青島満帆

戦争は、勝った側も負けた側もこんな馬鹿馬鹿しいことはない」黄瀛

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西村唯雄の「海外体験記」ナイジェリアのラゴス(二)



イメージ 1

  ↑ケープタウン沖で操業した2500トン級スタントロール船


<日本人は、バス代要らないよ>



ケープタウンで船の燃料補給と乗組員の2日の休養を済ませ

11月5日ラゴス向け出港した。

途中アンゴラ沖で7日間試験操業を実施した結果、

漁獲された魚種は多い順に

鯖、鯵、にべ、メルルーサ、ヒメジ、きしま鯛、にしき鯛、いとよりもどき、

舌びらめ、太刀もどき、えい、小型さめ類、かさご類、くちび鯛、

其の他やりいか、甲いか、えびなどがあげられる。

名前は日本で獲れている魚に似ていたというだけで

我々が勝手に付けたものもあり其の点勘弁して貰いたい。

鯖鯵主体に漁獲量は想像した以上に多く、

船内冷凍加工し日本からの積み荷か多く明きスペースの少ない場所に

やっと積み込んで目的地ラゴス港に向け漁場を後にした。


11月25日午前10時頃ラゴス港入り口に到着、


パイラー乗船後港内に侵入、アパッパ岸壁前で検疫を受け着岸後、

今度は入国管理官のチェック税関役人のチェックを受ける事になった。

我々を受け入れるラゴス側の有力者である人物が

それら役人に一言何か喋ったところ、

ろくに調べもせず書類にばんばんスタンプを押し、

あっと言う間に総ての手続が終ってしまったのには驚いた。

迎えに来ていた三井物産、大洋の社員は

アフリカではこの様な事は何時もある事だと笑っていた。

鼻クスリを利かすと何事も直ぐこのようになるらしい。

独立国だと言っても何ともいい加減なとろがある国だと思ったが・・・

何事も無く早く済んだ事は有りがたかった。


船長は三井物産の社員に対して、

この地に孤児院のような施設があれば

商品にならない様な半端物があるので10ケースぐらい寄付したい、

これからこの地に厄介にならねばならないのでと申し出た所、

早速引き受けてくれ、カトリック系の孤児院に寄付を申し入れたところ

よろこんで受け取ってくれた。


この事が翌日のラゴスの新聞にでかでかと載ったらしく、

停泊中、街に出ると貴方達は日本人かと聞く人が多く

バスに乗った時など料金は手を振っていらないよと、ただで乗せてくれたり

普段接した事のない日本人達を市民は暖かく迎えてくれた。

改めて船長はやるものだと感心した。

其の当時のナイジェリア国内の治安は

現在と違って夜中一人でどこを歩いていても問題なく安全であった。

面白かったのはタクシーは一応会社の名前がのってはいたが、

会社は単に自動車のリース会社で一日幾らで個人に貸し、

稼ぎが多ければそれだけ借主の儲けになるということだ。

メーターはついているものの料金は運転手と乗りてとの交渉次第、面白かった。

皆で幾ら払ったか夫々話し合い、多く払った者は悔しがること、悔しがること、

たあいのない遊びで楽しんだものであった。


漁獲した魚、さし当たって必要の無い品物を陸揚げし、

直ちに漁場に向け出港するつもりでいたところ、

ラゴスにはまだ大きな冷蔵庫がなく現在建設中とのこと。

従って船を冷蔵庫代わり使用、

其の日、必要な量だけトラックで運ぶということになった。

イヤハヤ何時まで停泊しなければならないのか・・・・。

乗組員は船の手入れに当たる当番だけ船に残し、

あとはラゴス見物?で過ごす事になった。

市内には英国領時代に建てられた大きなデパート、ホテル、レストランなどあり

椰子の木の街路樹、広い道路、整然とした街並みはヨーロッパ風の造りである。

イメージ 2

  ↑市内風景

イメージ 3

  ↑ラゴス国会議事堂前。像はエリザベス女王。



また町外れにはスラム街かと思われるような黒人の町があり、

ちょっと入りにくい地域もあったが

色々な店や賑やかな市場などがあり、

マッチ1箱の買い物も売り手、買い手の交渉次第で価格が決まるという

面白い買い物の出来る街でもあった。

日用品、果物など驚くほど安く仕入れる事が出来た。

デパートの買い物でもこの方式が通用する商品もあり、

これがナイジェリア式?買い物の仕方のようであった。

我々は度々黒人街に出かけたが、治安の問題は一つも起こらなかった。

イメージ 4

  ↑デパートでの買い物



ナイジェリア人の乗組員も採用され6人が船にやってきた。

聞いてみると(通訳を通じて)

