詞」を調べています。
(「遊ぶ日本語、不思議な日本語」)

それによると、一番多く使われているのが、「大変」。

以下、「はなはだ」「非常に」「すこぶる」「きわめて」などになります。

戦後は、「すごく」「すごい」が全盛でした。

今は「超」の時代ですね。

これも80年代に大学生が使いはじめ、次第に広がっていったのだそうです。

この「超」は95年頃、現代用語辞典にも載って、認知されました。

世の中が活発に動いている時代は、新しいことばが生まれやすいようです。

高揚期の若者たちは、高ぶる感情を表現しようと思っても、

既成のことばではもう表現しきれなくなってしまうのです。

中国で、「相当」という新しいことばが生まれたということは、

まさに今、高揚の時代なのでしょう。

日本で、「超」に代わる新しいことばが生まれるのは、いつでしょうか。
(2006年6月3日)

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