|
光畑京子の「終戦日記」(二十) ↑校舎の前で記念撮影。青島高女昭和19年卒業記念アルバムより。 <私は童話が大好き> 昭和20年(1945年) 【10月1日 月曜日 雨】 月の始めからこんなに雨ではやりきれない。 その月の事は一日の善し悪しにあると言っても良いのですから、 今日がこんなであるならば10月一杯このようになるかもしれません。 でも私の心は少し変っていていくら天気が悪くても その正反対になるのです。 だから時々母や妹に話すと 朗らかなのは良いけれどもこれを時間中発揮したら困りますね、と言われる。 今週は「清掃」と定まる。 私はこれを見て今週はこの語にふさわしいと思いました。 今まで先生が書いてくださった週番日記の批評は、 必ず清掃の事ばかりです。 これは私達は掃除の仕方が悪いのではなくて きっと心の隅にどこかしまった所がないのだと思います。 私は今日こうゆう風に書きました以上は、 必ず次の掃除の時間から立派にまもるつもりです。 つもりではなく必ず実行します。 昼食後先生から次のような話をしてくださる。 これはこの頃よく日本人が中国人に馬鹿にされます。 それは今まで私達が中国人に対して馬鹿にしていたからです。 その仕返しをされたのです。 そしてこれからは 私達は敗北した国民としての礼儀を保っていなければならないとおっしゃいました。 私も本当にそうだと思わずにいられませんでした。 雨が降るのに行きも帰りも荷物がかさばって困った。 明日は日本晴れの良い天気になりますように。 ↑音楽の授業。青島高女昭和19年卒業記念アルバムより。 <(先生より) 読書はどんなものを読んでいらっしゃいますか。> 私は大体童話が大好きです。又昔話等は特に好きなのでよく読みます。 又母や姉が私が小説を読むのを好みませんので、 兄が本をきめてくれますのでこの頃は主なので 日本見学旅行記(大体歴史をおもしろく昔話で書いたもの) 音とは何か(理科の本) 蟻の世界(蟻のことについて理科的に書いた本) 海流の話(理科の本) 小公女(美しい話) 美しい国(ある女の子美しい国という名の組をつくり、 意地の悪い子や病気で意志の弱い子を立派な美しい国の子にする) 駒鳥日記(家が失業したために家のものが散り散りになり、その中、 節子という女の子が美しい働きをしながら満州の叔母の所でくらし 大変かわいがられる話) 夏目漱石集の坊ちゃん(あっさりした心が会得されます) 三国志(未だ読んでいませんけれどこれから読みます) ↑料理の授業。青島高女昭和19年卒業記念アルバムより。 【10月2日 火曜日 曇り】 私のお祈りが不十分のためか 今日は日本晴れにならずに寒くて曇りになる。 二時間目の作文の時に本田先生が、 作文を上手にしようと思うのにはよく書くことが大切である。 それには一番良いのは日記を書くことが一番良いと言われました。 そしてその良い書き方は一日中で一番印象の深い事を 二つか三つぬき出して書くのが良いとおっしゃいました。 私は必ずこれを実行してゆくつもりです。
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2008年10月04日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]


