倉敷長屋日記

福田の家、荒壁つきました

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適判 / 限界耐力計算

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石場建ての確認申請が下りた。

32坪の木造2階建ながら岡山県の適判では判定ができなという理由から、大阪の㈶日本建築総合試験所へ構造計算書を含む確認申請書一式が送られていた。

確認申請書20頁+設計図14枚+構造計算書131頁=合計165頁という、仰々しい書類となった。
私は構造設計者ではない。おまけに自動計算ができる構造プログラムがない(正確にはあるらしいが、私は持っていない)ので、少なく見積もっても500時間は掛かった。

倉敷の確認検査機関に提出した際には「こんな事して何の得になるのだ?」と聞かれた。
岡山本社では「アンタは趣味で仕事をやっているのか?こんな事やっていては経営ができるのか?」と同じような質問を受けた。
彼らは意地悪で言っている訳ではない。おそらく本気で私の事を心配してくれているのだ。人の生活の心配までして下さる「いい人」達なのだ。ただ、損得や金銭という「物差し」しか持たないというだけだ。

32坪の木造2階建てではあるが、地盤が浮動沈下を起こさないか、ベタ基礎が重量を受けて割れないか、地震が起きた際に礎石から柱が滑らないか、ひとつひとつの柱の各階に掛かる長期軸力(重量)はいくらか、大きな軸力が掛かる柱や通柱は極稀地震の際に折れないか、小壁が取り付く柱は折れないか、梁は長期荷重でどれくらいたわむか、梁はせん断破壊を起こさないか、曲げに対して安全か、瓦は落ちないか、暴風時に倒れないか、構造要素はそれぞれどれくらいあるか、稀地震の際に1/120の変形を起こす前に損傷を生じないか、極稀地震の際に1/15以下の変形で収まるか、建物はどれくらいの変形能力を持つ(粘る)か、損傷限界時や安全限界時の真の応答値はどれくらいになるか、偏心率はどれくらいか、うんぬんかんぬん計算をした。
設計者はこれら全ての項目について安全であり、長期荷重や風や地震に対して安全な建物であるという証明をしなければならない。

たった1枚の「確認済証」を貰うために、来る日も来る日もジミ〜で暗〜い計算ばかりしていたが、私はこういう計算が嫌いではない。私がジミ〜で暗〜い人間だからかもしれない。

計算上の話ではあるが、おかげで自分が設計した建物の構造的な特徴が良く理解できた。
どれかの計算でNGが出て設計変更するという必要がなかったというのは、なかなか大したもんだとひとりごちている。

わからない箇所は専門家に助けていただいた。
どうもありがとうございました!

閉じる コメント(8)

素晴らしい!!!

2011/4/18(月) 午後 9:49 [ あきらパパ ]

500時間ですとっ@@!!!
か、金持ちやな〜!!!???(爆

流れ石!!!

2011/4/18(月) 午後 11:14 oneway

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500時間といえば、技師C換算で165万円、経費100%で合計330万円になりますね。やはり何かが間違っている。

2011/4/19(火) 午前 11:51 [ sin**nsinsh*n ]

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あきらパパ、ありがとうございます。
木に登る豚になります。

2011/4/19(火) 午後 9:36 bajane1515

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ONEWAYさん、おひさしぶりです!
ハハハ、と笑うっきゃないでしょ〜
今度から履歴書の趣味欄に「構造計算」と書きましょか(笑)

2011/4/19(火) 午後 9:39 bajane1515

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shin**nsinshi*nさん、告示1206号ですね。なるほど、そうなりますね〜。
告示通りの報酬なら、設計監理料だけでも700万くらいになりますし。国が定めた通りの報酬額なら、日当が12万くらいで月に1週間働けば後は遊んでくらせるはず。

まさに「絵に描いた餅」ですね(笑)

設計監理料は、ちゃんとお施主さんから料率で頂いているので、その業務として構造計算をしました。500時間も掛かったのは、私がとろくさいからですわ。

あの1206号は一体何なんでしょ?考えるとアホらしくなるので、考えませ〜ん。

2011/4/19(火) 午後 9:48 bajane1515

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私の家も石場建てで3年前に建てました。プログラムなしでの構造計算、本当にごくろうさまでした。昔からのふつうの建て方がどうしてこんな狭き門の仕組みになってしまったのでしょう。もっとだれでも石場建てが建てられる仕組みに代えて欲しいと願わずにはいられません。でも一棟一棟、建てることは重要だと思います。

2011/4/23(土) 午後 7:06 [ kido_azusa ]

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kidoazusaさん、コメントどうもありがとうございました。
ブログ、拝見しました。素敵なお宅ですね!

なぜ、たかだか戦後60年余で「昔からのふつうの建て方」が「特殊な建て方」になってしまったのか、を考えるのですが、戦後復興時の事情、建築基準法、住宅金融公庫、様々な国の施策に要因があると思いますが、私は科学的な検証の遅れも大きな要因だと思っています。石場建てが「普通に建てられる」ようにするために実務者ができることは、面倒でもコツコツ実績を積み重ねることでしょう。

面倒な計算も自分で手計算をやってみるとかなり理解できます。
手を抜かずにやっていきたいと思っています。

2011/4/24(日) 午後 0:36 bajane1515


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