倉敷長屋日記

福田の家、荒壁つきました

長屋改修

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今朝から解体工事に入った。

大工さんのMくんとIさんが、あっという間に畳を剥がし、建具を取去り、流しを外し、タイルを退け、押入を潰して、階段裏板を撤去してくれた。ここまで約3時間。

その間、私は何をしていたかって言うと、恥ずかしながら…朝買ってきたおはぎを手土産に、ご近所に工事の挨拶回り。それが終わったらドライバー片手に建具のガラス取り。枠だけになった建具を「勿体無いもんね〜。」って言いながら2階に持って行っただけ。

しかしMくんとIさんの「仕事人コンビ」の大活躍のお陰で、予想通り(えっへん!)いやそれ以上に建具と階段裏板を外した部屋は広々と明るくなったのであります!今日の倉敷は満点の曇天でしたが、それでも真ん中の部屋に光が差し込む光景は「おお〜っ!」っと感動すら覚えるほど。

それなのに、午後から顔を覗けた現場監督A氏は、私が「広くなったやろ!明るくなったやろ!」と自慢すると「少しはな…」と可愛くない事を言う。少しか?見てみろ、でぇれぇー(岡山弁ですごく)明るいやろ?

この押付けがましいところが私の数多い欠点のひとつらしい。

話は脱線するが、以前現場の打上げでいわゆる「ゲイバー」へ行った時、自分が手土産に持って行ったお菓子を人に勧めながら「なっ、美味しいやろ!」と言ったら、♀のお姉さんに「あぁーた、そういう時は“美味しいでしょ?”って押付けるんじゃなくって“いかがかしら?”と言いなさい。」と諭された。

でも、やっぱり…
明るくなったやろ?ねっ?
戦前に建てられた長屋だから、多分当時は風呂はなく、便所も外にあったと思われる。おおかたの長屋がそうであるように、この長屋も後で庭を潰して風呂や便所を増築している。


何でこんな事したんだよ!

元々が二軒長屋なので当然お隣に面している長手方向は全く窓がない。
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採光も換気も奥の中庭からしか望めない。

だというのに、その中庭を風呂と便所で占領しちゃったら、家は息も出来ず光も当たらないじゃないか!
家に「腐って死ね!」と言っているようなモンだ。

例え家の主人がそうお願いしたとしても「旦那、それじゃ家が可哀想ですぜ。」と誰か言わなかったのだろうか?

まもなく築100年を迎える藁葺屋根合掌造りの民家再生をした時、伝統構法で組まれた骨組みはたかが100年くらいではびくともしていないが、たった25年前に軸組構法で増築された部分はもう寿命を迎え瀕死状態だという事実を目の当たりにした。特に浴室の壁は構造体はボロボロに腐り、壁のタイルで辛うじて崩落せずに済んでいるという有様だった。もし入浴中に大地震が起きていたら、と想像するとゾッとする。

私達建築に携わる者の使命は、自分の功名の為にヘンテコな建物を設計する事でも、デザインを最優先して構造を疎かにする事でも、ましてや金にさえなれば将来家のためにならないと解かっている事であっても建て主の言う事を“素直”に“叶える”という事では決してない。そこには個人の財産という視点に加えて社会の資産、日本の文化という視点からの「家の命のために」という忘れてはいけない心掛けが必要だと思うし、常にそうありたいと思っている。

構造そのもの、素材そのものを活かした建築はそれだけで美しいと思う。
裸や素顔が美しい建物を造りたいと思っている。

何だか話が脱線したけど、要はその風呂の増築のお陰で長屋に光も風も届かないのだが、それ達を改修するのは莫大な費用が掛かる。今の私にそんな資金はないが、将来は一番の癌になっている水廻りは改修したい。

光と風の打開策として階段をスケルトンにして二階からの光と風を取り込む作戦だ。
火曜日から助っ人の大工さんM君とバキバキ解体工事に着手する。

いよいよ現場への乗り込み開始です。

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今日はY木材のY所長を昼ごはんで買収し、手伝いをお願いして現地測量に行ってきた。

結局、測量して図面を描くより「現場合わせ・現物合わせ」でなければ施工が難しい、という結論に達した。なんたってモジュールが一間1,960だったり1,950だったり、レベルも相当傾いていて、鴨居もダレていて建具で支えている状態で、従って戸は開かない。

私がメインに使おうと思っている一階の和室六畳の間は、昼間でも照明をつけなきゃ暗くて話にならん。現行建築基準法では考えられないような「梯子」状の「階段」裏に打ち付けられているベニヤ板を剥がして、押入をキッチンに改造する予定だ。

このキッチン、今や家の中心、設備の花形!
私も自分が設計する時には、金物の品質の良さから、某Tキッチンか設備最大手某TT、若しくは某Kハウスのシステムキッチンを採用する事が多いが…ハッキリ言って高価過ぎて手も足も鼻水さえも出ん。

何でこんなに高いの!

借家に、まして事務所には高嶺の花すぎ。
今までの建て主さん達の太っ腹ぶりに改めて感服いたします。(敬礼!)

