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ライオンズマイミク109人 //褒められて伸びる子なんですo(^-^)o/

BANK_OF_SHADOW

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Bank_of_shadow第10夜

     ***第10夜***
○ バンク・オブ・シャドー5F
    大量の閃光が引いていく、佇む忍。
    部屋の奥に忠信の姿。
忠信「(笑顔)お帰り」
    忍、慌てて出て行こうとする。
    ドアノブに手をかけると、4つの手が忍の手を抑える。
    ロウ人形のような美和と美羽。
    忍、悲鳴ともつかない声を上げて、その場に臀部から倒れる。
    そのまま美和と美羽に引きずられる。
忍「よせ、離せ、離してくれ、美和わからないのか、俺だ俺だよ、美羽、美羽、離してくれ」
    忠信の前に、
忠信「お早い、お戻りで」
忍「違う、違う、戻ってきたんじゃない」
忠信「どうだった、金持ちになった生活は、楽しかっただろ、あっそうそう銀行員にも
 なったんだっけ出世したなアニキ」
    忍、屈みこんだ姿勢のまま。
忍「お前が、銀行員にしてくれたんだろ、感謝してるよ、俺もっと仕事頑張るからさ、
 銀行の仕事やりがいあるし、な」
    笑い出す忠信。
忍「なにがおかしい」
忠信「傑作だよ、アニキ」
忍「なっなんだよ」
忠信「これが笑わずにいられるかって、まぁ昔からバカなヤツだと、ずっと思ってたけど、これほど
 バカとは(笑う)あんたホントにあれが銀行員の仕事だと思ってたのか? あんなんで給料もらえ
 る訳ねーだろ、バイトの学生の方がまだ複雑な仕事するぞ(大笑い)なんで麻子のアニキなのに
 こんなバカなんだろーね、ホントに兄妹なのか」
    屈辱に震える忍。
    這いつくばった視線の先にあの時のピストルを見つける。
    咄嗟にピストルを取りに行き、忠信に銃口を向ける。
忠信「よしな、兄貴、兄貴には無理だよ」
忍「うるさい、お前ここでなにをしている」
忠信「聞くだけ無駄だよ」
忍「言え言うんだ、麻子は知っているのか、なんで目が見えているんだ、ホントに撃つぞ」
    忠信ため息。
忠信「あの目の見えていない、俺は元々俺の影だよ」
忍「なにそうか、そうかだからあんな温厚な人格なんだな、昔のイヤミなお前と違った訳か」
忠信「おいおい、ヒドイ事、言うなぁ」
忍「影とオリジナルのお前は、切り離されているのに、なんでお前は、美和たち見たいにならない」
忠信「俺が手がけたスキャニングシステムだ、方法はあるんだよ、今のあんたと同じだ」
忍「あのお前の影は、なんで目が見えていない」
忠信「その方が都合がイイからだ、1日家にいてくれた方が色々、影の仕事には、都合がいいんだよ、
 麻子が仕事に行っている間に色々できるだろ」
忍「だから、家でずっとパソコンに向かってるんだな、操作の指示を出しているのは、お前なんだな」
忠信「おっあんたもバカじゃないとこも、あるんだな」
忍「なんでこんな事を」
忠信「ここは、影の銀行だ、表において置けない金を集めている」
忍「集めてるって盗んでるだけじゃないのか」
忠信「ヒト聞き悪い事言うなよ、銀行にはバレたら、都合の悪い金もいっぱいあるんだぜ、一時期、
 銀行は税金から援助してもらってた時もあったしな、それなのにあんな裏金バレたら一大事なんだ
 よ、それにこれからは、犯罪に使われた金が預金されているケースは、警察とかに公表しなきゃい
 けなくなったりって話も出てきてて、色々問題があるんだよ、銀行にとっては、犯罪者も大切なお
 客様って場合もあるからな、その警察のエライ人、政治家先生とか、ヤバイ事やってるヤツも多く
 てさ、処理が急がれてるんだ、でもそんな金はオンライン上では動かせないんだよ、なんであんた
 らみたいな運び屋が必要になってくるって訳だ、単純作業に適任の・・・まぁ当然俺の職権乱用で
 隙間の金もクスねさせては貰ってるけどな、アニキに回した金はその関係だよ」
忍「俺を、その金の運び屋にしたのか」
忠信「そうだよ、なんてったって、影は狭い隙間でも、スーって入っていけるからな」
