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尾道空家再生プロジェクトの続きだ。
このプロジェクトで再生された家を借りている若いアーティストのアトリエにお邪魔した。
机の上に乗っているのは、地元でのイベントのために彼が制作している円形の畳床の一部だ。
この畳も古い畳を再生しているという。
ここがキッチンだ。
昨今流行りの高価で美しい家具のようなシステムキッチンとはちと違う、個性的×実用的×魅力的なキッチンだ。
玉島の長屋(まだ、改造中です!)のKちゃんが見たら、きっと喜ぶだろう。
私も含めたひと歳取った者達は、とかく「最近の若い者は…」と言いたがる。
高度成長期やバブル期に子ども時代や若い頃を送った者は、とにかく上昇志向であれと教えられたし、自分でもそれが幸せだと信じてきた。
より偏差値が高い学校、より多くの収入、より高い社会的地位、それらが幸せに不可欠な3点セットのように思いこんでしまった。けれども本当にそれは人間の幸せの全てだろうか。
最近同世代の友人と夜中にskypeで幸せについての話をした。
ええ歳こいて「タダが魅力」のskypeというのが何ともではあるが…
彼は最近フランスへ行き「お金がなくても幸せに暮らせる」という事に気がついたそうだ。
私はそこまで遠出をしなくても、倉敷の長屋に住んでその事を実感している。(どや、参ったか。ガハハ)
決してお金は邪魔にはならないし、ある程度必要には違いない(一度でいいから「あー、邪魔くさ」と言い放ってみたいもんだ)が、幸せの必須条件ではないという、あったりまえの事に今更ながら(遅まきながら)気がついたのだ。
おそらく尾道や倉敷だけでなく、全国でこういう若者達が背伸びをしないまちづくり活動をしているだろう。
実に頼もしい!
彼のアトリエは大きな道から良く見える。
X'masにはツリーのオブジェを、ハローウィンにはパンプキンのオブジェを飾ったそうだ。
きっと町の人達に楽しい気分を提供したことだろう。
帰り際にアトリエを振り返ると、彼がバイバイと手を振ってくれてた。
それだけで嬉しくなった。
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伝統木構法
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ある会合で知り合ったココロエ一級建築士事務所の片岡さんが尾道を案内して下さった。 片岡さんが理事として活動しているNPO法人尾道空き家再生プロジェクトで再生を検討している物件を見て欲しいというので、食いしん坊の私は尾道ラーメンを奢ってもらいことを条件にいそいそ出かけた。 片岡さんは小柄で可憐でとても真面目な女性だ。「これまで色々な人にお会いしたが、こんなに伝統構法に熱心な人は会ったことがない」と真顔で言う。 ん?って事は私は変わり者ってことか? そうかもしれん…ま、いいか。 再生したいと思っている物件は、見事な「既存不適格」だ。 長年の雨漏りのお陰で内部にまで損傷がある。建物が不整形な上に、建っているのが崖の上だ。 構造補強にはかなりの労力、それも専門的な技術を必要とする。 ということは、とりもなおさずかなりの費用を要するということだ。 しかし、魅力的な建物だ。 私としても、何とか再生して貰いたい。 そのための手助けになるなら、お手伝いしたいと思う。 それにしても「既存不適格」といういかにも法律用語らしい不名誉な名称は気に入らない。 建った後で勝手に法律を替えて「アンタはダメ」というのは理不尽だ。 確かにこの物件は床が抜けたり壁が壊れているのでこのまま使う事はできない。 構造的にも劣化が進んでいてかなり心配だ。 でも、ちゃんと修復をしてやれば尾道の町と瀬戸内海が見下ろせる素敵な建物になるだろう。 そうだ!玉島の長屋改修をしているKちゃんや、吹屋の空き家を買い取って自分で改造して町を元気にしようとしている大工のYクンや、岡山の学生達に尾道の人達を紹介しよう! きっと小さな面が繋がって、大きな面を生むだろう。 若い力に期待!
