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ばいきんダディの何でオレ様が・・・
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ゲゲゲの鬼太郎(第二期)38話「隠れ里の死神」
(1972年7月20日放映/脚本:雪室俊一/作画監督:小松原一男)

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水木しげるさんが逝去されました。93歳。大往生でいらっしゃいます。
数々の人気漫画作品を残し、妖怪を身近な日本の文化にまで落とし込んまれた方であることは有名です。私にとってはそれ以上に太平洋戦争に出征し、多くの戦争体験漫画を残されていることがとても印象深い。
本土に残った方の戦争体験を綴ったものは多いのですが、意外にも戦地体験についてのそれは少ないように思います。あっても美化されていたりはぐらかされていたり。
もちろんフィクションとしてなら美化されているものがあっても私はいいと思いますけどね。
一介の兵士目線からの戦地の実情は極めて貴重であり、「ああ、おそらくはこれこそが事実なのだろうな」というリアリティに溢れています。
「総員玉砕せよ!」なんかは全ての日本人必読の書だと思いますよ。

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顔がドロドロに溶けていく男の子・・・
のっけから大恐怖

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ぎゃーーっ!!
目を回して気絶するねずみ男

とは言え、やはり水木先生と言えば「ゲゲゲの鬼太郎」が圧倒的代表作
私なんかもアニメの鬼太郎から水木作品に触れた口です。
鬼太郎は60年代、70年代、80年代、90年代、00年代に渡って何度もアニメ化されるという極めて稀有作品であり、それぞれ時代によってニュアンスやテーマが異なりつつも半世紀にわたって愛され続けるというのは尋常ではないですね。
私世代にとっては70年代版が一番なじみ深いですね。本放送をオンタイムで観ていたわけではないですが、何度も何度も何度も再放送で観ました。

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タイトルバックからして怖すぎ

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死神自体はユーモラスな準レギュラーキャラ

wikipediaの記事を読んだところ、実はこの70年代版がもっとも大人向けに作られたいたようです。
水木先生の原作に無いエピソードも多く、当時の世相を大きく反映した社会風刺、アイロニー、人間の業などメッセージ性の高いお話しも多かったんだとか。
絵柄もおどろおどろしくしばしば劇画タッチに偏っており、子供向けエンターテイメント作品に徹した80年代版、90年代版とは大きく作風を異にしています。
水木作品から一歩飛び出した当時のスタッフ達の作家性が反映されている作品と言えるでしょう。観ていた小学生当時はそんな意識も無かったのですが、言われてみれば確かに単純な勧善懲悪的な話しは少なく、良くも悪くも子供には重たい雰囲気があったような。

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やっぱ猫娘(小串容子)のデザインはこれだよなあ・・・

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2007年版猫娘
萌えキャラ化
何じゃこりゃ〜w

そんな70年代版鬼太郎の中で私が特に衝撃を受けた忘れられないエピソードが本作。
<ストーリー>
村祭りに立ち寄っていた鬼太郎(野沢雅子)たちの前で不思議な事件がおきた。
迷子の子供がその場で白骨化してしまったのだ。時を同じく死神(神山卓三)に誘拐されようとしていた男の子を助けた鬼太郎。死神の話によると、隠れ座頭という妖怪に男の子をさらってくるようそそのかされたとのこと。
目に見えない不思議な道を通って隠れ座頭の住む「隠れ里」へ向かった鬼太郎は、そこで何百年も前に隠れ座頭にさらわれた子供たちに出会う。子供たちは飢えや貧しさのない隠れ里に住んで幸せだと主張する隠れ座頭だったが、親元へ帰りたいという子供たちの願いを受けて鬼太郎は隠れ座頭を打倒す。
しかし、帰路で子供たちは全員白骨死体となってしまう
それまで止まっていた時間が一気に子供たちの体に流れてしまったのだった・・・

