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個人ブログ閲覧数が2万を超えました!BLOGOS閲覧数ランキングも1位を続けています。引き続き[乞う。大拡散‼]ご協力お願いします。⇒【「籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」】 この国が、法治国家であり続けるために。

 ↑ 郷原信郎が斬る(ブログ)



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【報ステ討論で】「籠池氏は詐欺」安倍氏が首相失格級の暴言
 
「籠池氏の公判も始まっておらず、本人に言い分を述べる機会は全く与えられていないのに、行政の長である総理大臣が、起訴事実が『確定的な事実』であるように発言」(郷原信郎弁護士)

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  ↑ BLOGOS


2017年08月01日 11時26分

郷原信郎 
弁護士
昨日、籠池泰典氏夫妻が、大阪地検特捜部に、「詐欺」の容疑で逮捕された。
驚くべきことに、この「詐欺」の容疑は、今年3月下旬に大阪地検が告発を受理した「補助金適正化法違反」の事実と同じ、森友学園が受給していた国土交通省の「サスティナブル建築物先導事業に対する補助金」の不正受給であり「補助金適正化法違反」を、「詐欺罪」の事実に構成して逮捕したということなのである。
詐欺罪と補助金適正化法違反の関係は、「一般法と特別法の関係」というのが常識的な理解だ。
一つの事象に対して一般的に適用される法律があるのに、適用範囲が狭い特別の法律が定められている場合は、法の趣旨として、その特別法が適用され、一般法の適用が排除されるというのが「一般法と特別法」の関係だ。
補助金を騙し取る行為は、形式上は詐欺罪が成立する。
しかし、国の補助金は本来、当局による十分な審査を経て支給されるものであり、不正な補助金交付を行ったとすると、国の側にも問題がなかったとは言えないこと、国からの補助金の不正は地方自治体等の公的な機関でも行われることなどから、補助金適正化法は、不正受給の法定刑を、詐欺罪の「10年以下の懲役」より軽い「5年以下の懲役・罰金」とし、「未遂罪」が設けられている詐欺罪と異なり、未遂を処罰の対象外としたものだ。
つまり、あえて「詐欺罪」より罪が軽い「補助金適正化法違反」という犯罪を定めたものだといえる。
このような法律の趣旨からすると、国の補助金の不正受給である限り、詐欺罪が適用される余地はない。
しかし、それなのに、なぜ、大阪地検特捜部は、「小学生レベル」とも思える誤った逮捕を行ったのか。
3月29日に、NHKを始めとするマスコミが「大阪地検が、籠池氏に対する補助金適正化法違反での告発を受理した」と大々的に報じた。その経過からして、その報道が、明らかに検察サイドの情報を基に行われたこと、そしてその情報は、何らかの政治的な意図があって、東京の法務・検察の側が流したもので、それによって「籠池氏の告発受理」が大々的に報道されることになったとしか考えられないことを【籠池氏「告発」をめぐる"二つの重大な謎"】で指摘した。
しかも、私自身が、その補助金適正化法違反の告発に関して、3月中旬に、マスコミ関係者を通じて事前に相談を受け、告発状案にも目を通したうえで、その後の報道で「請負契約書が虚偽だったとしても、国の側で審査した結果、適正な補助金を交付した」と報じられており、
偽りその他不正は行われたものの、それによって補助金が不正に交付されたのではないと考えられること「森友学園は既に補助金を全額返還したこと」と報じられており、過去の事例を見ても、よほど多額の補助金不正受給でなければ、全額返還済みの事案で起訴された例はないことなどから、「籠池氏の補助金適正化法違反による起訴の可能性はゼロに等しい」と明言した。
そのような、起訴の可能性のほとんどない事件の「告発受理」が、法務・検察幹部のリークと思える経過で大々的に報道された時点で、「この件で、検察は、大変な事態に追い込まれることになるのではないか」という予感がしていた。
本来、詐欺罪が適用されるはずのない「国の補助金の不正受給」に対して、詐欺の被疑事実で逮捕したのは、余程の事情があるからであろう。
上記のとおり、国交省側の審査の結果、適正な金額を算定したので、結果的には「不正な補助金支給」が認められず「未遂」にとどまっていて、補助金適正化法違反では不可罰であること、同法違反では不正受給額が「正規に受給できる金額と実際に受給した金額」の差額になるが、
詐欺であれば支給された全額が形式上の被害額となるので、マスコミ向けに金額をアピールできること、の2つがその「事情」として考えられる。そこで、逮捕事実を「水増し」するために、敢えて詐欺罪を適用した可能性が指摘できる。
しかも、籠池氏夫妻に逮捕の要件である「逃亡のおそれ」「罪証隠滅のおそれ」が認められるのか。前者がないことは明らかだし、この国交省の補助金受給をめぐる事実関係については主要な物証は大部分が押収され、関係者の取調べも実質的に終わっているはずだ。
敢えて罪証隠滅の可能性があるとすれば、籠池氏の「夫婦間の口裏合わせ」だが、それなら、先週金曜日(7月27日)に初めて任意聴取した段階で逮捕すればよかったはずだ。
その時点で「罪証隠滅のおそれ」がないと判断して帰宅させたのに、なぜ、その4日後に「逮捕」ということになるのか。
法務・検察の幹部が関わっているとしか考えられない「告発受理」の大々的な報道の後始末として何らかの形で事件を立件して籠池夫妻を逮捕せざるを得なくなったとすると、「検察が追い込まれた末」の籠池夫妻逮捕だということになる。
それは、法務検察幹部が政治的意図で告発受理を大々的に報じさせたことが発端となって、自ら招いた事態だと言わざるを得ない。
それは、検察の常識として凡そあり得ない逮捕であり、過去に繰り返してきた数々の検察不祥事にも匹敵する「暴挙」だと言わざるを得ない。このような無茶苦茶な捜査からは直ちに撤退すべきである。
(2017年8月1日「郷原信郎が斬る」より転載)