忍「俺が影」
忠信「そう、でもりっぱに社会貢献も出来てたぞ」
忍「影、俺の影は、どこなんだ」
忠信「あぁ家族3人仲良く暮らしてるぜ」
忍「ふっふざけるなぁ、それは俺がこれからする生活じゃないか」
忠信「あんたには無理だよ、あんたまた建設現場で働けるのかい」
    忍、ハっとする。
忠信「それともホントの銀行の激務にあんたが耐えられるの? 複雑な人間関係のストレス中で生き
 ていけるのかい? 家族も守りぬけるの? あんたが」
    忍、黙ってしまう。
忠信「あんた見たいな生きる事も死ぬ事も出来ないヤツには、あっ最近はニートって言うんだっけ、
 随分老けたニートだけどな、とにかくさ、あんた見たいな人間が増えると国にも金が入らなくなっ
 てくるし、企業も困るだろ、そうすると俺達銀行も収入減っちゃって困るんだよ、ただ寝て食って、
 そんなヤツは資源の無駄使いなんだよ、建設現場で懸命に働く労働者、そしてそれを支える奥さん
 子供って、そう言う家庭もたくさんないとさ、これから日本大変なんだよ」
忍「だからなんだ、なんで俺にこんな事をする」
忠信「あんたも鈍いねー、だから、あんたらニートはいらないんだよ」
忍「おっ俺はニートじゃない」
忠信「へーじゃぁなに」
    静かに銃を下ろす忍
忠信「・・・銀行はさ、ここ何年かは、散々新陳代謝を繰り返してきたんだよ、合併だのなんだのっ
 てさ、その仮定で学歴だけのいらないクズどもなんかの排除も進めてきたし、適材適所の人事構成
 も進んで、最近やっと、いい方向に向き始めたんだ、そして最後の仕上げは、社会貢献する気のな
 い、あんたみたいな連中の排除なんだよ」
忍「それで、俺を俺の影と取り替えるのか」
忠信「そう、そうだよ、影はずーとオリジナルを見て生きて来ている、俺ならこうする、俺ならこう
 生きたい・・・って言ようりは、自分の意思をもって生きられれば、それで満足な連中だ、それだ
 け生活に飢えてるんだな、なんてったって、ずーと影だったんだもんな」
    忍に美和と美羽が目に入る。
忍「なんで、俺をすぐ影にしなかったんだ」
忠信「ちょっと、わざと最後に生きがいを与えてやりたかったんだよ、この世界に未練とそして影に
 なる恐怖を与えてやりたかった」
忍「なんでだ、お前、俺の義弟だろ」
忠信「おい、おい、よしてくれよ、ここに来て急に僕はお兄ちゃんかよ、じゃぁ言ってやるよ、俺は
 あんたが俺を嫌う以上にあんたが嫌いだった、腐った生活を送り続けるあんたが気に入らなかった、
 麻子から金を貰いに来るようなゲスなヤローは、ヘドが出る」
    忍、焦る。
忠信「なんだ、その面は、俺が知らなかったとでも思ってたか、みんな知ってたよ、だから最初に
 おろさせた金は麻子の所にもって行くように仕向けさせたんだよ、ごくろうさん、車いす買わさせ
 て頂きました」
    動揺しながらも、再び銃を構えなおす忍。
忍「俺には、まだやりたい事があるんだ」
忠信「だから、あんたには、頭使わない単純作業しか出来ないよ」
忍「俺は、俺は、まだオヤジにちゃんと謝ってないんだ」
忠信「ほう」
忍「それにそれに、まだ、美和にも好きって言ってない」
忠信「はーそれは大変だ、他には」
忍「もう一度、監督の所に行って、仕事させてもらう、野島にも金返さないと行けないし、そうだ
 美羽に服買ってあげるんだ、それに俺達の美和との子供も欲しいし、そんなに広くなくてもイイ
 けど、もう少し広いマンションとかに引越したいんだ・・・・・・」
忠信「おーささやか、だけど小さな暖かい幸せってヤツだな、そうか、その願いは影がかなえますよ。
 影はずっと前からそうしたかったようですから」
忍「影はずっと前からそうしたかった・・・」
忠信「そう、影はずっと前からそうしたかったんだよ、お前がそう思う、ずっと前からな」
忍「うるさい、影なんかに、お前なんかに好きにはさせない」
    また銃をしっかり構える。
忠信「どうする気」
忍「影を取り戻しに行く」
忠信「だから無理だって」
    忍、忠信に向って発砲。
    しかしそれは壁1面のガラス
    崩れ落ちるガラスの破片が忍に降り注ぐ。
    倒れ込む忍。
    破片に飲まれて行く

