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「銃夢」シリーズ(木城ゆきと著)
「銃夢(1991〜1995年/ビジネスジャンプ掲載)」 「銃夢LastOrder(2000〜2014年/ウルトラジャンプ→イブニング掲載)」 「銃夢火星戦記(2014年〜/イブニング掲載)」 モータボール編のガリー
1991年に今は亡きビジネスジャンプ(略称ビージャン)で産声を上げた息の長いSFアクション漫画です。ご存知のように現在公開中の映画「アリータ: バトル・エンジェル」の原作でもあります。あのジェームズ・キャメロンが関わった長年の映画製作の噂とその完成には紆余曲折がありますが、それについては長くなるのでひとまず置いといて。まずは私が大好きなこの「銃夢」シリーズのお話しと参りましょう。 ガリーは火星古武術「機甲術(パンツァークンスト)」の使い手
失われた過去には何が?
ガリーの雄叫びシーンがカッコイイ!
少なくともSF好きにとっては避けて通れないほどの魅力を放っている本作ですが、一般にはそれほど知名度は高くないのかな? 発端となる舞台は「クズ鉄町」と呼ばれる科学技術は発達するも人権も倫理も崩れかかった雑然としたデストピア世界。ゴミの中で拾われた少女ガリーがバケモノのようなサイエンスモンスターを撃破するという展開の表面だけを追うと、いかにも読者を選びそうです。しかし本作の本当の魅力はそんな表層に留まらず奥深い。詳細な歴史まで編み出すまで構築された世界観、科学/疑似科学を交えた混沌とした技術解説、現代/未来兵器、拳法/格闘技、医学、精神世界、果ては音楽まで。 ありとあらゆる方向に想像力の翼が広がりまくっています。 ガリーと言えばこのタラコくちびる
連載と共に絵柄はかなり変わってきましたがタラコくちびるは健在w
そうなると、知識面に踊らされた物語になりそうなものですが、本作に限ってむしろ逆。それほど深く広範な知識を添え物にしてあくまでも描いているのは各キャラクター。しかも出てくるキャラクターたちが脇役に至るまで揃いも揃って業が深い。えげつない人生を背負っています。その傾向は作品が進むにつれてドンドン強くなっていまして脇役なのに主役そっちのけで紙面をつかいまくりで。中には丸々二巻使ってるキャラもいたりしてw 脇のキャラクターが皆強烈で魅力的!
モーターボールの帝王ジャシュガン
カエルラ・サングウィス
たぶん範馬勇次郎のオマージュキャラだよね
そんな各キャラのグロテスクで救いようのない物語がもう読み応えたっぷりでおなかいっぱいwそれでもそんな重厚な物語に捕らわれずに読み進めて行けるのは卓越した格闘/戦闘描写にあるのでしょう。主人公ガリーの操る火星古武術「機甲術(パンツァークンスト)」は未来世界の科学技術を実在の格闘技に上乗せした架空の格闘技。その戦闘の数々は、一流の格闘技漫画でも味わえない特別な迫力と興奮に溢れています。 超電磁空手の刀耳
「超電磁竜巻〜」のリズムで読んでくださいw
怒れる反逆集団の首領・電(でん)
本作は深い業を背負った人間たちが出てくることもあって名セリフが多いんですよ。元ネタがあるのかどうか分かりませんが、偉人の名言レベルで心にグッと突き刺さる言葉も少なからずあったりして。知らず知らずのうちに私の人生観の一つにまでなっていますね。 本シリーズの裏主人公とも言える狂気の天才ディスティ・ノヴァ
名セリフが多いです
ホントいい言葉だなあ
サイコメトラーである息子ケイオスの手を脳ミソに突っ込む!