投稿日: 2017年4月21日


4月19日、私が委員長を務めたつくば市の総合運動公園事業検証委員会の報告書が公表された(全文がつくば市のHPで公開されている)。
この事業は、前市長時代に市議会もほぼ全面支持で事業計画が立案されたが、約66億円でUR(都市再生機構)から用地を買収する議案承認の段階で議会の賛否が拮抗、僅差で可決されたものの、その後市民から反対運動が高まったことを受けて市議会で住民投票条例が可決され、投票の結果、事業が白紙撤回に追い込まれた。
住民投票の結果を受けて、市原前市長は、4選目の不出馬を表明、昨年11月13日に行われた市長選挙に立候補して当選したのが、市議会議員として反対運動の中心となっていた五十嵐立青氏だった。
白紙撤回された総合運動公園事業の検証を行うことは、五十嵐市長が、市長選挙の公約にも掲げていたものだった。市民の代表である前市長が計画を進めようとした事業計画が、同様に市民を代表する市議会からの反対と、住民投票で示された民意によって白紙撤回に追い込まれた経過を、市長選挙で示された民意に基づいて検証したというのが、今回の検証だ。
つくば市の総合運動公園事業をめぐる問題は、当該地方自治体にとって大規模な事業であり、その事業の是非について激しい意見対立があった点、対応方針が新旧首長で大きく異なっている点において、東京都の豊洲市場問題と共通している。
五十嵐現市長は、つくば市の総合運動公園事業の計画に対する反対の立場で、この事業を最終的に住民投票によって白紙撤回に追い込む側の中心であった。結果として、つくば市には、URから約66億円で買収した土地が、当面使う予定のない市有地として残っている。
一方、東京都の豊洲市場への移転問題については、話が持ち上がった当時から、土壌汚染の問題がある工場跡地に生鮮食品の市場を整備することについて反対論が根強くあったが、豊洲への移転を決定した石原慎太郎氏から猪瀬直樹氏、舛添要一氏まで歴代の知事は、一貫して豊洲への市場移転に積極的だった。舛添氏の辞任を受けて行われた都知事選挙で当選し、昨年7月31日に小池百合子氏が都知事に就任した時点では、豊洲市場の施設はほとんど完成し、11月7日の移転を待つのみであったが、8月31日、小池都知事は、豊洲への移転延期を発表し、その後、一貫して移転に慎重な姿勢をとり続け、都知事の側近から築地市場の再整備の試案が公表されるなど、現在も、市場移転問題をめぐる混乱は続いている。
つまり、小池都知事は、前任までの都知事とは、豊洲市場問題に対する姿勢が大きく異なるのであり、同じ自治体において、現首長が前任までの首長とは異なった方針に転じたという点では、つくば市の五十嵐市長と前市長の関係と同じなのである。
 
