|
鉢呂吉雄経済産業相(63)が東京電力福島第1原発の視察を終えた8日夜、報道陣の一人に防災服をすりつけるしぐさをし、「放射能をうつしてやる」という趣旨の発言をしていたことが9日、分かった。また、9日午前の閣議後会見では、同原発の周辺地域について「死の町だった」と発言。これには野田佳彦首相(54)ら閣僚が強い不快感を示し、鉢呂氏は午後には陳謝、発言を撤回した。しかし、就任1週間での失言連発で進退問題に発展しそうだ。
被災者の心の傷に塩を塗り込むような、無神経でふざけた言動…。しかも被災地を見てきた当日と翌日だ。大臣としての適性を疑われても仕方がない“失言大臣”が出現した。
鉢呂氏は8日、野田首相らとともに福島第1原発を視察。その夜、東京に戻った際、着ていた防災服の袖を報道陣の一人にすりつけるしぐさをし、「放射能をうつしてやる」という趣旨の発言をしていたことが9日夜になって判明した。
鉢呂氏は、この発言について記者団に「(記憶が)ちょっと定かではない」と“おトボケ”。防災服をすりつけた行為に関しては「(相手に)近づいていったのは事実だ」と説明した。
また、鉢呂氏は9日午前の閣議後会見で、前日に視察した同原発の周辺地域について「残念ながら、周辺市町村の市街地は人っ子一人いない『死の町』だった」と話した。被災地への配慮に欠ける発言に、閣内から批判が相次いだ。
野田首相は鉢呂氏の「死の町」発言について、訪問先の三重県紀宝町で記者団に「不穏当な発言だ。謝罪、訂正してほしい」と強い不快感を強調。藤村修官房長官(61)も会見で「原発の周辺住民には多大な迷惑を掛けている。言葉の使い方に配慮すべきだ」と批判した。これを受けて鉢呂氏は同日午後の会見で、「死の町」発言について「被災地の皆さんに誤解を与える表現で軽率だった。大変申し訳ない」と陳謝、撤回した。
野田内閣が発足して以来、一川保夫防衛相(69)の「安全保障は素人」発言や、小宮山洋子厚労相(62)のたばこ増税発言を巡る「閣内不一致」など、経験不足を露呈してきた。民主党は平野博文国対委員長(62)が7日に「今の内閣は不完全」と発言し、野党との火種を作ったばかり。皮肉にも平野氏の発言を裏付けるような展開になった。
7月には、被災した岩手、宮城両県を訪問した松本龍前復興対策担当相(60)が「知恵を出さないやつは助けない」などと暴言を連発、就任9日目で辞任した例もある。それだけに、野党が鉢呂氏の言動を問題視して追及するのは必至だ。鉢呂氏は2日の初入閣からわずか1週間だが、進退問題に発展する可能性も出てきた。
◆鉢呂 吉雄(はちろ・よしお)1948年1月25日、北海道新十津川町生まれ。63歳。北海道大農学部卒。90年、衆院選に無所属で出馬し当選。日本社会党(後の社民党)を経て、旧民主党の結党に参加。2003年3月、議員辞職して北海道知事選出馬、落選。同年11月の衆院選で復活当選。昨年9月に民主党国対委員長、今月2日に経産相に就任。当選7回。家族は妻、2男。
|

- >
- 政治
- >
- 政界と政治活動
- >
- その他政界と政治活動







鉢呂吉雄経済産業相が10日夜、東京電力福島第1原発視察をめぐる不適切発言の責任を取り、辞表を提出した。
鉢呂氏は先に同原発周辺市町村を「死の町」と表現し、「放射能をうつす」という趣旨の発言もした。野田佳彦首相は10日午後、視察先の岩手県陸前高田市で記者団に「本人が説明していることと報道に違う部分があるので、なるべく早い段階に説明をいただきたい」と述べた。鉢呂氏は相模原市内で記者団に、同日中に首相と会って真意を説明したいと表明。「前向きに経産省でのリーダーシップをとっていきたい」と続投に意欲を示していた
2011/9/10(土) 午後 8:49 [ ジュン ]