そいうえば…

組み合わせキッチンってあったよな?
お向かいのS建設に電話して某N社の総合カタログを見せてもらう。

あった!

1,800巾のシンクだけのヤツ。価格も可愛い。先の3社が一番価格の低いシリーズで見積ってもらって定価が50万から70万のところ、実に18万!
オマケに掛率(実際の取引額で定価の○○%で表される)も低いので実質は1:5くらいの格差になる。

一体、どういう事やねん?

確かに「物」は違う。金物だって扉だってステンレスだって、正直言って全然違う。がっ、性能は大して変わらない。まぁ、そういうところは自動車と同じ。レクサスと軽トラだって「走る、停まる、曲がる」のは同じだもんな…

今、HPをお願いしているWebデザイナーのK君にネームプレートとバナーを作ってもらった。
http://homepage2.nifty.com/fu-magetsu/ks-factory/

メールで「こんなん作って」ってお願いしたら、あっちゅーまに「これでいい?」って返ってきたんで驚いた。嬉しいので早速見せびらかしちゃいますわ。

鐘馗様!

何事もまず形から入るのが私のいいところ!

長屋改修の第一歩は屋根の上の鐘馗様から。
という事で、今日は日頃お世話になっているNルーフのF社長がわざわざ資料を届けて下さった。F社長、ありがとうございました。

http://proxy.f3.ymdb.yahoofs.jp/users/447f992b_b193/bc/dc41/__tn_/50da.jpg?BCDWkGGBdKE0HCC5
*この画像は旅楽トラベル【たびたの】より許可を頂いて「京の鐘馗さん」より転載させて頂きました。
http://tabitano.main.jp/

F社長によると、お向かいのお宅の鬼瓦が除けた災いが家に入ってこないよう、鐘馗様を玄関の屋根の上に乗せて追っ払ってもらう風習があるのは日本でも近畿から東海にかけての地方だけらしい。ここ倉敷では招福祈願で恵比寿様と大黒様を上げる事はあっても、鐘馗様を上げる家はないのだそうだ。

そんな事でめげる私ではない。

例え、お向かいの家に鬼瓦がなくっても、もはやお向かいが家ではなく月極駐車場に変貌していようと、倉敷中どこを探しても鐘馗様を乗せた屋根がなくとも、そんな事は大した問題ではない。私には鐘馗様が必要なのだ。

去年は風邪一つひかない事が自慢のこの私が、不覚にも肺炎なんぞ起こして15年ぶりに入院するわ、全財産をはたいて買った憧れのミニクーパーを一ヶ月もしないうちに事故で廃車にしてしまうわ、これを災いと言わずに何と言う。(自業自得?)

まぁ、おかげさまで、自分が不死身でない事を悟った私は健康に注意するようになったし、事故で車は廃車になったけれど、私は奇跡的にかすり傷にとつなく無事だったし、おまけにミニに乗ってはしゃぎまわっていた事を知っているN君が、哀れに思ったのか自分のミニを譲ってくれたし(N君、ありがと!)災い転じて福となったのではあるが…

もう災いはいらん。

ここはひとつ、鐘馗様のお力を借りして平穏な日々を送りたいもんです。
そして、この長屋改修工事に否応なく付き合わされる羽目に陥ってしまった方々が、それを避けようと家の屋根に鐘馗様を乗せませんように…切に願ってやみません。
ほんの数週間前の昼下がり…

真面目にPCの前に座って珈琲片手に依頼されている土地探しをしていた。ちょっとした浮気心だった。数日前に美観地区の空き家をタッチの差で二軒共逃してしまっていたので、何気に賃貸住宅のページを覗いてしまった。

「見っけ…」

どう贔屓目に見ても築60年以上は経っていると思われる木造の一軒家。画像からは下町の匂いが漂ってくる。「これは見にいかねば!」何事も思いついたらじっとしていられない困った性分。

そんなこんなで…確かに事務所の移転先を探していたけど、何の当てもないのに、年末押し迫っていると言うのに、別に急いでもないのに、突然の移転を即決しちゃいました。

さて、どうしたものか…


私は建築のプロの端くれである。古い、汚い、暗いなんぞ大した問題ではない。今だって築90年の古民家をレストランに改造しているし、民家再生もお手のものだ。この二軒長屋の片割れを居心地のいい事務所にする事だってお茶の子さいさいだ。ただし、資金があればの話…

携帯で撮ってきた原状写真と記憶を頼りに書いたスケッチとにらめっこしながら苦悩の日々が始まる。忌々しい事に次から次へとプランやアイディアがポンポン出てきてしまう。その度におおよその工事費を弾き出しては溜息の繰り返し。

こうなりゃ、自分でやっるっきゃない!

つきあいのある業者から材料の調達はできるし、日頃大工さんや職人さん達の仕事は目で学習している。どうしてもプロの手を借りなくてはいけない箇所もわかる。セルフビルドのお手伝いだってした事あるし、現場監督も何度か経験済みだし。

どうにもカラ元気のように聞こえるかもしれないが、腹をくくったらワクワクしてきた。

よぉーし!やってやろうじゃないか!

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