新たに就任した首長が、当該自治体の行う大規模事業に対して何らかの見直しを行おうとする場合、それまでの首長が行ってきた事業の経緯やその問題点を把握し、自らの首長としての対応を決定していくことになる。
ここで重要なことは、首長の対応をいかにして、客観化し、適正な手続で進めていくかだ。
【「小池劇場」の”暴走”が招く「地方自治の危機」】でも述べたように、日本の地方自治制度において、直接選挙で選ばれる首長の権限は絶大だ。議会には予算の提出権がなく、首長側が独占しているという意味では、米国の大統領よりも権限が強い。その首長が選挙によって交代し、当該自治体の運営や事業の執行に関して、前任者とは異なった方針で臨もうとする場合、非常に困難な問題が生じる。
前任者までの首長も、同様に「強大な権限」に基づき既に決定し執行した事業なのであるから、同じ地方自治体という組織の後任の首長も、一度法的に生じてしまったものを覆すことはできない。後任者の首長は、同じ組織を継承した者として、前任者までに生じた法的効果を継承して、自治体の運営と事業の執行に臨まざるを得ないのである。
つくば市の総合運動公園事業については、五十嵐市長の就任時点で、住民投票によって白紙撤回が決まっていたが、前市長の時代に市が約66億円の予算を投じて行ったURからの用地の購入は、市長が変わったからと言って、無かったことにはできない。東京都の豊洲市場の問題についても、小池知事が移転を延期した時点で既に6000億円もの費用が投じられて市場の施設のほとんどが完成しているという事実がある。五十嵐市長の総合運動公園事業への対応も、小池知事の豊洲市場問題への対応も、それだけの費用を投じて既に土地を購入したり施設の建設が完了したりしていることを前提にせざるを得ない。
このような場合、前任者までの首長とは意見を異にする首長としては、対応方針の転換によって自治体に多額の損失が生じる可能性があるため、前任者までの首長の対応の誤りや問題点を強調し、その責任を強調することになりがちだ。
その点、つくば市の総合運動公園事業に対して、五十嵐市長が就任後に行ったことと、小池知事が就任後に豊洲市場問題に対して行ってきたこととの間には大きな違いがある。
五十嵐市長は、市民に公約した事業の検証を、条例に基づく「第三者委員会」としての検証委員会を設置して、独立かつ中立の機関による客観的な調査に委ねた。重要なことは、条例の制定という形で、もう一つの市民の代表である市議会の了解を得た上で検証委員会を設置したこと、しかも、事業の経緯についての事実調査、原因究明等について、独立性、中立性を確保し、自らの意向とは完全に切り離した形で検証が行われたことだ。
一方、小池知事は、豊洲への移転延期の決定を、全く都議会に諮ることなく独断で行った上、「市場建物の地下に『盛り土』が行われていなかった問題」についても、条例上の根拠も何もない「専門家会議によるオーソライズ」を金科玉条のように扱い、移転の延期を正当化する事後的な根拠にした【豊洲市場問題、混乱収拾の唯一の方法は、小池知事の“謝罪と説明”】)。そして、豊洲市場への移転延期で膨大な損失が生じていることに関して、移転を決定した石原氏の責任追及を行うべく、石原元都知事の損害賠償責任を否定していた従来の都の対応を見直す方針を明らかにし、訴訟代理人も交代させている。それも、小池氏自身の独断で決めたものであり、第三者による客観的な検証は全く行われていない【「小池劇場」の”暴走”が招く「地方自治の危機」】)。
 
