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トランプの人気に押されて、影が薄くなったのがマージャンだ。
マージャンを囲んでいるグループを探すのはむずかしい。
たまに見かけても、観客もいないから盛り上がらない。
賭け事が厳しく禁止されているせいもあるけれど、
まったく迫力のない家族マージャンだ。
いきなり、
ポン、チー
から始まって、
目指すは「ホンイツ」か「チンイツ」に決まっている。
どの牌を捨てようかと、迷うこともない。
日本のマージャンのように、駆け引きも術策も必要ない。
相手の手の内もすぐ読める。
メン、タン、ピン、ツモ、ドラドラ
なんていう「手」は絶対にない。
苦労の末に満貫をツモったときの、
あの快感を味わうことなど到底無理なことだ。
点棒のやりとりもないから、最終的に誰が勝ったのかもわからない。
まあ、健康的といえば健康的。
気の抜けたビールみたいで、なんとも味気ない。
最近の日本のマージャン事情はどうなっているか知らないが、
かつてはどこか不健全なところがあった。
多少不健全なところが、
かえってサラリーマンの欲望を刺激していたのかもしれない。
ガード下の雀荘は、
タバコの煙と、サラリーマン雀士の山っ気でむんむんしていた。
会社の同僚同士の賭けマージャンで、
給料日になると、取り立てに回る勝ち組のほくほく顔と、
カモにされた新入社員の半べその顔を見るのは、
どちらもあまり愉快なものではない。
健全な中国のマージャンも、
不健全な日本のマージャンも、
もはや時代に取り残された遺物のようだ。
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