○ 忍(フラッシュバック)小学校時代
    通学路、1人歩く小学生の忍。
    近所の主婦3人が忍を見てヒソヒソ話。

○ 空き地
    小学生の忍、同級生たち数名に囲まれている。
少年A「お前、お母さん殺したんだって、内のかーちゃんが言ってたぞ」
少年B「えーマジかよ」
少年C「すげー事するな」
    涙する小学生の忍。
    去って行く同級生。
    1人ぼっちの忍。
    夕日に影が伸びる。

○ 忍(フラッシュバック)中学時代自宅
    帰宅する中学生の忍。
忍・中学生「ただいま」
    母の仏壇に向かっている父・守。
忍・中学生「お父さん、学校から3者進路相談の案内状貰ってきたんだけど」
    封筒を渡そうとする中学生の忍。
    守、返事はせず。
守「麻子(叫ぶ)今夜、なに食べたい」
    部屋を出て行ってしまう。
    母の遺影を見て涙ぐむ中学生の忍。手には封筒。

○ バンク・オブ・シャドー5F内
    意識が朦朧としている血だらけの忍。
    徐徐に部屋中が光り出す。
    忠信の声が聞こえる。
忠信の声「お前は母親を殺したんだ、父からも恨まれている、この罪から解放させてやる、楽になれ、
 お前には、この仕事が一番向いてるぞ」
    チラシを差し出す忠信。
忠信「世の中の影となれ、そしてまたお前と同じような人間を連れて来い、それがお前の仕事だ」
    さらに光が増していく。
    忍、薄い意識の中、灰色の美和と美羽が目に入る。
    懸命に美和と美羽に手を伸ばす。
忠信「あきらめろ」
    忠信、耳元でささやく。
    さらに勢いをます閃光。
    忍の伸ばした手の先にガラスの破片。
    咄嗟に破片を手にとり、忠信に振りかざす、忠信の両目をかすめる。
    飛び散る血液。
忠信「うぐわーーー」
    血のしたたりおちる両目を押さえ、のたうち回る忠信。
    部屋中が閃光で溢れる。
          ***第11夜へつづく***