つくば市総合運動公園事業検証委員会発足時点の記者会見で、五十嵐市長は、「検証委員会設置は、責任追及を目的とするものではない。」と明言していたが、委員会としては、市原前市長が何らかの個人的動機によって事業を行おうとした疑いや、本件土地を売却したUR側と市との間に何らかの不透明な関係、癒着関係等の疑いが指摘されていたことも踏まえ、その点も念頭においた調査を行った。その結果、「本件検証における調査結果からは、個人的な動機が介在した事実や不正の事実等は認められなかった」との結論に至り、「本件をめぐる問題は、二元代表制の地方自治制度の下で、首長や執行部が大規模事業の実施を決定し、事業を遂行していくことに関して、民意の把握、市議会や市民への説明等に関して不十分な点があった場合に、行おうとする事業の規模・性格や首長と議会との関係等の要因如何では、計画どおり事業を遂行することが不可能な事態に追い込まれることもあり得ることを示すもの」と分析したうえで今後のつくば市の事業への対応についての提言を示した。
つくば市においては、市を二分した対立には一応の決着がつき、今回の検証結果が、今後、市が行う大規模事業において教訓として活用され、市長と市議会との健全な関係と、民意を尊重した市政が展開していくことが期待される。
それと全く対照的なのが小池知事のやり方である。豊洲市場問題の混乱を招き、市場関係者や都民に膨大な損失を生じさせ、独断で過去の知事の責任追及の方針を示すことで市場問題への自らの対応への批判をかわそうとする小池氏は、東京大改革」どころか、「都政の破壊活動」を行っているに等しい。東京都民の一人として、極めて憂慮すべき事態と言わざるを得ない。




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大阪地検が籠池泰典氏を起訴できないこれだけの根拠〈週刊朝日〉(dot.) - Yahoo!ニュース  ←こうした検察の動きに疑問を感じ、川上氏は告発状の取り下げも検討しているという。

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         https://t.co/3j47YA4VIh



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籠池氏告発の川上さんが怒っている。確かにや。告発取り下げるとまで。  第2の森友学園事件といわれる明浄学院。私立高校が神戸山口組、ヤクザに乗っ取られると。