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不思議な道を通って隠れ座頭の元へ・・・

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そこは不気味な極彩色のユートピアだった

何とも寂寥感とやるせなさとおどろおどろしさ溢れるラストです。
子供の頃に観たときは本当に怖かったですね。
ヒーローに助けてもらった子供は当然にこやかに親の元へと帰るというのに、白骨化ですからね。
当時の子供の常識からすると「なんじゃそりゃ〜?!」ですよ。
連れ帰ったことを悔やむ鬼太郎に対して目玉おやじ(田の中勇)は、とうの昔に亡くなった両親の元に行けたのだと慰めます。功徳というやつですかね。考えてみれば何百年も成長することの無かった子供たちは生きながら死んでいたのでしょうから。
しかしそんな理屈が小学生に分かるはずもなく、当時はただただ愕然とするだけでした。

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何百年も昔に隠れ座頭にさらわれた子供たちに出会う

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隠れ座頭は
飢えも貧困もない隠れ里で暮らす子供たちは幸せだという

隠れ座頭という妖怪は本作、あるいは水木先生オリジナルの妖怪ではありません
北海道、東北、関東地方で伝わっているもので、話によって福を授けてくれる存在だったり、本作のように子供をさらう妖怪だったりと様々なよう。
またその名は「隠れ里」に由来し、ある種のユートピア=「隠れ里」と密接に関連した妖怪として古くから形造られていたようです。

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親に会いたいと泣く子供たちの希望を叶え
隠れ座頭を打倒した鬼太郎は子供たちを連れ帰るが・・・

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人間界に戻った鬼太郎が振り返った先は・・・

もっとも、本作のように子供をさらって自分の作り上げた隠れ里に住まわせるという流れの昔話自体があったのかどうかまでは分かりません。
ただ、結構同じ構成のお話しはフィクションでしばしば見受けられるんですよね。
妖怪ファンで知られる魔夜峰央の「妖怪始末人トラウマ」シリーズにもありましたし、以前ご紹介した「プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち」なんかも良く似たフォーマットです。

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死屍累々・・・
子供たちは白骨化していました

おかしさ、優しさ、温かさ、切なさ、おそろしさ、そして不条理。
子供にも大人にも人の世の様々な感情を教えて下さった水木しげるさん。
今まで本当にありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りいたします。

  • ダディさん、よくこういった話をご記憶でしたねぇ。
    ほんとだ、愕然。
    いま、昭和アニメを観る機会がしばしばありますが、今と違う倫理観にときどき「そうだったなぁ」と思います。
    いまは子どもにオブラートで包みすぎのような気もします。
    でも、世の中自体が違うんだもんね。
    晩年はマイペースぶりが特筆された水木先生ですが見直されている時代でもあるというのが何となく納得。
    どんどん昭和のすごい人が鬼籍に入ってしまいますね・・・。

    [ ぽんぽん (ponpon) ]

    2015/12/3(木) 午後 4:15

    返信する
  • t78*****さん

    こちらこそコメントありがとうございます。
    おっしゃるように亡くなられた方のことをアレコレとマイナス方向では話したくないですよね(^_^;)
    静かに感謝とともにご冥福をお祈りしたいものです。

    ばいきんダディ

    2015/12/3(木) 午後 5:01

    返信する
  • mnpさん

    確かに苦労話というのは今が幸せであるからできるものですよね(^_^;)
    現在進行形では洒落になりません。

    墓場の鬼太郎は全然雰囲気違っていて驚きます。
    鬼太郎だけじゃなく貸本時代のマンガって(もちろん当時は知りませんが)色々とキョーレツだったりします(^_^;)

    ばいきんダディ

    2015/12/3(木) 午後 5:03

    返信する
  • 恒点観測員さん

    さすがに良くご存知ですね!(^^)!
    「雨神・ユムチャック」か。是非見比べて見たいですね。
    個人的には私もさらってくるのなら若い女性がイイです(笑)
    そう考えると隠れ座頭はいい奴だったんだなあ(笑)

