|
先月21日に末期の大腸がんを公表していた俳優の今井雅之さんが28日午前3時5分、都内の病院で死去した。54歳だった。昨年11月にステージ4の大腸がんで「余命3日」と診断され、手術を受けた。2月の会見では20キロもやせた状態で驚かせたが、周囲への配慮から腸閉塞だと説明。4月には実際の病名と舞台降板を発表し、秋に撮影を控える映画への意欲を見せていた。通夜、告別式は近親者のみで行い、後日、お別れの会を予定している。
男気あふれる人柄で慕われた今井さんが家族に見守られ、天国へ旅立った。所属事務所はこの日、通夜、告別式を密葬で行うことを明かし、「今井を心から愛し応援して下さいましたファンの皆様、心から感謝申し上げます」とコメントを寄せた。
腹部に不調を訴えたのは昨秋。ある病院で診察を受け、「腸の風邪」と言われたが、11月に兵庫・西宮市の病院で末期(ステージ4)の大腸がんと診断された。手術で大腸の一部を切除したが、医師からは「周辺にも怪しい影があり、転移する可能性が大」と告知されていた。
昨年12月2日のブログでは「もう手術ができないほど悪化していて、実は余命が3日くらいだった」と明かしたが、周囲に心配をかけまいと「腸閉塞」と病名を偽って発表した。2月の会見では20キロもやせて、げっそりとした様子で報道陣を驚かせたが、「筋肉が全部、持っていかれました」と笑い飛ばす余裕も見せた。
手術後、抗がん剤治療から免疫療法、食事療法に切り替えたが、歩行困難になり声も出なくなったため、3月25日に入院して抗がん剤治療を再開。54歳の誕生日を迎えた4月21日に初めて大腸がんを公表し、主演舞台「THE WINDS OF GOD」の降板を発表した。同30日の会見では「先生に『モルヒネで殺してくれ』と言いました」などと壮絶な闘病を告白し、無念の涙をこぼした。
ライフワークとなった舞台「WINDS―」は1988年の初演以来、映画化、米国進出も果たし、演出や脚本など製作者としての才能も発揮。舞台復帰はできなかったが、5月1〜5日には東京公演の開演前に登場し、観客に降板を謝罪するなど最後まで舞台への強い思いを失わなかった。24日の神戸公演が無事終えたことを病室で聞くと、二人三脚で舞台を作り上げてきた演出家・奈良橋陽子さんと病室で炭酸ドリンクで乾杯した。
自衛隊出身で強い精神力の持ち主。病床でも9月に予定していた映画「手をつないでかえろうよ」の撮影に意欲を見せるなど弱音を吐かなかった。男の美学を貫いた今井さんのブログには、別れを惜しむ多くのメッセージが寄せられている。後日、お別れの会が行われる。
◆今井 雅之(いまい・まさゆき)1961年4月21日、兵庫県生まれ。高校卒業後の80年4月、陸上自衛隊に入隊し、俳優を目指して翌年9月に退職。86年3月、法政大学を卒業し、奈良橋陽子氏が演出する舞台「MONKEY」で俳優デビュー。95年公開の映画「静かな生活」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞。主演舞台「THE WINDS OF GOD」では脚本、演出も務めた。主な出演作はNHK連続テレビ小説「ええにょぼ」(93年度前期)、ドラマ「味いちもんめ2」シリーズ(96年〜、テレビ朝日)など。
◆今井雅之さんの闘病の経過 ▽14年11月 兵庫・西宮市内の病院で末期の大腸がん(ステージ4)と診断される。 ▽12月2日 ブログで「腸に異常が見られ、その時はもう手術ができないほど悪化していて、実は余命が3日くらいだった」と告白。 ▽15年2月23日 げっそりとやせた様子で舞台「WINDS―」の製作発表に出席。「腸閉塞で体重が20キロくらい減った」と説明した。 ▽4月21日 マスコミ各社に送付したファクスで、初めて本当の病名が「大腸がん」であることを明かし、治療に専念するため、舞台を降板することを発表。 ▽同30日 東京・新国立劇場で会見し、末期の大腸がん(ステージ4)で手術を受けたことや、3月下旬から抗がん剤治療を再開して入院中であることを涙ながらに語った。 ▽5月1〜5日 東京・新国立劇場で舞台「WINDS―」の冒頭、降板したことを観客に謝罪。 ▽同28日 午前3時5分、都内の病院で容体が急変し、死去。 |

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 俳優、女優