森友学園と籠池氏をめぐる事態は一層、異常かつ深刻なものとなっている。
一昨日出したブログ記事【籠池氏「告発」をめぐる“二つの重大な謎”】でも述べたように、籠池氏の衆参両院予算委員会の証人喚問での証言について、「偽証告発」をめざす調査が行われている。告発の権限を持つ各院の予算委員会とは無関係に、自民党の西村康稔議員らによって調査が行われ、「偽証の疑いがある」「事実が確定したら告発をする」などと表明されたのが3月28日。翌29日には、国会ではなく内閣の側の菅官房長官が国会で、「(証言が)事実と違ったら告発」などと答弁し、その日のうちに、大阪地検が、前日に補助金が全額返還されているにもかかわらず、補助金適正化法違反の告発を突然受理し、最高検又は法務省からのリークとも思える「籠池氏告発受理」の報道が大々的に行われた。
そして、昨日31日には、森友学園に対する大阪府による立入調査が大々的に報道された。
大阪府の松井一郎知事は、森友学園に犯罪の疑いがあるかのような発言をかねてから繰り返していた。「偽計業務妨害」「私文書偽造」等、なぜそのような犯罪が成立するのが全く理解できない罪名から始まって、補助金不正受給の「補助金適正化法違反」の疑いがある旨のコメントが繰り返されていた。
3月29日と31日の記者会見で、松井知事は、次のように発言している。
(3月29日)
知事)籠池さんのことは、補助金の詐欺の疑いとかそういうものがあるのなら、それはもう、最後は司法に任せてやるべきだと思う。大阪府とすると、来週、調査に入りますから、その調査結果においては、教育長の方でね。
職員)明後日。
知事)明後日。調査に入るんで、そこに明確な、そういう補助金に対して違法性があるのなら、これはもう、教育長の方は警察の方へ届けるということになるでしょう。
記者)細かいんですけど、その刑事告訴・告発は、教育長が、大阪府知事として…
知事)これは大阪府知事名で、教育長が代理人になると思います。だってやっぱりこれは予算の不正取得になるのでね。
<中略>
記者)確認なんですが、先ほど知事は国会の偽証罪での告発について「ええ加減にした方がええ」というふうにおっしゃっていましたが、告発は予算委で3分の2以上の賛成が必要ですけども、維新としては、賛成反対という議論についても加わらないということですか。
知事)それは議論には入らないとダメだとは思いますけどね。そこは国会の対応なのでね、国会議員団の団長と幹事長が判断したらいいと思います。
記者)今のところ、代表として賛成すべき、反対すべき、というのはありますか。
知事)その、告発すること?
記者)そうですね。
知事)告発するのならやっぱり理屈というか理由がきちっと固まっていないとダメだと思いますけどね。まあでも僕は、大阪府としては、31日に調査に入れば、補助金の不正な搾取があれば、これは、知事としては、やっぱり府民の税金が不正に取られたということになれば、これはやっぱり警察・検察にきちっと申し立てはします。
(3月31日)
記者)仮に今日の調査で事実と異なるですとか、虚偽があった場合、府の対応について現時点でいかがでしょうか。
知事)これ教育長が判断することですけれども、やはり補助金を不正に取得されていたということになると、司法に判断を仰ぐような形になるんじゃないですかね。
記者)刑事告発が既に受理されていてですね、そちらの方の捜査もおそらく始まっているだろうという中で、契約書の話はその辺すごく絡んでくる部分があると思うんですけども、その辺、どういう風に整合性を取っていくかというか、その辺どのようにお考えでしょうか。
知事)いやもう整合性というか…この事実を知っているのは施主である森友さん側と、請負された建築会社、設計事務所、この皆さん方が誠実に真実を話すべきだと、こう思っています。
記者)その刑事的な話が進んでいることを理由に、今回の調査を断られたりということは、想定されているんでしょうか。
知事)まあ、誠実に対応されると、僕は思っています。
記者)補助金の問題とも絡むんですけど、偽計業務妨害としても検討されていることを思えば、今回の立入調査の結果を踏まえて、それはもう最終的に結論を出すということですか。
知事)そうですね。やはり立入調査で事実を明らかにしないと。
