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第83回センバツ高校野球大会(甲子園)の開催可否を最終決断する臨時運営委員会が18日、大阪市内で行われ、予定通り23日から開催することを決めた。東日本大震災の影響で中止も検討されたが、ナイター試合の回避努力や鳴り物禁止など被災者の心情を考慮したうえで復興センバツとして開催する。「がんばろう! 日本」をスローガンに掲げ、被災した東北(宮城)を含めた代表32校が、希望の舞台に立つ。
センバツが、日本を励ます“復興支援甲子園”になる。23日の開会式を5日後に控え、運営委員会は苦渋の決断を下した。「ひと筋の光になるのではないか。いつの時代も希望は若者たちです」。大会初の中止を回避した日本高野連・奥島孝康会長(71)は力を込めた。
未曽有の震災に加え、原発や計画停電の影響が懸念される中で開かれた臨時委員会。1995年の阪神・淡路大震災での被災経験を話した委員もおり、約1時間15分の会議では「中止すべき」との声も出た。その中で「選手の思いを最大限に尊重した」と朝比奈豊・大会会長(63=毎日新聞社社長)。「がんばろう! 日本」のスローガンを掲げ、95年の開催時と同様に条件を打ち出すことで、最終的に開催で全会一致した。
今回の震災の影響を象徴するのはナイター試合をしない努力だ。初日は開会式を簡素化して第1試合開始時間を20分繰り上げ、試合のインターバルを短縮してナイター照明使用の回避を目指す。文部科学省からナイター自粛を求められたプロ野球界の話題は「判断要素にはなっていない」(奥島会長)と説明したが、停電を迫られている東北、東京電力管轄の地域の人々に最大限の配慮をした形だ。
開会式も入場行進曲(いきものがかりの「ありがとう」)を生演奏でなく、CDを流すことに決まった。昨年まで警察音楽隊が担当していたが、主催者側は「救援活動が続く中、参加のお願いができなかった」と説明。さらに試合中も鳴り物が禁止となり、華美な応援は自粛されるが、球児にとっては最高の晴れ舞台であることは変わりない。
その一方で、奥島会長は「放射能の影響による中止は今からでもありえる」と、福島原発の状況次第で、大会中止の選択肢があることを強調した。甲子園に球春が到来することが、被災地の未来を照らす希望になると信じるしかない。
◆創志学園が宣誓 選手宣誓は、異例となる2年生主将が担うことになった。15日の組み合わせ抽選会では東北が欠席したことなどから選出を断念。臨時運営委員会で奥島高野連会長がくじ引きし、創部1年で出場する創志学園(岡山)の野山慎介主将(2年)に決まった。尼崎小田(兵庫)との練習試合では3安打をマークしたが、長沢宏行監督(57)は「プレッシャーになってはいけない」とあえて大役の通達をしていないという。
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高校野球
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東日本大震災を受けて日本高野連は12日、大阪市内で緊急の会合を開き、第83回選抜大会(23日開幕・甲子園球場)を予定通り開催する方針で、13日の臨時運営委員会に諮ることを決めた。組み合わせ抽選会も予定の15日に行う方向で準備を進める。この日は都道府県高野連を通じ、出場校の状況など情勢の把握に努めた。ただ、昼の時点では東北(宮城)とは連絡が取れていないという。
組み合わせ抽選会も予定の15日に行う方向で準備を進める。日本高野連の山口雅生事務局長は「14日の代表者会議や、組み合わせ抽選会は来られない出場校があってもやむを得ない。状況は刻々と変わっていくので、スケジュールを調整することもある」と話した。
また、日本高野連は都道府県高野連に対し、全加盟校の被害状況を確認するよう依頼した。
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日本学生野球協会は31日、都内で審査室会議を開き、高校8件の処分を決めた。1、2年生部員19人中18人(他に3年生部員1人)に部内暴力、喫煙、飲酒、窃盗、器物損壊などがあった栗東(滋賀)は、6か月の対外試合禁止処分となったが、今夏の滋賀大会には出場できる。また、部員11人の喫煙で3か月の対外試合禁止処分を受けている藤蔭(大分)は、提出された報告文書に誤りがあり、処分開始日が昨年の11月10日から同21日に変更された。処分は以下の通り(肩書は当時)。
【対外試合禁止】▽藤蔭 昨年11月21日から3か月=部員の喫煙▽松戸馬橋(千葉) 昨年12月2日から1か月=部員の部内いじめ▽東根工(山形) 昨年12月10日から1か月=部員の窃盗▽栗東 昨年12月24日から6か月=部員の部内暴力、喫煙、飲酒、窃盗など▽島本(大阪) 昨年12月22日から1か月=部員の喫煙
【謹慎】▽蓮田松韻(埼玉)の監督 1月5日から1か月=監督の部外暴力、など3件
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第83回センバツ高校野球大会(3月23日から12日間・甲子園)の選考委員会が28日、大阪市内で開かれ、出場32校が決定した。新潟・佐渡島にある佐渡が21世紀枠で同校初、離島勢としても06年の八重山商工(沖縄)以来の出場を決め、“ゴールドラッシュ打線”で甲子園初勝利を狙う。
最高気温1・3度。吹雪の日本海を見下ろすグラウンドに、佐渡ナインの雄たけびがこだました。4番・石見聖人(2年)は、江戸時代から約400年の歴史を誇った佐渡金山のおひざ元である相川地区出身。冬の間は雪上のティー打撃と1日500本の素振りで、スイングスピードを上げた。「次の打者につなぐ意識を高めたい」。得点がわき出る“ゴールドラッシュ打線”の主砲として、値千金の一打を誓った。
離島のハンデを克服し、「人間力の向上」にも取り組んでいることが評価され、21世紀枠での出場切符を手にした。「やっと島民の夢がかなった」。佐渡島から初の甲子園に、深井浩司監督(48)は目頭を熱くした。柏崎(新潟)の部長として03年にも21世紀枠で出場。06年に妻と2女を残し、単身で海を渡った。週末には年間約40試合の島外遠征で鍛え上げてきた。早朝3時に起床し、新潟港までフェリーで2時間半。「就任当初は大敗した後なのに、船の中で笑ってトランプをする者もいた。今では打てなかった悔しさから甲板の上で素振りをする選手もいる」。昨秋に県準優勝。荒波に落ちた悔し涙は無駄ではなかった。
幸運の女神もいる。佐渡市の親善大使を務めるタレント・里田まい(26)だ。里田は昨年、現地で「トキの田んぼを守る会」とコシヒカリ「里田米」を共同生産。朗報を受け、同校OBの江口誠治・JA佐渡営農部長は「佐渡市などと連携して支援を検討していきたい。里田米の差し入れも有力な選択肢の一つ」と語った。里田と真剣交際する楽天・田中は駒大苫小牧時代に夏2連覇、準V1度。佐高にとっても貴重な必勝アイテムとなりそうだ。仲川篤志主将(2年)は「(全部員43人が)佐渡で生まれ育ち、ひたすら野球をする姿をアピールしたい」。島の誇りを胸に金星をつかみ取る。
タレント・里田まい「出場おめでとうございます。私も応援します。私のご飯をいっぱい食べて頑張ってください」
◆離島 本土とされる北海道、本州、四国、九州、沖縄本島をのぞく島の中で、本土とされる島と橋などでつながっていない島のことを指す。53年センバツで初出場初優勝を飾った洲本(兵庫、淡路島)は、85年の大鳴門橋開通によって離島扱いではなくなっている。佐渡島内に高校は5校あり、野球部があるのは4校。
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