Bank_of_shadow第11夜

     ***第11夜***
○ 墓地
    墓石の前で手を合わせる忍の父・剣持守(六一歳)
    花をもって、忍やってくる。
    守、気がつく。
守「よく覚えてたな、命日」
忍「忘れる訳ないだろ、殺したのは、俺なんだから」
守「(はっとする)忍、父さんな、父さん」
忍「心配するなって、一番、愛する人が、いなくなったんだ、いくら幼い自分の息子だって、少しは
恨みたくはなるさ、それに会社がうまくいってなかった俺が中学の時なんか、そりゃぁお袋が恋しく
なるよ、当然だ、だってあの時のオヤジは今の俺とたいして年、変わらなかったんだからな、耐えら
れない時だってあるさ」
守「あの時は、すまなかった、会社の事で自分の事しか考えられなくなってたよ」
忍「そりゃな、支えてくれる奥さんでもいれば、多分、会社も潰れなかっただろうな」
守「(涙がにじみだす)」
忍「すまなかった、母さんを父さんをあんな目に合わせてしまって」
守「すまない・・・・・・お前が4年も高校に通っても卒業出来なかったのは、俺のせいだ、俺がだ
らしなかったせいだ、お前の人生を壊してしまった」
忍「そんな事ねーよ、俺が勉強やる気なかっただけだ、オヤジさ、言っていいんだぜ、なんで、お腹
の大きいお袋におんぶさせろなんて言ったんだ、お前さえ、そんな事をしなかったら母さんは、
って、一回くらい俺を責めたほうが・・・それの方がすっきりするぜ、俺もそうしてくれた方が
なんかつかえがおりるって言うかさ、」
守「そうか、じゃぁ一緒に飲むか、その時に、そう言わしてもらうよ」
忍「ああ」
守「覚悟しろよ」
忍「ああ」
守「でもな、父さん再婚しようと思ってる」
忍「えーそうなの」
守「反対か? 」
忍「いやそんな事ないよ歓迎だよ、これからの事考えるとさ、麻子には話したんだろ」
守「いや、まだだ、まずお前に話して、お前から麻子に伝えて欲しかったんだ」
忍「・・・オヤジ、ありがとな」
守「いや、せめてもの罪滅ぼしだよ(少し顔色が変わる)俺はずっと前からお前にそうしたかったんだ」
    忍、そのせりふに少し表情を変える。守の影を見る。かすかに揺らいで見える。
忍「・・・・・・」

○ レストランバー
    カウンターに座る忍。
    美和、やってくる。
美和「どうしたの急に」
忍「たまには、二人でいいだろ」
美和「でも美羽が心配」
忍「少しくらいは大丈夫だよ、もう美羽だって子供じゃないんだ」
美和「あら、お父さんらしい事言っちゃって」
忍「そうかな、ハハ、なぁ美和、俺まだ、言ってない事があっただろ」
美和「なに」
忍「愛してる」
美和「えっ、随分唐突ね」
忍「ゴメン、ムードなくて、でも早く言いたくて、どうしても言いたくて」
    美和、忍の手を握り、
美和「いいわ、よくわかったから、でも私、愛してるは、いや」
忍「ん、なんで」
美和「昔、私に何度も愛してるって言った人が居たわ、口ばっかりで、結局私の事も美羽の事も全然
 愛してなかったの、彼は私達のすべてを奪い取って・・・気が付いた時は、私達にはもうなにも残
 っていなかった・・・愛してるは嫌い」
忍「じゃー」
美和「じゃーぁ?」
忍「好き、好きだ、なによりも、」
美和「まったくボキャブラリーないわね」
忍「そうか、そうだな、えーと、お前と美羽が俺にすべてを運んで来てくれたんだ、これからが俺の
 ホントの人生なんだ・・・いままでの人生を取戻すんだ、だから、だから、やっぱり好きなんだ、
 あれ、どうしよ」
美和「もういいわよ、好きで、私も好きよ、好きの方が安心」
    美和、忍の肩に寄り添う。