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石場建ての確認申請が下りた。 32坪の木造2階建ながら岡山県の適判では判定ができなという理由から、大阪の㈶日本建築総合試験所へ構造計算書を含む確認申請書一式が送られていた。 確認申請書20頁+設計図14枚+構造計算書131頁=合計165頁という、仰々しい書類となった。 私は構造設計者ではない。おまけに自動計算ができる構造プログラムがない(正確にはあるらしいが、私は持っていない)ので、少なく見積もっても500時間は掛かった。 倉敷の確認検査機関に提出した際には「こんな事して何の得になるのだ?」と聞かれた。 岡山本社では「アンタは趣味で仕事をやっているのか?こんな事やっていては経営ができるのか?」と同じような質問を受けた。 彼らは意地悪で言っている訳ではない。おそらく本気で私の事を心配してくれているのだ。人の生活の心配までして下さる「いい人」達なのだ。ただ、損得や金銭という「物差し」しか持たないというだけだ。 32坪の木造2階建てではあるが、地盤が浮動沈下を起こさないか、ベタ基礎が重量を受けて割れないか、地震が起きた際に礎石から柱が滑らないか、ひとつひとつの柱の各階に掛かる長期軸力(重量)はいくらか、大きな軸力が掛かる柱や通柱は極稀地震の際に折れないか、小壁が取り付く柱は折れないか、梁は長期荷重でどれくらいたわむか、梁はせん断破壊を起こさないか、曲げに対して安全か、瓦は落ちないか、暴風時に倒れないか、構造要素はそれぞれどれくらいあるか、稀地震の際に1/120の変形を起こす前に損傷を生じないか、極稀地震の際に1/15以下の変形で収まるか、建物はどれくらいの変形能力を持つ(粘る)か、損傷限界時や安全限界時の真の応答値はどれくらいになるか、偏心率はどれくらいか、うんぬんかんぬん計算をした。 設計者はこれら全ての項目について安全であり、長期荷重や風や地震に対して安全な建物であるという証明をしなければならない。 たった1枚の「確認済証」を貰うために、来る日も来る日もジミ〜で暗〜い計算ばかりしていたが、私はこういう計算が嫌いではない。私がジミ〜で暗〜い人間だからかもしれない。 計算上の話ではあるが、おかげで自分が設計した建物の構造的な特徴が良く理解できた。 どれかの計算でNGが出て設計変更するという必要がなかったというのは、なかなか大したもんだとひとりごちている。 わからない箇所は専門家に助けていただいた。
どうもありがとうございました! |
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今朝の新聞記事にある重要な部分が、最後の段に集中している。特に以下の4箇所だ。 「検討委員会の委員長は伝統構法に批判的な学者が務め…」 そもそも、伝統構法を「普通に」建てられるようにするために、この事業が行われるはずだったと理解している。 その検討委員会のトップに「伝統構法に批判的な学者」が座った。 これは、どう考えても事業を“潰す”ためとしか思えない。 つまり、国費を使って「検討」はするが、何らかの理由をつけ、「検討した結果、建てさせない」というところへ落としたかったわけだ。 「石場建てに後ろ向きな研究者'''…」 この委員長のサポート役として子分が主査を務めている。 大工や建築士たちが何を言っても聞かないそうだ。 そりゃ、そうだろう。実務者の味方になっちゃ、親分に申し開きが立たない。 「検討委員会の事務局に住宅メーカーの社員がいる…」 住宅メーカーは伝統構法が建てられない。もちろん、腕のいい大工を外注すれば建てられるだろうが、その場合の価格は競争力を持たないくらい高くつく(はずだ)。 住宅メーカーは、ただでさえ商品の売上が落ち込んでいるのに、全国で大工に伝統構法を建てだされちゃ堪らん訳だ。 利害関係のある企業の社員を出向させるなんぞ、天下りと同じくらいたちが悪い。 野呂論説委員の「国交省がなぜ、そのような人選をしたのか理解できない。」という感想に全く、全く全面的に賛成だ。 「住宅メーカーに使い勝手のいい設計法をつくるとでもいうのだろうか。」 野呂さん、そのでしょ?私もそうとしか思えない。 大工が使えず、住宅メーカーが使いやすい。これでは高い大工技術を発揮しようとすると使えず、バカチョン建築士でも設計できる伝統構法もどきしか建てられない。 一体何のための事業なのだ!住宅メーカーのためであって、日本の文化のためでもなく、ましてや優秀な大工のためではない。 んたくもう、ざけんな! しかしこれが、これまでの「利権で動く」住宅行政の姿だ。 かつて田中真紀子が外務省を「伏魔殿」と形容したが、国土交通省も魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿だ。 火曜サスペンスの題材になりそうなくらい黒い話だが、こんな「サルでもわかる内幕」では脚本家に叱られそうだ。 馬渕副大臣は委員の検討をすると約束した。
ぜひ、伝統構法を正しく評価できる学者をトップに、石場建てに前向きな学者を委員に、背信行為のない事務局に変革していただきたい。 |
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今朝の朝日新聞記事だ。 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php 記事中にある11月19日国土交通委員会 公明党・西田実仁議員の質問に、前原大臣・馬渕副大臣が頼もしい回答をして下さった。 (休憩後1時間14分あたりから) http://www.news.janjan.jp/living/0911/0911213439/1.php インターネット新聞JANJAN記事 (「この記事が気に入った」をクリックお願いします。多くの方がクリックしてくれると記事掲載期間が長くなります) 取り急ぎ!
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