松井知事は、大阪府が森友学園に立入調査に入るのは、「補助金の詐欺」などの不正を突き止めることが目的で、調査の結果不正が明らかになれば、警察、検察に告発する方針であることを明確に述べている。「司法に任せてやる」「警察の方へ届ける」「司法に判断を仰ぐ」など表現は様々だが、大阪府の行為としては「告発」するということであり、さらに、「告発の名義人」を尋ねた記者の質問に答えて、「大阪府知事名で、教育長が代理人になる」とまで答えている。
もちろん、「調査の結果不正が見つかれば」と言っているが、不正が見つからなければ、そもそも告発も何も問題になるわけがないのであるから、それは当然のことだ。
松井知事の発言には、自分が行政のトップの立場にある大阪府の権限を使って、森友学園の犯罪を行政の手で明らかにしようという意図が露骨に表れている。
特に、31日の会見では、記者は国会での籠池氏偽証告発について、松井知事が反対するようなコメントをしていたことについて聞いているのに、自分の方から、大阪府の調査のことに話題を変え、「31日に調査に入れば、補助金の不正な搾取があれば、これは、知事としては、やっぱり府民の税金が不正に取られたということになれば、これはやっぱり警察・検察にきちっと申し立てはします」などと述べているのである。
また、既に補助金適正化法違反の告発を大阪地検が受理したと報じられていることから、記者が「刑事的な話が進んでいることを理由に、今回の調査を断られたり」と言って、「大阪府が補助金適正化法違反の事実を突き止めるために立入調査を行おうとしても、森友学園側が拒否するのではないか」という趣旨のことを聞いても、「誠実に対応されると、僕は思っています」などと述べて、そのような拒否はさせない、大阪府の調査に対しては「誠実」に対応するのが当たり前だという趣旨の発言をしているのである。
「不正の事実があれば処罰を求めて告発をする」、それだけ聞くと当然のことのように思える。しかし、行政機関の立入調査(正確には「立入検査」)をその手段とすることには法律上重大な問題があることを、この際、声を大にして言っておきたい。行政が、自らの調査権限を使って、司法のチェックも受けないで、犯罪捜査まがいのことを好き放題に行うようになったら、それこそ、専制国家そのものである。
行政機関による行政調査は、本来、「行政上の目的」で行われるものであり、それを拒否したり、質問に対して虚偽の陳述をしたりすることに対しては「罰則」の制裁がある。つまり、「行政目的で行う」という大前提の下で、立入検査という形で「家宅捜索」のような調査を受けることも、質問に対して答えることも、「拒絶できない」ことになっているのだ。
行政目的のために立入検査などを行った結果、刑事罰に処するべき悪質な違反事実がみつかったという場合、その段階で告発の要否を検討し、当該行政庁が警察、検察に告発を行う場合がある。それは、まず一定の行政目的での立入検査が行われた「結果」、犯罪事実が「発見」され、それを当該行政目的に照らして考えたとき、「行政機関に与えられた行政処分等の権限では行政の目的が達せられない」と判断されるからこそ、「告発すべき」ということになり、最終的には、捜査機関側の意見も聞いて、行政庁としての告発の判断が行われることになるのである。
「補助金の不正受給」の事実があったとしても、まずは「補助金の返還」を求めることが先決であり、その上で、悪質・重大な犯罪の疑いがある場合に、告発を検討することになる。
私が総務省顧問・コンプライアンス室長を務めていた2010年に、ICT関係の補助金に関して、コンプライアンス室への内部通報を端緒に、補助金適正化法違反で補助金をめぐる不正の事実をつかみ、総務省で特別チームを作って調査し、補助金適正化法違反による立入検査を行った事案もあった。多数解明した事案の中には、多額の補助金を私物化している悪質事案があり、告発に向けて検察庁と協議も行ったが、告発には至らなかった。
「最初から、犯罪の証拠を発見して告発することをめざして立入検査等の行政調査を行うこと」は、それによって、「無令状」の捜索や「黙秘権侵害」の聴取が行われることになるので違法であることは言うまでもない。逮捕,勾留,捜索,押収などの強制処分は,裁判官または裁判所の発する令状によらなければ,実行できないとする原則が「令状主義」である。 強制処分の理由と必要性を第三者が審査することで権限濫用を防ぎ、人権を保護するのが目的だ。
考えてみてもらいたい。例えば、あなたの会社について、犯罪の疑いがあるとの噂が流れ、管轄の行政庁又は自治体が、「噂がその通りであれば、告発する」と公言した上で、行政上の立入検査に入ってきて、「拒否すると罰則が科されますよ」と言われて、書類の提出を求められたり、「噂されている事実があるのか」と質問されるという状況に立たされたら、あなたならどうするだろう。