○ 建設現場・夕方
    ビルは大分完成に近付いてきている。
    ビルを見上げる、沖中、野島、そして忍。
沖中「どうだ、もうすぐ引渡しだそ、予定通りだ」
野島「はい、俺達が造ったんですよね」
沖中「おう、そうよ」
忍「俺達にしか、出来ない仕事ですよね」
沖中「そうよ、誰にでも真似出来る、仕事じゃねーぞ、俺達の生きた証ってやつだな」
野島「それは、ちょっとオーバーじゃ」
沖中「なにー」
野島「いや、すいません」
忍「いや、でも、あれだけの工程と職人の切盛りして予定組んで、しかもあんな重労働まで手伝っ
 ちゃって、俺達ってもしかして凄いんじゃないですか」
沖中「バカヤロー調子のるな」
忍「あっすいません」
野島「いや、でも今回は忍がんばりましたよ」
沖中「まぁそうだな、うん、たしかにがんばった、あっおい、忍あれ出せよ」
忍「あっハイ」
野島「なんっすか」
    忍、内ポケットから封筒を出す。
忍「野島、遅くなってスマン」
    封筒を渡す。
野島「えっ」
沖中「はやく、受け取れ」
忍「少しだけどさ、色つけといたからさ」
野島「おっマジで、サンキューよかったよ」
沖中「よっしゃこれですっきりだな、来週からすぐ次の現場入るぞ、二人とも今週はゆっくり休めよ」
忍「はい」
野島「いや、俺、今週はこの金で飲み行きますよ」
沖中「おまえなぁまぁ勝手にしろ」
    笑う3人。
    ビルの谷間に夕日。

○ 賃貸マンション外観

○ 同・305号室ドア
    表札には「剣持忍・美和・美羽」

○ 同・中
    忍と美羽でパソコンを覗いている。
    洗いモノをしている美和
    よくみるとお腹が大きい。
美羽「ねーパパ、明日のお買い物このワンピースがイイ」
忍「えーどれどれ」
    パソコンを覗き込む。
美和「美羽、あんまり高いのはダメよー」
美羽「ほら、これ」
忍「えっこれか、(小声で)ちょっと高くないか」
美羽「これじゃなきゃやだ」
忍「うーん、そっかーじゃーママには、内緒だぞ」
美羽「わかった」
    笑う二人。
    後に美和の姿。
美和「なにこそこそ、喋ってるのよ」
忍「いや、なんでもないよ、な、美羽」
美羽「うん、なんでもないよ」
美和「そう、じゃぁ明日は、私も行こうかな」
    忍・美羽、顔を見合わせる。

○ 夜・公園
    大きな買い物袋を下げた忍・美和・美羽が楽しげにやってくる。
    ベンチに腰掛ける3人。
美和「もう高いの買って」
美羽「だって、これ欲しかったんだもん」
美和「いいわ、お父さんの小遣いから引いとくから」
忍「おい、おい、カンベンしてくれよ」
    笑う3人。
美和「(空を見上げ)あっ三日月ね」
忍「ああ」
美羽「(三日月見上げ)・・・お姉ちゃん・・・」
    キー、キーとかすかな音が聞こえて来る。
    耳を澄ます3人。
    段々と音が大きくなってくる。
    遠くに人影。
    目を凝らす三人、察しがついた様子。
    麻子が車椅子に乗った忠信を押して近づいてくる。
    横にはカンタ。
美羽「あーお姉ちゃん」
麻子「こんばんは、美羽ちゃん」
美羽「あーワンちゃんだ」
    美羽、カンタを触る。
忠信「麻子、アニキいるから」
麻子「あーそうね」
    麻子、カンタを離れた所に繋ぐ。
忍「・・・・・・」
    空を見上げる忍。
忠信「義兄さん、三日月の影は」
忍「さぁどこかな」
美和「戻ってるわ」
美羽「えっお月様の影あそこにいるの? 」
    麻子、戻ってくる。
美羽「あっお姉ちゃん、お月様の影、戻って来てるって」
麻子「へーそうなんだ、じゃぁお月様と仲良く、お話してるのかもね」
    麻子、美和の顔を軽く気にしながら話す。
美羽「(急に様子が変わり)なに言ってるの、お姉ちゃん、光と影は、合いいれないんだよ」
    麻子驚き、美羽をみてから美和を見る。
    美和は三日月を見据えている。
忠信「光は影を従える、光がなければ、影も生まれないんだよ、なぁ兄貴」
忍「そうさ、光あっての影だ」
美和「一度手に入れた、光を二度と手放すバカはいないわ、影の虚しさは、影が一番知っているのよ」
麻子「そっか、なんかみんなそれぞれ、大変な経験して今があるんだね」
美羽「お姉ちゃん、お月様の影は、またいつか、どっかいっちゃうの」
麻子「さぁどうかな」
忍「いや、絶対動かしちゃ行けないよ、美羽、しっかり見張ってないと、影は心の隙間をついて入り
 込む機会をずっと狙ってるんだ、毎日よくみてるんだよ」
美羽「うん、わかった」
    三日月を見上げる5人、背後に伸びる5人の影、かすかに揺らいで見える。
    影の先でフセをしているカンタ。
         ***最終夜へつづく***

