|
「近所の店、床屋」
天津にいるとき、
床屋はもっぱら「道端」理髪店を利用していました。
床屋さんが、
道端にテントを張って、白い上っ張りを着て座っています。
公園の日陰に座って客待ちをしている床屋さんもいます。
ひまそうな床屋さんを狙って自転車を乗り付けます。
椅子に腰掛けると、
いきなりバリカンでガーガー刈り上げてくれます。
手馴れた人もいますが、下手くそな人もいて、
当り外れがあります。
洗髪とか髭剃りなどというものはありません。
たまに、切れないかみそりで、
襟足のあたりをごしごし削ってくれます。
値段はわずか3元。
時間もわずか3分。
安い!
速い!
便利!
私のように「頭髪」というほどのものはなくなった、
寂しい髪にはこれで充分です。
青島には道端理髪店はあまり見かけません。
団地の中に一軒、床屋があります。
こちらに越してから何回か利用したことがありますが、
春節が終わって店内も小ぎれいに改装されました。
お客の姿が見えなかったので中に入っていくと、
若い男が椅子にふんぞり返って新聞を読んでいました。
「調髪できる者がいないんだ」
と、ぶっきらぼうな言い草。
「なん時ごろ来るの?」
「さあ、今日は来ないだろうよ」
仕事のできる人がいないのなら、店なんか開けるな!
と言いたいところですが、
そんな気の利いた中国語はしゃべれませんから、
すごすごと店を出ました。
店の入り口に、
「調髪技術者と助手募集」
の張り紙が貼ってありました。
店を開けているのは、
お客さんが来るのを待っているのではなくて、
応募者が来るのを待っているのです。
ま、
私の頭髪は伸び放題ですが、
調髪したからといって、
たいして変わり映えしませんから、
どうでもいいですけどね。
ああ、道端の床屋さんが懐かしいなー。
|