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ゼロから“新・新国立競技場”を―。東京都の舛添要一知事(66)が21日までにスポーツ報知のインタビューに応じ、2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場(東京都新宿区)について、現行案での建設は中止するよう初めて提言した。「国民全体で新国立の在り方を議論をしよう」と呼びかけ、選手や観客が「主役」となるよう機能性やコストを重視した競技場の必要性を訴えた。
「前に決めた案でダメなら、やり直す! という思い切った決断が必要です」
舛添都知事は力を込めて、“新・新国立”案の策定を訴えた。
18日、下村博文文部科学相(60)との会談で突然、現行案の大幅な整備計画変更を告げられた。東京五輪での開閉式屋根は中止する、一部を仮設席とする―。開催都市のトップとして「強い危機感」を抱いたという。
「青天の霹靂(へきれき)です。国民、都民のみなさんもきっとそうだったと思います」
文科省や、建設・運営を担当する日本スポーツ振興センター(JSC)は、今月中に大幅な変更を加えた現行修正案を示すとしている。だが、複数の政府関係者によると、現行案は、競技場構造が複雑なため、設計が極めて困難な状況で、予定される修正案でも原型をとどめない全く別の形になる可能性があるという。
舛添氏は「開催都市の知事として責任がある」と考え、政府や専門家から独自に情報を収集。そして、政府に「現行計画案廃棄」を迫る考えに至った。
「下手な決め方をして、取り返しの付かないことになったらどうするのか。だから、私はほかに場所を探して都立でも造るぞ、という気概を持っている。こういう事態になった時には政治的な決断があれば、良い」
欧米の主要スタジアムでは、選手や観客を「主役」と位置づける。選手が競技に集中できる環境、観客が快適に過ごせる空間を追求。建設費も経済状況に合わせ、五輪後には客席数を削減してプロチームを誘致する。周辺に商業施設を建設することで、にぎわいが増す。収益を生み、建設費も回収する「経済的に持続可能な」スタジアムが完成する。逆に外観の豪華さにこだわると、設計が困難となり整備費も増大。五輪後には「負の遺産」と化す―。国際政治学者だった舛添氏は、そうした事情も十分把握している。
「ロンドン五輪のメイン会場も縮小する工事をやってます。東京五輪後に8万人を埋めるのは大変です。文科省は『五輪後に屋根をつける』と言っているが、ものすごい作業になるでしょう」
新国立案をゼロベースで見直す際は、欧米で主流となっているスタジアム建設の方法などを取り入れながら「日本の気象条件も考慮にいれるべきだ」と指摘する。突然の集中豪雨や、8万人が密集することで場内の気温が上昇することを懸念している。
「東京の気象条件も考えないといけない。東京の気温は上がってますし、真夏に8万人も入って涼しくできるのか、という問題もあります」
開催都市に財政的な負担のかからない五輪は、国際オリンピック委員会(IOC)からの要望でもある。大会組織委員会の森喜朗会長とともに競技施設の見直しと分散化に着手したのは、こうした背景があるという。
「財政的なコンパクトさが今、一番の優先事項です。今の案のように整備費を3000億円もかける、となったら、我が町は立候補しないというところも出てきます。新国立の整備費用を減らすなら、IOCにとっても歓迎すべきことです」
東京の気象条件を考慮した上で、機能性と合理性を追求した競技場―。理想の新国立を造るために、「新しいスタジアムはどうあるべきか」という国民的な議論が必要と訴える。
「開催都市の知事なので、五輪は成功させるしかない。反省するところは、反省して前に進むべきです。ロンドン五輪でもいろいろあったようですが、最後は心を一つにして成功しました。国民がそういう思いになるためには、今のようなデタラメな状況を早く改善してほしいですね」
◆新案は座席仮設化が前提
今後、新国立の「新計画案」を策定するには、現行案を廃棄する政治的な決断と、外観デザインを含め、「新しい国立」を選ぶためのコンペが再び必要となる。
政府関係者らによると、再コンペを行う場合、経済的合理性と機能性を追求した新国立という条件で募集を行う。具体的には整備費用に上限を設け、大会後に8万人から座席の数を減らす仮設化を前提とする。その上で、〈1〉選手が最大のパフォーマンスを発揮できる〈2〉観客が快適に過ごせる〈3〉映像が撮影しやすい環境などを追求する、の3点が重要。五輪後に、どう活用するかについても議論する必要があるという。