犯罪の疑いがあれば、捜査機関の判断によって捜査の対象にされることもある。しかしそれば、あくまで「任意」が原則であり、「強制」的に行う場合は、裁判官による「令状」が必要だ。犯罪捜査に応じることを、罰則で強制されることは、刑事手続きに関する憲法上の権利を侵害するものだ。
行政調査と憲法35条の「令状主義」・38条の「黙秘権の保障」との関係については、古くから税務調査等に関して問題にされてきた。昭和47年11月22日の川崎民商事件最高裁判決では、「刑事責任追及のための証拠収集と行政調査との関係」について、
右規定(憲法第38条の)による保障は、純然たる刑事手続においてばかりではなく、それ以外の手続においても、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には、ひとしく及ぶものと解するのを相当とする。
との判断が示された。
それ以降、行政調査権限に関する規定には、必ず「犯罪捜査のためのものと解してはならない」との規定が設けられるようになった。補助金適正化法(第23条3項)においても、
(行政調査)権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない
と定められている。
行政調査の現場では、告発を視野にいれている場合であっても、絶対に表には出ないよう十分な配慮がなされてきた。行政調査が「犯罪捜査の目的ではないか」と疑われた場合、それを理由にして、被調査者側から調査を拒否されても致し方ないからである。この場合、拒否に対する罰則適用も不可能である。
松井知事の、森友学園に対する調査に関する発言を見る限り、そのような「行政調査と犯罪捜査との関係」についての理解を欠いているとしか思えない。立入調査に入る行政機関のトップが、事前に、「不正や犯罪を発見して警察、検察に処罰を求める」と公言しているのだから、全く弁解の余地がないのだ。
重要なことは、松井知事のこのような発言が、かえって森友学園側に有利に働くということだ。森友学園側としては、立入検査に対して、「犯罪捜査のために行われている」と言って重要書類の提出や、質問への回答を拒絶することができる。それに対して罰則適用することはできない。しかも、「行政調査で解明しようとしている事項については、まず行政機関の手続きを優先させるべき」と判断するのが一般的であり、警察などの捜査機関が犯罪捜査で介入をすることは、適切ではないということになる。結局、大阪府に関連する問題に関して、森友学園の不正の解明は遅れてしまうことになりかねないのだ。
昨日は朝から、大阪府が立入調査に入ることがマスコミで大々的に報じられ、テレビのワイドショーは、さながら「立入調査の実況中継」のような状態であった。その中で、松井知事のかねてからの「調査の結果不正がみつかったら警察に」というような発言が、改めて映像で流され、キャスターが「松井知事は不正がみつかったら告発すると明言している」という趣旨の解説をしていた。そして、スタジオのパネルは、森友学園の様々な「犯罪の疑い」で埋め尽くされ、森友学園の犯罪に対して大阪府の調査でメスが入る、ということが強調されていた。
私は、森友学園とも籠池理事長とも何の関係もないし、もちろん、弁護人でも、代理人でもない。森友学園の幼稚園等で何が行われていたのか、小学校の開設をめぐって何が行われてきたのかを知る由もないし、実際に、犯罪が行われた可能性を否定するものでは決してない。しかし、仮に犯罪事実があったとしても、それは、「適正な手続」によって証拠収集され、事実解明されなければならないことは、憲法上の保障から言っても、当然のことだ。行政のトップが、その大原則を露骨に踏みにじる発言をすることは決して許されない。
このような知事の発言によって、行政の立入調査が、森友学園の犯罪を明らかにするためであるかのように強調する放送が行われることは、弁護士の立場から見過ごすことができない。
「偽証告発」をめざす動きの異常さ、補助金全額返還後の「告発受理報道」の異常さに加え、大阪府が、「犯罪事実を明らかにするために行政調査に入る」という異常さまで加わる。
日本は、いつから非法治国家、非立憲国家になってしまったのだろうか。

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