倉敷長屋日記

福田の家、荒壁つきました

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震災/津波

浜岡原発の停止が決まった。

しかし、それは原発そのものを否定する停止ではなく、“津波に耐えうる”防潮堤ができる=安全が確保されるまでの時限措置らしい。

「自然は素晴らしい!」

当たり前のようにそう言われる。
本当にそうだろうか?
津波も地震も自然ではないか。

海水も地盤も人間に意地悪をしてやろうと思って津波や地震を起こすわけではない。
自然は時に悪魔のように人間社会に襲いかかる。
もちろん対策は必要だが、人間が技術でそれを封じ込めるとは限らない。

今年初めに石山祐二先生(北海道大学名誉教授)の「建築Jウォーク ちょっと真面目・ちょっと皮肉」(2005年初版)という本を読んだ。
石山先生は日本を代表する地震防災の専門家だ。
その本に「津波から人命を守ろう」という章があったのを思い出して、読み返してみた。

「(前略)津波の伝わる速度vは水深hが深くなるほど速くなり、重力加速度をgとするとv=√ghとなる。これに、例えば太平洋の深さとして4,000mを代入すると、時速700kmとジェット機なみの速度で津波は伝播する。(中略)津波の陸上での速さは秒速10m以上、時速40km以上にもなり、津波に追いつかれたならオリンピックの短距離選手でも逃げることはできない」
「このようなことを考えると、今後の対策として、津波に対する教育がまず必要である」

三陸沖の方々は津波に対する教育も行われ、知識も持ち、警戒も対策もされていたと思う。
それでも多くの死者・行方不明者が出た。

ここに謹んで哀悼の念を表し、心からご冥福をお祈り申し上げます。

ふと我を顧みると、私は今回の津波の報道を見るまで津波の恐ろしさは認識していなかった。
これは生まれてこのかた、津波に遭ったことがないからだと思う。
教育や訓練を受けた覚えもない。もちろん、その速度についての知識など持っていなかった。
せっかく石山先生の本を読んだにも関わらず、その速度までは頭に入っていなかった。

たまたま瀬戸内海沿岸に暮らしているので、災害に対して能天気に過ごしてきた。
子どもの頃の「避難訓練」といえば火災に対する訓練だった。

だから、私は津波警報が発令されても、どうしていいかわからない。
高いところへ逃げようと思っても、思いつくのは近所のマンションくらいだ。
どれくらいの時間の余裕があるのかも全くわからない。
情けない話だが、子どもにどう教えていいのかすらわからない。

もはや日本中、どこに住んでいても安全だとは思えない。

石山先生が書いて下さっているように「海岸付近で強い地震動を感じたらニュースや他からの情報を待つのではなく、すぐに高いところへ避難する。避難には自動車を用いず、歩いて(できれば走って)逃げる」

石山先生が提案しているように、携帯電話のGPSを使って津波が予想される場合には、津波による被害の危険性が高いところに居る人に自動的にその危険を母国語で知らせるような世界的システムが開発されることを願う。
「自然と闘う」技術も必要だろうが、計り知れない自然に対して、こういう技術も必要だと感じる。


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