Bank_of_shadow最終夜

***最終夜***
○ バンク・オブ・シャドー内・5階
    デスクに腰掛ける、シルクハットの経営者らしき男。
    モニターで店内の出入りをチェックしている。
    店内に入ってくるコート姿の生気のない人々の姿。
    あるモノは、ATMに入金し、
    あるモノは、エレベーターに乗り込んでいる様子が映る。
    部屋のドアが開くとコート姿の面々がぼつぼつと入って来ては、シルクハットの男から
    チラシの束を受け取って出て行く。
    シルクハットの男、奥の部屋へ

○ 同・別のフロア
    車椅子に座りPCに向かう男の姿。
    忠信である両目は傷で、ふさがっている。
    後からエンターキーを押すシルクハットの男。
忠信「助かる・・・お前の経営手案は完璧だ、業績も順調だよ、やはり光でも影でも俺は目が見え
 ないほうがいいみたいだな」
    忠信、シルクハットの男の腕に手をそえる。
    シルクハットの男、帽子を取る。
    長い髪がバサッと落ちてくる。
女の声「そうね、あなたは、眼が見えてないほうが、可愛いいわ」
    女の顔は、麻子。
忠信「そうか、見えなくなってよかったよ」
    怪しく笑う二人。
麻子「でも、ホントはあなたの赤ちゃんが欲しかったわ」
忠信「それは影に任せればイイ、だって影はずっと前から、そうしたかったんだからな」
麻子「そう、影はずっと前からそうしたかった」
    麻子、忠信の背中から両手を回す。
    PC画面が怪しく光っている。

○ 都会のスクランブル交差点
    あちこちから聞こえてくるエンジン音とクラクション。
    せわしなく続く人の波。
    ノイズとなる人の声。
    その波の中、盲目の中年女性が盲導犬を連れて信号待ちをしている。
    大人しくしている盲導犬。
    フッとなにかに気付き目を見開き遥か先の反対車線でたたずむ男を
    「ううぅ」と威嚇し始める。
盲目の女性「こら、静に、しっしっ」
    しかし威嚇を止めない盲導犬。

○ 同・反対車線
    信号待ちをしている男。
    1人だけコート姿。
    後の女子高生二人がひそひそ話、
    男には影がない
    コートの裾には、キャッシュカードが誰かのいたずらのように張り付いている。
    ノイズと盲導犬の威嚇声が重なる。
    信号が変わる。
    走り出す盲導犬。
    盲目の女性から外れる手綱。
    転倒する盲目の女性。
    逃げ惑う人々。
    避ける人々の間から一本の道が出来る。
    その先にはコート姿の男。
    肌は灰色によどんでいる。
    手にはチラシの束を大事そうに抱えている。
    
          ***完***

Bank_of_shadowあとがき

ご愛読ありがとうございました。

この作品で、自身のシナリオ8作品目となりました。

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