3月5日に最終回を迎える連ドラ「DOCTORS3 最強の名医」(テレ朝系、木曜後9時)で“強烈キャラ”の外科医・森山卓役を演じている俳優・高嶋政伸(48)がこのほどインタビューに応じた。20、30代に多かった「いい人役」からは一転。近年は色の濃い役が増え「怪演」ぶりが話題に。転機のひとつがこの「卓ちゃん」だったことを明かし、「この役に感謝しています」と27年目に入った俳優人生を振り返りながら、いまの思いを語った。
高嶋は主人公(沢村一樹)の外科医と敵対する役どころ。手術の腕はあるが、ボンボン育ちでかんしゃく持ち。頭が混乱すると発する「んんんッ」もすっかりおなじみだ。「完全に役から離れると逆に体調がおかしくなりそうで」この4か月半、役を考えなかった日はない。声のトーン、髪形に至るまでこだわり「役へのパワー、集中力が欠けてはいけない」と収録前日は8時間眠って備えてきた。
劇中で「VS状態」にある沢村に関しては「尊敬できる同志のような」存在と明かす。ドラマスタート時(11年)は「もっとブラックな役かと。やっぱりきっかけは『んんんッ』。最初は悩みましたね」。ヒントは病院長で叔母役の野際陽子(79)の「卓ちゃん!」「んんんッじゃない」などの絶妙なリアクションだった。
「野際さんとは『ダブル・キッチン』(93年)などでご一緒し、自分にとって芸能界の母。この役はこっち(コミカルな役)かと。野際さんのおかげで役をつかめたと思います」
キャラクターの濃い役が増えている。「一時期はいい人役が多くて。黒い役にもいろんな黒がある。楽しんでやっていますよ」。20代は「HOTEL」、30代は「こちら本池上署」シリーズ(ともにTBS系)と代表作がある。「40代の柱がこのドラマ。森山卓に出会えて本当に幸運です」
デビュー27年目。そもそも俳優でなく、映画の監督志望だった。それが学生時代に「自主映画で280万円借金して。両親に土下座して頼むと『じゃあ役者になれ』と。選択の余地がなかったんですね」と振り返る。
スター俳優だった高島忠夫(84)、宝塚歌劇で活躍した寿美花代(83)が見抜いた素質は正しかった。両親もドラマを見てくれている。「卓ちゃん」に「よくあそこまでやるなぁ」「おもしろかった」と感想メールが届くという。
ドラマは5日放送分が最終回。実際に病院を使って行われる撮影で、忘れられないできごとがあった。白衣を着た高嶋を本当の医師だと思った女性に「私のだんなが危ないんです。助けてください」と言われたのだという。
「医師の格好はしているけれど、何もできない無力感。でもひとときでも日常を忘れ、笑ったりしてもらえれば。それがせめてものできることなのかな、と思っています」(内野 小百美)
◆高嶋 政伸(たかしま・まさのぶ)1966年10月27日、東京都生まれ。48歳。成城大文芸学部卒。88年「純ちゃんの応援歌」(NHK)で俳優デビュー。主な出演作にドラマ「HOTEL」「こちら本池上署」シリーズなど。映画「暗殺教室」(3月21日公開)、「エイプリルフールズ」(4月1日公開)が控える。父は高島忠夫、母は寿美花代、兄は高嶋政宏と芸能一家で知られる。