    歴代鬼太郎声優さんは一流なんですよね。
    それだけ鬼太郎が鉄板ヒット作ということなのでしょう。
    そうかあ高山みなみ当ててたんだあ。

    水木先生のご冥福をお祈りいたしましょう<m(__)m>

    ばいきんダディ

    2015/12/3(木) 午後 5:07

    返信する
  • 池やんさん

    あと幾人か巨匠レベルの方々がご存命ですが・・・さすがに心配なお歳になっていらっしゃいます。
    子供の頃からのなじみに方々が旅立たれるのは本当に寂しいですね。

    我々もそういう送る歳になってしまいました・・・

    ばいきんダディ

    2015/12/3(木) 午後 5:09

    返信する
  • ニホンセンさん

    牛鬼ですか。
    それは記憶にないけど面白そうです!(^^)!

    鬼太郎のアニメは子供の頃からなじみ深いのですが、実は子供の頃は水木先生のマンガはなんだか怖くって呼んだことありませんでした。
    結構大人になってからですね。
    水木先生の面白さを理解したのは。

    亡くなっても先生の作品は読み継がれていく。
    素晴らしいことです。

    ばいきんダディ

    2015/12/3(木) 午後 5:12

    返信する
  • atts1964さん

    お詳しいですね!(^^)!
    当時の世相を積極的に取り入れるというのは当時の特撮ものに通じるものがあります。
    近年の子供作品はそういうのが全くないなあ。
    むしろ包み隠してしまっているような・・・残念です。
    クリエイターの人にはそういう社会的なものにもの申す的な気概が欲しいものです。

    第二期も忘れているものがほとんどですので、観返したくなってきましたよ!(^^)!

    ばいきんダディ

    2015/12/3(木) 午後 5:27

    返信する
  • ソリッドさん

    私は第一期はほとんど観た記憶がないんですよ。
    再放送してましたっけ?
    80年代版は夕飯時になんとなく観ていたなあ・・・でも子供の頃(第二期)の方が面白いなあなんて思っていました。

    私も原作はこまごまと読んだ程度。
    実は水木作品で鬼太郎が一番手薄だったり(^_^;)
    先生を偲びながらじっくり読んでみたいと思っています。

    ばいきんダディ

    2015/12/3(木) 午後 5:36

    返信する
  • hidehydさん

    同年代のhidehydさんですから、おそらく第二期をご覧になっていたんだと思います。
    怖い怖いと思いながら幼少時代に観ていた記憶が。

    さすがに大人になってみると怖いとまでは感じませんが、また別の感じ入るものがあるんですよ。

    猫娘はねえ・・・時代でしょうか(笑)

    ばいきんダディ

    2015/12/3(木) 午後 5:39

    返信する
  • ニュースを聞いたときにはショックで体が固まってしまいました。
    境港も近いので水木しげるロードには今年も出掛けたのですが寂しいです。

    [ osamu7329 ]

    2015/12/3(木) 午後 11:17

    返信する
  • 私も第2期の鬼太郎が思い入れがあります。
    ただ…当時は怖くて全部は観てないような。。。

    謹んでご冥福を祈ります!

    [ きゅあおっさん ]

    2015/12/4(金) 午前 6:12

    返信する
  • ぽんぽんさん

    強く印象に残っていたので覚えていたってとこでしょうか。
    他のお話はほとんど忘れています(笑)

    昭和の作品は色々と違いますよ。
    もちろん現代の方がより倫理的で人権への配慮もされているのですが、しかし一方で現代は現実生活とのかい離もあるような・・・・
    そういうところは親が子供に細やかに伝えるしかないでしょうし、人によってニュアンスが変わるところですね・・・(^_^;)
    子育てって面白けど難しいや。

    ばいきんダディ

    2015/12/4(金) 午後 3:48

    返信する
  • osamu7329さん

    私の住まいの近くには藤子先生のミュージアムがありますが、亡くなられた後も多くの人に愛され続けています。
    もちろん水木先生も同じく連綿と愛され続けるのでしょう。