誰よりも深く「生」を追求するノヴァ
その訳は・・・
こんな一言では語りつくせない魅力が詰まりまくった本シリーズ。それでも一本筋が通ってブレないのは、主人公ガリーのカリスマ的魅力を放っているからでしょう。 桁外れに強い、でも負ける。猫のように自尊心が高い、でも心が折れる。クールに決める、でも泣きわめく。運命と強敵に翻弄されながらもそれでも前に歩を進めるガリーからは目が離せません。
最終章で連載中の「銃夢火星戦記」では、連載当初から小出しにされていた世界背景の全貌やガリーの生い立ちがついに明らかにされていっています。25年以上のファンとしては実に感慨深いですね。 猫のように高い自尊心と自立心
でもすぐに心が折れる
それでもなお前へ進むガリー
魅力的です
もっとも古い作者談によると、連載当初は世界観や人物に背景設定は無かったみたいですね。そもそもご本人は少年マンガ志望だったので、大人向け雑誌の連載にも戸惑っていたようですし、「機甲術」という設定も編集の助言から生まれたものだったらしいです。今となっては「機甲術」は本作の要訣となるなくてはならない舞台装置だけに、面白いものだなあと思います。 バーの歌姫やってたことも
曲はYesのBig Generator
初期の絵も味がありますが「LastOrder」以降の完成された画風が好きです
マジでダマスカスブレードのナイフを買おうかと悩んだ時期がありました
ちなみに本作は1993年にOVA化されています。バブル時代のOVA大量生産末期の作品と言えるでしょう。 「銃夢」の1〜3巻くらいまでをアレンジしたような構成で、当時のOVAとしてクォリティも上々です。が、良くも悪くもいかにも「90年代アニメーション」の枠に嵌まってしまっていて「銃夢」の強烈な個性は消えてしまっています。 凡作かなあ。 OVAのガリー(CV伊藤美紀)
さて、本作は海外のクリエイターにファンが多いことで知られていて、その最たる存在がギレルモ・デル・トロやジェームズ・キャメロンでしょうか。彼が本作に興味を示し始めたのは20年以上前のようです。つまりビージャン連載時代の「銃夢」。 「ブレードランナー」に強く影響を受けた雑然としたサイバーパンクな世界観に日本のコミック/アニメ要素を加えた初期の「銃夢」はいかにも外国人を惹きつけそう。実際、実写映画版は「銃夢」の4巻までが中心となっているようです。 そこから考えると「LastOrder」以降はずいぶん作品の毛色が変わっています。今の「火星戦記」をどう感じているか、デル・トロやキャメロンに尋ねみたいところです。 明かされる火星時代のガリーの過去
衝撃の出生の秘密も
「火星戦記」の展開が超楽しみ
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お久しぶりです〜。今月は更新が少ないからお忙しそうですね。
「アリータ」を予告で観て、人?CG?と、気持ち悪くなってたのですが、原作がこういう世界観なのですね。
恥ずかしながら未読作品です。
攻殻機動隊の士郎正宗さんにも絵柄が似てますね。
あ、下の方の絵は大友さんに影響されてる・・・(^^;)
やはり90年代以降の人気作品は有名作家さんでも影響されてますね〜。
でも、イラストのセンスがポップな感じもあり〜の、書き込みが丁寧でもあり〜の、これに内容がちゃんとしてるんですね。
読んでみたくなりました。
[ ぽんぽん (ponpon) ]
2019/2/28(木) 午後 5:20
ぽんぽんさん
ご無沙汰しておりました(^^;)
公私ともに忙しくなかなか更新も訪問も出来ず・・・。
ようやく一段落しましたよ。
また宜しくお願いします。
長期連載作品なんですけど意外と知られていないかもしれないですね。絵は初期こそ安定しないですが(それでも魅力あふれていますが)今は本当にレベルが高いです。
それよりも世界観、キャラ立ち、物語が独特です。
私は大好きなのですが・・・う〜ん、かなりクセがありますよ。万人にはお勧めするのは難しいかなあ(^^;)
2019/2/28(木) 午後 5:27
おお!原作はこういう絵なんですね!
映画は続きそうですが、ちょっと違う感じですね。
2019/2/28(木) 午後 6:44
銃夢は真剣に読んだ事がないですなぁ。
絵のタッチが苦手だったもんで、たまに定食屋に置いてあったジャンプで軽く目を通した位です。
でもこうやって記事を読むと興味がひかれますわ(笑
私のブログ友の皆さんは、どこのブログに移行するのか、気になります。
せっかくブログを通して仲良くなれた関係、なくなるのは寂しいですね。
2019/2/28(木) 午後 8:23
この作品、前に記事などで紹介されてましたっけ?
たまたま本屋で単行本の「銃夢」ってタイトルが目につき 気付いたら半分くらい読んじゃって、面白そうだから買おうかな、と思ったけど近くにあった弐瓶勉の「人形の国」を買っちゃいましたw
「アリータ」の原作がコレなんですね、終わらないうちに観に行こう
[ ソリッド ]
2019/2/28(木) 午後 8:23
ついにハリウッドですね〜(#^.^#)
私も最初の連載時からずっと読んでいまして、もちろん単行本も持っているのですが、以前出た可動フィギュアをスルーしてしまったのが心残りでございます。
一原作ファンとして楽しみにしていますが、個人的にはノヴァや最近のストーリーが好きなので、初期の頃となるとどんなかなあと思ってます‼( ≧∀≦)ノ
[ TAKIちゃん ]
2019/3/1(金) 午前 5:46
atts1964さん
映画版は、強引に初期の「銃夢」の絵柄に似せて目を大きくしたという感じです(^^;)
続編がありそうな展開だったんですか?
