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※このブログに書いてあることはすべて素人の戯言です。投資判断は自己責任にてお願い致します。

さて、メガバンクです。
前々から私が疑問に思っていたのは、メガバンク株がそろいもそろってどうしてPBR1倍割れを起こしているのか?という点。
遅くとも2010年3月頃からは3社ともPBR1倍を割っており、2012年末の株価爆上げ後も解消されておりません。
 
現在のPBR(yahoo!Financeより)
みずほ  0.83倍
三菱UFJ 0.67倍
三井住友 0.79倍

PBR1倍未満=解散価値を下回る=買い、なのか??

「PBRが1倍を割っているというのは、時価総額が解散価値を下回っている」などとおっしゃる方がおられます。経済記者や高名な学者先生でもたまにいるのですが、これは間違い。
PBRというのは、(簿価)純資産を(発行済株式総数−自己株式数)で割った数値で、
純資産とは(資産−負債)ですが、
現行の会計基準には、「継続企業の前提」という大前提があって、資産も負債も、解散価値を測定しているわけではないからです。
例えば、東京電力の直近のB/Sでは、「原子力発電設備」が7,241億円計上されておりますが、これは別に、東京電力が今解散した場合、東京電力が保有するすべての原発設備を処分すると7,241億円で売却できる・・・ということではありません。(※数値は2013年3月期第2四半期報告書より)
もし本気で解散価値を探りたければ、B/Sを端から眺め、それぞれの資産負債を処分可能価格で再評価し、差額の純資産を計算してやる必要があります。ただし、これは非常に難しいし、弱小個人投資家にはほぼ不可能ではあります。
 
そんなこんなで、だいたい、PBRが1倍から大きく割れてる会社というのは、多額の事業性資産を抱えている会社(=大きな装置を稼働させる商売やってる会社)が多いと思われます。そして、「弱小個人投資家にはほぼ不可能」とはいうものの、そういう会社の解散価値を超ざっくりベースで試算してやると、まったく 時価総額<解散価値 なんて言えないのではないかしらん?  というケースが大半です。
 
もちろん、PBRは高いより低い方が良い(=割安である可能性が高い)のですが、1倍という節目に大した意味があるとは思えません。ご注意を。
 

じゃあ、銀行のPBRだって1倍未満でも特に注目しなくていいじゃん(?)

ところが、銀行の場合、PBR1倍割れっておかしくない??というのが私の素朴な疑問でございます。
銀行業というのは、ざっくりいえば、預金を集めて、それを貸し出す。余剰資金は有価証券などに投資する。その負債サイドと資産サイドの利ザヤを抜く商売です。
そのため、B/Sの大部分を占めるのは、預金、貸出金、有価証券などの金融商品。
この金融商品というのは、簿価と時価が同一(か、非常に近似している)ので、必然、
簿価純資産≒解散価値
になるんじゃないかと。じゃあ、PBR1倍割れっておかしいだろと。それが、私の疑問の出発点です。
 

銀行のPBRが1倍割れで2年も放置されている理由は?

個別行の財務分析は次回にするとして、なぜ今の銀行株はこんな低PBRでずっと放置されてるのか、私なりに思いつく仮説を並べてみます。
 

(1)バーゼル3対応で更なる増資がある可能性

 ちょっと前まで噂されてたような気がします。
バーゼル3対応で国内メガバンクは更なる増資が必要になるのかは、正直私にはわかりません。だってBIS規制って複雑でよくわからないんですもの。
いや、勉強しなきゃいけんという自覚はあるのですが。
まぁ、各行経営陣がそろいもそろって「期間利益の積み上げで対応可能」と言っているようなので、たぶん大丈夫なのでしょう。
 
別の観点から、増資と株価の関係について。
増資をしたからといって、第三者有利発行でないかぎり、「理論的には」1株あたり実質純資産が増資後に大きく減少することはないはず。増資をすれば発行済株式は増えるものの、資本の払込で純資産も増えるわけですから。
ただ、PERは変動する可能性が大きいので、これが株価にある程度のインパクトを与え得るとは思います。
 
また、1株純資産影響も「理論的には」減少しないはずですが、「現実には」減少していることもある。
1つには、現行会社法は、第三者有利発行手続を経なくても、発行価額をある程度ディスカウントすることを認めているようです。
手元の本によれば、発行決議前3ヶ月間の平均株価から10%を超える割引、というのが1つの目安と(最判昭和50年4月8日)。
実際には、最近はもっと大幅なディスカウント価額で発行されているようですが。。。
例:2010年みずほ増資時
 決議:6月25日
 発行価額決定日:7月13日
 発行価額:130円
 
株価(終値ベース)
 7月13日 135円
 7月1日 145円
 6月25日 153円
 6月1日 165円
 5月1日 182円
 4月1日 183円
 
ま、発行価額決定日株価に対しては、3.7%のディスカウントなので、許容なのでしょうか。
 
もう1つの影響は、増資前の売り浴びせによる値下がりでしょうか。
しかしこれは、ちょっと前に「増資インサイダー問題」がさんざん話題になったので、しばらくの間は増資前に派手な値下がりを演じることはないでしょう。規制当局様に期待します。
 
1、BIS対応のための増資は可能性低い(と、経営陣は言ってる)から多分大丈夫
2、増資があったとしても、PBRに与える影響は最大でも0.1倍(無視できる水準)
3、増資前の値下がりは、規制当局の取締に期待
1が1番の突っ込みどころですね。なんか良さげなアナリストレポートを見つけられたらそのうち研究します。。。
 

(2)各行が保有している国債爆弾に火がつく可能性

 思いついたのですが、よくよく考えれば、銀行が保有している国債の値下がりリスクは、銀行の株価よりも国債市場に先に出るはずですね。
そして、銀行保有の国債はぜんぶ時価評価か、または時価注記されてますので、これは無視。
 

(3)金融円滑化法影響(=貸倒引当金過少計上疑惑を持たれている)

 この点は、検証必要かと思います。
実際、メガバンクではここ数年間、延滞債権は横ばい又は減少傾向であるものの、条件緩和債権は増加傾向のようです。(数値は次回)。
要するに、貸倒引当金が足りてないんじゃないか、足りてないとすると、どれくらい追加引当されるべきなのか?は、分析の必要がありそうです。

(4)銀行が織り込んでいない大口融資先の破たんリスクをマーケットが織り込んでる(=貸倒引当金過少計上疑惑を持たれている)

 これも思いつきなのですが、例えば、東京電力。
東京電力は、2012年3月現在、単体で3兆円の長期借入金があるようです。
メガバンク負担分は下記の通り。(東京電力2012年3月期有価証券報告書より)
 
  三井住友        769,500(百万円)
  みずほコーポレート 530,000
  三菱東京UFJ     349,000
  三菱UFJ信託     193,100
 
そして、どうやら、各行の東京電力の債務者区分は「正常先」のようです。つまり、貸倒引当金はほとんど積まれていない。(「東京電力 債務者区分」などでググってみましょう)
 
ほんとに「正常先」なのか?会計上はそれでよくても、実態として、東京電力は、今後このお金をほんとに全額ちゃんと返せるのか?万が一デフォルトが起きるとしたら、これがPBRに与える影響は?
 
また、東京電力に限らず、電機業界の不振が昨今ささやかれておりますが、これらの融資先でも同じような懸念はないのだろうか?第2のエルピーダが出る可能性は?あったとしたら、そのインパクトは?
 
 
次回で検証してみます。

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