    そう思うと心が温かくなりますね。

    ばいきんダディ

    2015/12/4(金) 午後 3:50

    返信する
  • きゅあおっさんさん

    私も怖々ながら観ていましたよ。
    エンディングのから〜ん、ころ〜んが妙に怖かった記憶が(^_^;)

    今度うちの子たちが怖がるかどうか試してみようと思っています。

    ばいきんダディ

    2015/12/4(金) 午後 3:51

    返信する
  • 顔アイコン

    本当に世代を超えて、親しまれる作者さんだったと思います。
    大往生と言える年齢ですが、こういう方が亡くなられるのは残念ですね

    それにしても、ばいきんダディ様は 良くいろいろな作品を細かく覚えていらっしゃいますね。
    その記憶力に脱帽です。

    [ ロゼ ]

    2015/12/5(土) 午前 1:04

    返信する
  • nekonekoさん

    たまたま覚えていただけなんですよ。
    先生の訃報をきっかけに見返して見ました。
    怖いという気持ちこそ当時ほどではなかったんですが、いたたまれない鬼太郎の気持ちは大人になった今の方が強く感じましたね。

    昭和の大作家がまた一人逝ってしまわれました…

    ばいきんダディ

    2015/12/7(月) 午後 4:32

    返信する
  • 顔アイコン

    あ〜 何となく覚えてます。 絶体これ、今風の鬼太郎にはない作品ですね。
    私は鬼太郎一期派ですね。。 子供心にも当時は怖かったりしたもんです。 でも、大好きでした。今風のはアレンジしすぎで、今が子供であっても、ものたりないよな気がしま
    す。

    [ anbeln ]

    2015/12/19(土) 午後 7:34

    返信する
  • anbelnさん

    お久しぶりです!(^^)!

    これは確かに現代の子供向けではありえないかもしれませんね。
    何とも寒々しく怖い終わり方でした。

    こういう作品こそ子供心に響くものなのですが、人畜無害の文科省推薦作品では子供心は育ちませんよね(^_^;)

    ばいきんダディ

    2015/12/21(月) 午後 0:20

    返信する
  • 顔アイコン

    なるほど、「コブラ」!
    出崎x杉野の名コンビですね。作画面に於いては、彼等が他より一歩も二歩も抜きん出ていたと思います。今レンタル化を熱望するのは一連の「エースをねらえ!」シリーズであったりします。
    その面では80年代より更に辛い70年代の作品達、その点だけクリア出来れば、本当にこの2期は傑作揃いでしたね。(1期はYOU TUBEでしか知りませんけれど)何より素晴らしいのは、内容そのもの、放送分の半分程度は、大水木翁の本来独立、完結した鬼太郎とは無関係の短編群から取っていた筈。各々の原作漫画を読んだ事があります。総合的な怖さに於いては「妖怪人間べム」に劣るもこれ程、深い作品はそうそう無かった様に記憶します。
    ●深さに於いては「地相眼」、
    ●何故か妙に覚えている「死人つき」〜ゴーゴリー原作の換骨奪胎作、その映画化の「妖婆 死棺の呪い ヴィ(1967)」も独特の味があります〜
    ●そして怖さに於いては「イースター島奇談」と最凶作「足跡の怪」でしょうか?

    「墓場鬼太郎」でさえアニメ化された昨今、2期のリメーク若しくは「大水木劇場」として放送を望みます。

    [ light ]

    2016/4/8(金) 午後 0:29

    返信する
  • lightさん

    めちゃくちゃお詳しいですね(^_^;)
    エースをねらえは劇場版が大傑作でしたね。
    テレビ版は当時少しだけ見ていたかな。

    鬼太郎も実はわたくしはほとんど二期しかみたことがなく。
    あとは90年代版をほんの少し。

    妖怪人間は再放送でよく見ていましたが、怖くなって席を立つこともありましたよ。各話の詳細までは覚えていないのですが、また観てみたいなあと思います(^_^;)

    ばいきんダディ

    2016/4/8(金) 午後 2:32

    返信する

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