人気次第ですね(^^;)
2019/3/1(金) 午前 10:39
あとりえ池やんさん
絵柄は当時と今とではだいぶ変わりましたよ。
LastOrderから作品の雰囲気もかなり変わってきました。
もし機会があれば見てみてください。
ブログ終了は驚きですね。
少なくとも私はどこかに移行して続けて行こうとは思っています。情報交換していきましょう。
2019/3/1(金) 午前 10:42
ソリッドさん
銃夢の記事を書くのは初めてだったと思います。
ほんとは映画公開前に記事にしたかったんですけどね(^^;)
初期の「銃夢」より「LastOrder」以降の方が楽しめるんじゃないかと思います。
私もこの週末くらいに「アリータ」を観に行こうと思っています。すぐに終わってしまいそうだから(笑)
弐瓶勉お好きですね〜。人形の国は未読ですがいつか読んでみますよ!(^^)!
2019/3/1(金) 午前 10:46
TAKIちゃんさん
おおっ、初期からご愛読でしたか!
&私も「LastOrder」以降のお話が好きですし、ノヴァが大好きです。
「火星戦記」ではついにガリー出生の秘密が明らかになりましたね。過去編が終わるといよいよ現代のお話に戻るのかな。ワクワクです。
が、今の連載ペース考えると完結するのは10年以上さきだったりして(笑)
2019/3/1(金) 午前 10:49
好きそうな作品なのに、まったく知らなかったー
当時読んでいたら、ハマってそうです
そんな作品がハリウッドデビューとなれば、感慨深いものがあるでしょうね
博識なダディさんの記事が好きなのに、ブログ終了・・・ちーん
パソコン音痴なだけに、追いかけられるか心配・・・
[ fay*a*s200* ]
2019/3/1(金) 午後 8:18
名前は知っていましたが、タイトルから『ガンアクションもの』だと思っていました。
〇絵柄が「秋恭摩」や「いたはししゅうほう」に似ている気がします。
[ 恒点観測員 ]
2019/3/2(土) 午後 6:44
絵とか嫌いじゃないのに読んでませんでした
何でだろ?w
あとでまとめて読もうとしたのかな?
アリータはこれが原作だったんですね
[ ニホンセン ]
2019/3/2(土) 午後 10:39
fayさん
独特な作品で作風も長い年月で変わってはいますが、今読んでも面白いと思いますよ(^^;)
先日映画も観ましたが、想像よりも面白かったです。
とりあえず移転先が決まったらお知らせいたします。
出来る限り記事も移転したいですし。
2019/3/5(火) 午前 10:33
恒点観測員さん
確かに「秋恭摩」や「板橋しゅうほう」っぽさはありますね。
ただ、個人的には画力もセンスも木城ゆきとの方がずっと上かな(^^;)
話しのセンス自体が素晴らしいですし。
もし機会があれば是非ご一読を。
あ、独特ですがガンアクションも少なからずあります(^^;)
2019/3/5(火) 午前 10:37
ニホンセンさん
まとめて読まれるのでしたら今がチャンスかも?
結構楽しめる作品だと思いますが、初期とその後では画風も話の雰囲気もかなり違っています。
それでもガリーを巡る物語と言う意味では一本筋が通っているのが魅力です。
映画も先日観に行きました。
予想より面白かったです(^^;)
2019/3/5(火) 午前 10:39
銃夢は連載開始からユーゴが死亡するまでは読んでいました。最初、読んだときは世界観はいたはししゅうほうで設定は士郎正宗かと思いましたが、中身は凄く違い、面白かったなあ。OVAも見たが中身は銃夢ぽくなかったがサイボーグ少女の初恋をえがいたみたいでよかったかな?ビージャンもうないんだ。涙。
[ 燃焼豚 ]
2019/3/9(土) 午前 6:46
燃焼豚さん
銃夢の魅力の一つは絵的にも運命的にも残酷なところだったりしますので、そういうグロテスクさのないOVA版は味気なかったですね。
実写版もそういう色は薄めてあるのですが、それ以上のド迫力を味わえたような気がします(^^;)
2019/3/12(火) 午後 4:19