皆ナイジェリアの会社の社長の出身地の一族で、なるほどなーと感じた。

(一族の結束の強い民族)

全員体格も良く人の良さそうな人で皆イスラム教徒であった。

すぐ乗船したいということなので船内にナイジェリア人だけの部屋を用意、

停泊中は我々船員と一緒に仕事をしながら馴れて行くいい機会だと捉え、

教育していくことにした。

始めて見る船内を案内、漁獲物を冷凍する冷凍室、機関室、操舵室、

冷凍した魚を保管する−12℃の魚倉の中に入った時は一同びっくり。

おそらく生まれて初めての経験だったのに違いない、其のしぐさが面白かった。

この中で長時間働く事になると説明すると肩をすくめた格好などしておどけていた。

今後どうなることやら・・・・


乗船したなかで一番年長のしっかりした人物レゴスという名の男を

ナイジェリアンボースン(甲板長)として

ナイジェリア乗組員の長を務めさせる事にした。

彼は皆からの人望も厚く適任と感じたが、間違いでなかった事がのち証明された。


やっと10日目、

捕ってきた魚(太刀、イカ類を残して)を全部出荷する事が出来た。

(イスラムの教えで鱗の無い魚は食用禁止なのだ)


日本人乗組員 船長 1等航海士 2等航海士 甲板長 甲板員2
       機関長 1等機関士 機関員2
       通信士           小 計 11人

ナイジェリア人乗組員           小 計  6人
           乗組員総数     合 計 17人

イメージ 5

  ↑船内デッキにて



食料品、燃料の積み込みに2日、

12月7日アンゴラ沖漁場に向けラゴスを出港した。

ナイジェリアの乗組み員も航海当直に組み入れ、

舵の取り方、デッキでの漁具の整備取扱などを教え

2日ほど船酔いで元気の無かったものも回復し、

出港して7日目、目的の漁場に到着した。


彼等にとって昼夜連続の仕事は初めての経験、

イスラムでは夜は休息する時間だとブツブツ言っていたが

日本人の働きを見て納得したようだった。

ただ、イスラムの教えでは朝、昼,夕の3回、

メッカに向ってのお祈りは欠かすことは出来ぬと

仕事中であれ何かやっている最中でも中止、全員お祈りをする。

これにはちょっと参ったが、

船長は「郷に入れば郷に従う」のたとえ通り、

彼らの宗教上の儀式であればしょうがないと

我々の方が彼らの日常のサイクルに合せるようにして仕事をするようになった。

彼らもこの事には感謝しているようであった。


最初の網入れから、荒らされていない漁場だった所為か

好漁が続き15日ぐらいで予定の300トン余りの漁獲を得た。

ナイジェリア人も終り頃には一人前に近い働きをするようになった。

最初−12℃に保たれている魚倉での長時間の作業を

熱帯で育ってきた事もあって嫌がっていたが、それもやや馴れてきたようだった。

1ヶ月の航海を通じ我々とナイジェリア人の仲は仲間同士と云う意識が芽生え、

これからの2年間うまく行くのではないかと安心した。

漁場から何も見えない海の中を一直線、

ラゴスに向けて走る事が出来る技術航法は彼等にとって不思議に思われていた。

私が太陽や星を観測し計算して船の現在位置を出しているのを見て、

たいしたもんだと感心していた。教えてくれと言う者もいたが・・・・

走って7日目(1月6日)ラゴス港の入り口に真直ぐ到着した時の

ナイジェリア人の驚きと歓声は今でも忘れる事は出来ない。

イメージ 6

  ↑ラゴス港入り口。



まだ冷蔵庫の建物が完成していないということで、また長期停泊を余儀なくされた。

われわれにとっては、考えてみればこんな楽な事は無い訳で、

あちらこちら見物出来る事になった。

ナイジェリア人乗組員も久しぶりに家族に逢えてとても嬉しそうだった。

2、3日すると家から船に来る時の彼らの姿が

ネクタイスーツに革靴とバリッとした姿に変身して、船に通勤して来た。

思った以上に多い給料を貰ったらしい。

乗船した時のみすぼらしい姿を思い出し、

馬子にも衣裳だなと我々も笑いながら見とれてしまった。

いい給料だった事も有ってか、仕事に熱が入ってきた。現金なもんだ。

会社には自分も船に乗せてくれと志願してきた連中も多かったと聞いた。

第2船が間もなく日本から到着する事になっており

その予備軍として必要になってくると思う。

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