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「『めしくた』の意味は?」 ↑2007年4月、市内の桜。 写真は本文記事と関係ありません。 少し前のことですが、 KTさんからメールが来ました。 「先生、『めしくた』の意味は何ですか」 いつもは、日本人の名前の読み方などを聞いてくるのですが、 今日の「めしくた」は難問です。 「どんなときに使いますか?」 「日本人の友達が、会ったときいつも私に聞きます」 『聞きます』ということは クェッションマークをつけると、 『めしくた?』 になりますから、 これでわかりました。 「『めし食った?』、 つまり『ご飯食べましたか』と聞いているのです」 と、返事を書いて一件落着しましたが、 日本人の男性が、 うら若い女性のKTさんに会うたびに、 「めし食った?」 と、気さくに声をかけるほほえましい情景が目に浮かんできます。 ↑2007年4月。街の中に咲く桜。 それにしても、文字というものは、 イントネーションまで表せませんから不便ですね。 「日本語はイントネーションで表現する」 と言ってもよいのではないでしょうか。 例えば、日本語学習者の中級ぐらいのレベルになると、 「そうですか」 という相槌の代わりに、 「そうか」ということばを覚えます。 「そうか」ということばにはいろいろなニュアンスがあって、 イントネーションによっては、 相手を揶揄したり軽蔑したりする意味にもなります。 それを使い分けるのは、大学2、3年生には無理です。 私は、 「そうか」ということばを使ってはいけない、 「10年早い」と、封印することにしています。 ↑2007年6月、ゆかた祭り成功。 それから『促音』について考えました。 日本語の会話では動詞に促音を多く使いますから、 「めし食った」を文字で書くときに、 「めしくた」と書かれると、 日本人としてはまず「名詞」ではないかと疑ってしまいます。 中国人の日本語学習者にとって、 この『促音』というのが厄介なようです。 日本語の発音練習で最初に躓くのが『促音』です。 そうかと思うと反対に、 「似ている」を、「にっている」 「寝ている」を、「ねっている」 「来ている」を、「きっている」 と書く人が、中級者に多いのに気がつきます。 中国語の言葉は、 ナー(それ)、とか、 ニー(あなた)、とか、 ヌーリー(努力)、とか、 日本語の長音のような発音が多いせいか、 『な、に、ぬ、ね、の』のように、 短く発音する言葉と、 『促音』の区別がつきにくいのかもしれません。 ↑2007年7月、小魚山を案内する。 日本語の『促音』について調べてみると、 その歴史は案外古く、 平安時代にはもう使われていた、 と言いますから、 東国武士集団が生まれたころに遡るようです。 武士という「戦う集団」としては、 おっとりした「京ことば」では物足りなくて、 勇ましくて野生的な『促音』が生まれたのでしょう。 ↑同、旧第一小学校運動場を案内する。 『促音』についての研究は専門家に任せるとして、 日本語の発音の中で、 『促音』というものが大きな位置を占めている、 と言えるのではないでしょうか。 自国語にはない『促音』を身につけることは、 中国人学習者にとって難しいことかもしれませんが、 逆に言えば、 『促音』を聞き分け、上手に発音することが、 日本語上達の『決め手』とも言えます。 最近の「日本語教育法」の通説として、 「発音はあまり厳しく指導しないほうがよい」 と、よく言われます。 「初級者に発音を厳しくすると自信をなくすから」 というのがその理由らしいのですが、 私は反対です。 中級段階になってから発音を矯正するのは無理です。 正しい発音は正しい聞き分け(聴力)にもつながります。 『促音』が難しいと言っても、 日本人の口真似をして10回ほども練習すれば、 コツが呑み込めますから、早いうちに身につけることです。 ↑2007年7月、第一海水浴場の遊歩道 若い日本人男性が、 「めし食った?」 と、気さくに声をかけてきたら、 それは親愛の情を示す信号かも知れませんね。
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