外観にこだわらず、安全性を重視した上で簡素化すれば、同じ新国立を使う19年ラグビーW杯にも「十分間に合う」と指摘する声がある。政府関係者は「文科省だけではなく、各省庁や民間とも連携して、日本全体で取り組むべき課題だ」と話している。
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社会
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気象庁は4日、火山性地震が増加している箱根山(神奈川県箱根町)を現地調査し、大涌谷近くの温泉施設から噴出している蒸気を確認した。5段階で評価される噴火警戒レベルは1(平常)を維持するが、箱根町は蒸気噴出の恐れがある半径約3キロの範囲のハイキングコースの立ち入りを同日早朝から禁止した。禁止区域内で製造される名物「黒たまご」は販売中止を余儀なくされ、ゴールデンウィーク中を襲った事態に観光業者は頭を抱えている。
ゴールデンウィークの真っただ中に大涌谷は閑散としていた。箱根ロープウェイ大涌谷駅を降りると、深い霧に覆われた向こうで轟音(ごうおん)を立てながら白い噴煙が上がっていた。年に数回、大涌谷を撮影している藤沢市の写真愛好家・熊野進さん(74)は「いつもはこんな大きな音はしないんだが」と首をかしげた。
箱根の最大の名所とも言える大涌谷が閉鎖された。原因は増加している火山性地震だ。神奈川県温泉地学研究所の調査によると、4月26日に前日の21回から約5倍の102回に激増。28日に最高値146回を観測してから減少したが、5月2日に100回、3日に98回と再び多発。4日も午後9時30分現在で101回を観測している。
気象庁は同庁の機動観測班と神奈川県温泉地学研究所が合同で調査を実施。大涌谷近くの温泉施設で3日に確認した蒸気について、引き続き勢いよく噴出しているのを確認したという。大涌谷地下の浅い部分で熱水活動が不安定な状態で、今後も突発的に小規模な蒸気噴出が起きる恐れがあるとしている。このため、4日から箱根町は遊歩道「大涌谷自然研究路」のうち、大涌谷の周辺約300メートルを規制。さらに半径約3キロの範囲にあるハイキングコースも立ち入り禁止。気象庁も危険な場所に入らないよう呼び掛けている。
立ち入り禁止で大打撃を受けたのが名物「黒たまご」だ。5個入り500円(税込み)の名物は、大涌谷のくろたまご館で製造されている。ここがハイキングコースの立ち入り禁止内にあるため、この日から作ることができなくなってしまったのだ。ロープウェーの駅周辺は、規制区域外のため駅近くの観光センターの売店は営業しているが、「黒たまご」は売られていない。
黒たまごは、80度の硫黄泉でゆでて、100度近い蒸気で蒸し上げ黒くし、作ったその日のうちに販売する。職員は「賞味期限は2日間なので作り置きはできません。立ち入り禁止が解除されるまで待つしかなく、非常に困っています」と話した。
影響は大涌谷だけにとどまらない。各宿泊施設にはキャンセルの連絡が数件あり、問い合わせも相次いでいるという。32の旅館やホテルが加盟している箱根強羅温泉観光協会の倉田義己会長(56)は「噴火警戒レベルは日常生活が送れる1のままでずっと変わっていないのに、いつ爆発するかどうか分からないと派手に報道されるのはちょっと…」と不満そうに話していた。
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西アフリカのリベリアで、エボラ出血熱から回復して半年ほど経過した男性との性交渉で女性が感染した例が起きたと現地時間1日、米疾病対策センター(CDC)が発表した。
CDCによると、リベリアの首都モンロビアの44歳の女性が3月14日に体調不良を訴え、診察の結果、エボラ熱を発症していると判明。その後、死亡した。女性に渡航歴やほかの発症者との接触はなかったが、発症歴のある46歳の男性と3月7日に性交渉していたことが分かった。
男性は昨年9月にエボラ熱を発症。兄弟、息子、娘ともに死亡したが、男性だけが回復し、10月に治療を終えていた。性交渉した女性が発症したため今年3月に再び検査を行うと、血液は陰性だったものの、精液からは微量のウイルスが検出され、遺伝子の特徴も女性のウイルスと一致した。ただ、同時期に男性と性交渉を行った別の女性(45)は、血液検査の結果、陰性だったという。
世界保健機関(WHO)とCDCは、感染者が回復した場合でも7週間は精液からの感染が起こる可能性があるとし、回復後3か月は性交渉を控えるか、避妊具を使うように勧告してきた。
