がんばれ西武ライオンズ//TO-Y's BLOGOLF

ライオンズマイミク109人 //褒められて伸びる子なんですo(^-^)o/

BANK_OF_SHADOW

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Bank_of_shadow第4夜

***第4夜***
○ デパート内ATM
    ざっくり現金を下ろす忍。

○ (三十一年前)踏み切り前
    遠ざかる電車
    鳴り止む警報機
    遮断機が上がる。
    忍の母・百合、お腹はまだ大きくない。
百合「忍は、電車が好きね」
忍・少年「うん、大きくなったら電車の運転手になるんだ、そしたらお母さん
 乗せてあげるからね」
百合「はい、はい、楽しみにしてるわよ、じゃぁ今日はもう帰りましょ」
忍・少年「えーまだ、いたいよ」
百合「だめよ、早くしないと暗くなるでしょ」
忍「やだよ」
百合「困った子ね、じゃぁお母さんがおんぶしてあげるから、それなら
 イイでしょ、ね」
忍「えーうん、じゃぁイイよ」
百合「調子イイわね」
    百合におぶさる忍。
    警報機が鳴り出す。
    遮断機がおりる。

○ (現代)踏み切り前
    鳴り響く警報音。
    信号灯を見上げる忍。
忍「母さん、幸せになるよ」
    手には、ケーキの箱。

○ 建設現場・事務所内(夜)
    外から建設機材のエンジン音がゴーゴーと響わたる中、沖中が入ってくる。
沖中「おい、野島はどーした」
    壁かけのヘルメット置き場。
    忍のヘルメットの横に野島のネーム入りのヘルメットが、かけられている。

○ 美和アパート内(夜)
    食卓をはさむ、忍と美和。
    ちゃぶ台には、食べおわったケーキ。
    部屋の片隅に眠る美羽。
忍「なぁ」
美和「なーに」
忍「もっと、いい家に引越そう、な、金ならあるんだ」
美和「そう、お金あるの」
忍「そうだよ、ほら(カバンからごそっと札束をだす)」
美和「そうね、それなら、いい所に住めるかもね」
忍「そうだよ、世の中金だ、金があればなんでも手にはいるんだ」
美和「お金があればなんでも手に入るんだ」
忍「そうだよ、当たり前だろ」
美和「そう、じゃぁあなたのお母さんは」
忍「えっ」
美和「お母さんよ」
忍「どう言う意味だ」
美和「ごめんなさい、怒った(忍に抱きつく)わたしは、今のままでイイのよ、
 あなたも今のままでいて」
    忍、動かない。

○ 朝・満員電車内
    どこからか、いびきが聞こえる。
    乗客が不審そうにそちらに目をやる。
    長椅子に寝そべり酒の臭いをただよわせて寝ている男、沖中(現場監督)
    携帯が鳴り出す、しかし気付かず起きない。
    駅に到着。ドア開くと駅員が入ってくる。
駅員「お客さん、起きてください、お客さん」
沖中「ん? なに、あっあーゴメン夜勤明けなもんでね、いや、いや、すいませんでした。
 あ、そんじゃみなさん、失礼します」
    照れくさそうに降りていく。

○ 同・改札
沖中「すいませんねー」
    などと、駅員に愛想を使いながら出て来る。
    ふっと脇に視線をやると、うずくまる男の姿。
    沖中、その男をしばらく、じっと見る。
沖中「ん! あーあ、お前、こら、なにやってんだぁ」
    うずくまる男は、野島。
野島「うぅうーん」
沖中「お前、こんなとこで横になって、みっともない」
    後で駅員が笑っている。
沖中「ほら起きろ、野島」
    野島、すっと起きる。

○ スターバックス・内
    沖中、野島を連れている。
沖中「ホットコーヒー2つ」
店員「どちらにしましょうか」
沖中「だから、ホットコーヒーだよ」
店員「あっ色々ありますが(メニューをみせる・・・)」
沖中「あーなに、キャラメ、メルマキなんだこりゃ」
店員「キャラメルマキアートでよろしいですか」
    後に並んでいる高校生の女の子2人がクスクス笑っている。
沖中「ふざけんな、冗談じゃねー、おう、出るぞ」
    カッカと出て行こうとする沖中。
    まだ笑っている女子高生。
沖中、立ち止まり、振り返り女子高生に
沖中「お前ら、学校どうした(怒鳴る)」
    黙る女子高生。
    くるっと向き直り出て行く沖中。
    その後をよろよろとついて行く野島。

○ ダサ目の喫茶店
    コーヒーを飲み干す沖中。
沖中「なにやってたんだ、お前無断欠勤しやがって」
野島「はぁ、あのどうもスイマセンでした」
沖中「まったくもう、で、忍の家には、いったのか」
野島「あ、い、行ってない」
沖中「なんだ、行ってねーのか、俺はてっきり二人でサボってるんだと、
 ばかり思ってたぞ、文句ばっかで、やる気ねーお前らのことだからよ」
野島「い、いや、行きました。行きました」
沖中「ん、行ったのか、どっちなんだよ」
野島「あ、あの、いませんでした」
沖中「そっか、居なかったのか、しょうがねーな、ほんとに逃げたのかな、
 もうお前の金も返ってこねーかもな」
野島「あの監督」
沖中「あー」
野島「お話があります」
沖中「おう、どうした、あらたまって」
野島「俺、これから一生懸命働きます」
沖中「あーなに、いってんだ」
野島「本気です、俺、いままで、世の中舐めてました、こんな夜勤に回されて、
 休みも少ないし、給料も安いし先も見えないし、こんな仕事続けてたって
 もうしょうがないとか、色々勝手な事言って来て本当にスイマセンでした、
 俺これから心入れ替えます、おねがいします」
    沖中あっけに取られている。

○ (過去)病室
    ベッドで横になる忍の母・百合
    心配そうに見つめる忍の父・剣持守と忍少年。
    看護士が入ってきて
看護士「娘さんは、危険な状態は脱しました。しばらくは保育器になりますけど、
 もう心配はありませんよ」
守「ありがとうございます」
看護士「さきほど、先生からご説明があったように、お母様も2,3日で退院出来る
 みたいですから、よかったですね、僕よかったね」
忍少年「うん」
           ***第5夜へつづく***

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