しかし今回の事例が認められたことで、今後はさらに長期間にわたって感染に対する注意が必要だと指摘する声明をリベリア保健省と共に出した。エボラ出血熱は昨年3月から西アフリカで爆発的に流行。8月にはWHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。リベリアはギニア、シエラレオネと並んで死亡者が多く、約1年間で4600人以上が命を落としている。
◆エボラ出血熱 エボラウイルスが原因の感染症。1976年にザイール(現コンゴ民主共和国)などアフリカ中部で初めて確認された。野生のコウモリやサルがウイルスの宿主とされる。人間同士では感染者の血液などの体液に接触して感染。高熱に加え、頭痛、下痢や皮膚などからの出血を伴う。発症までの潜伏期間は2〜21日程度。致死率は25〜90%と高く、確立した治療法やワクチンもない。
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英王室によると、ウィリアム王子(32)の妻、キャサリン妃(33)が2日午前8時34分(日本時間午後4時34分)、ロンドン市内のセント・メアリー病院で第2子の女児を出産した。体重は約3700グラムで、長女となる。母子共に健康という。
王位継承順位はチャールズ皇太子(66)、ウィリアム王子、兄のジョージ王子(1)に次ぐ4位。エリザベス女王(89)にとっては5人目のひ孫で、報告を受けて喜んだという。
キャメロン首相は「大変喜んでいる」とツイッターで夫妻へのお祝いを表明した。病院前では泊まり込みで待機していた王室ファンらが歓声を上げ、英国内は慶事に沸いている。
キャサリン妃は陣痛が始まったため2日午前6時、ウィリアム王子に付き添われ、住まいのケンジントン宮殿から車で病院に運ばれていた。王子は出産時にも傍らで見守ったという。
第2子の懐妊は昨年9月に王室が発表。ウィリアム王子は今年2月に初めて日本を訪れたが、キャサリン妃は出産を控えていたことから同行しなかった。
セント・メアリー病院は故ダイアナ元皇太子妃がウィリアム王子とヘンリー王子を出産したことでも知られ、ジョージ王子も2013年7月に同病院で生まれた。これまで王位継承順位4位だったヘンリー王子は5位となる。
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東京都北区議選でトップ当選した「筆談ホステス」こと聴覚障害者の斉藤りえ氏(31)=日本を元気にする会=が1日、区役所で行われた「区議会議員初顔合わせ会」に出席し、区議デビューを果たした。議会で初めてのセレモニーを終え、斉藤氏は「改めて身が引き締まる思いがいたしております」と話した。一方、同区の佐藤有恒(ありつね)区議(65)=社民党=は「議会や委員会以外の複数人で行う打ち合わせなどに対応できるか」と懸念を示した。
斉藤氏は午後1時20分すぎ、トレードマークの白スーツ姿で、笑顔を見せながら区庁舎に現れた。受付で手渡された議員バッジを、女性職員から「バッジおつけしますか」と問われると、「お願いします」とゆっくりと答えた。
花川與惣太(よそうた)区長(80)はじめ、区の理事者19人と今回当選した区議全40人が出席した「議員顔合わせ会」。斉藤氏は女性職員とともに緊張した面持ちで前列右側に座り、区長らのあいさつを用紙を見ながらうなずいた。議会には筆談用の小型電子ボードは持ち込めず、会も約10分で終了したため、議会での他の議員との“対話”はなかった。
その後、議会の各会派にあいさつ回りをする中で、自民党議員から「活躍期待してますよ」とエールを送られた。花川区長も「障害のある方が議会活動に参加することは喜ばしいこと。今後の議員活動が円滑に行えるよう環境整備に努めていく」と、斉藤氏を後押しする意向を示した。取材に対し、斉藤氏は「(他の議員から)一緒に頑張りましょうと声をかけていただき心強く感じています」と筆談で答えた。
一方で、耳が聞こえずほとんど話せない斉藤氏が、議会活動する上での具体的な救済措置は決まっていない。この日も、斉藤氏側と区議会事務局幹部ら5人が話し合ったが、結論は出なかった。事務局次長は「(パソコンで文章を音声に変換する)音声読み上げソフトの使用や手話通訳、要約筆記者、付き添い補佐の起用など案はある。段階的に導入することも考えられる」とした。
同区議を6期務める佐藤氏は「本会議では事前質問ができるし、委員会はパソコン導入が認められているので何とかなるかもしれない。だが、議員だけの打ち合わせが多々あり、それに対応するのが難しそうだ」と指摘した。
晴れて「筆談区議」となった斉藤氏だが、5月末の初めての本会議までに環境が整うかは不透明なままだ。
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