日本バプテスト川越キリスト教会 Baptist Kawagoe

加藤享牧師,山下誠也協力牧師の礼拝説教・教会週報のメッセージ、イベント・行事案内

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[聖書]ルカによる福音書2章8〜20節
その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。 すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。 天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。 今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」 すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。 「いと高きところには栄光、神にあれ、/地には平和、御心に適う人にあれ。」
天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。 そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。 その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。 聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。 しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

[1]救い主の貧しい誕生
クリスマス、おめでとうございます。ようこそご来会下さいました。島田もと子先生と初雁女声コーラスの皆さんのご協力を感謝いたします。

世界の救い主イエス・キリストのお誕生を最初に祝って礼拝したのは、先ほどお読みした聖書にありますように、夜の野原で羊の番をしていた貧しい羊飼いたちでした。多くの人々が温かい家の内で眠っているのに、寒い野原で寝ないで働かなければならない貧しい労働者たちでした。

その羊飼いたちに夜の闇をついて天使が現れ、救い主の誕生を告げ知らせました。
救い主のしるしは「布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子」です。飼い葉桶の中に寝ているというのですから、牛やロバ、羊などの家畜小屋で生まれた赤ん坊ということになります。世界の救い主が家畜小屋の中で誕生されたなどというそんな不思議なことがあるのでしょうか。

しかし天使の大合唱が天から聞こえてきました。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」羊飼いたちはこの天使の大合唱に背を押されて、ベツレヘムの家畜小屋を探して、マリア、ヨセフと飼い葉桶に寝かされている乳飲み子を、探し当てたのでした。

もしも救い主がお城の中で誕生していたならば、貧しい羊飼いたちは近寄ることが出来ませんでした。救い主がむさ苦しい家畜小屋で生まれて下さって本当によかった。このような所ならば貧しい人たちばかりでなく、金持ちだって身分の高い人たちだって、心がけ次第で誕生をお祝いに集まることが出来ます。立派な御殿ならば、皆は集まれません。貧しい家畜小屋だからこそ、どんな人でも集まれるのですね。
 
それにしてもマリアはよくもまあ、最初の赤ちゃんを牛やロバや羊の暮すむさくるしい小屋で、産むことが出来たものです。設備の整った清潔な病院で安心して出産したいとは、誰しもが願うのではないでしょうか。

マリアは幼くして両親を失い、親戚の家で育てられたと言われています。16才になり、ヨセフという村大工と婚約しました。愛する夫とやっと自分の家庭を持って幸せに暮せると、胸をふくらませていたことでしょう。ところが天使から驚くべきお告げを受けました。「神さまから恵みをいただき、身ごもって男の子を産む。その子は神の子と言われ、神の民を治める方になる」

そんなことになったらヨセフとの結婚はどうなるのでしょうか。しかし彼女は答えました。「私は主のはした女です。お言葉通りこの身に成りますように」はした女とは召使、女中です。マリアは自分の貧しさを十分に自覚していたのです。ですから「神さまがそうおっしゃるのなら、お従いします」という従順な心を持てたのでしょう。

都の城に暮す王女だったら貧しい家畜小屋での出産など絶対に受け入れないことでした。貧しいからこそ、神さまのお役にたったのですね。貧しいからこそ、他の人の救いのお役にたつのですね。その意味で、貧しいことは大事ですね。人を幸せにするのです。そうしみじみ思うのですが、如何でしょうか?

[2]小さなもみの木に惹かれる心
ベルギーの絵本作家ガブリエル・バンサンの「くまのアーネストおじさん」シリーズに「小さなもみの木」という絵本があります。ご覧になりましたか?熊のアーネストおじさんの家に身寄りのない小さなセレスティーヌが引き取られて来ました。セレスティーヌと迎える最初のクリスマスです。アーネストはサンタを迎える準備をするために、セレスティーヌを連れて森にもみの木を探しに出かけました。すると小さな曲った木が一本雪の中に残されているだけでした。誰もがこんな木ではクリスマスツリーの役にたたないと思ったのでしょう。

ところが小さなセレスティーヌは、森のなかにぽつんと取り残されたこのもみの木に心が惹かれました。「この小さな木の傍に自分たちがやって来て、雪の中のクリスマスをしたい」と思いました。アーネストおじさんは、セレスティーヌのために大勢の友だちを招いて、にぎやかなクリスマスパーティーをして上げようと思っていました。でもおじさんがどんなに説得しても、セレスティーヌの心は変りません。

「アーネストおじさん。私は雪の中でクリスマスのお祝いをしたいの。おじさんと二人きりでね。私は二人だけでいいの。ローソクに火を灯して、空には本物のお星さま」どうしてでしょうか。セレスティーヌは、独りぽっちで過してきた自分と、この取り残された小さな曲がったもみの木を重ね合わせて、離れられなくなったのでしょう。だから優しいアーネストおじさんと二人きりで、この木のそばに居てクリスマスをお祝いできたら、それで十分幸せだと願ったのでした。

小さな家畜小屋にひっそりとお生まれになった救い主。このイエスさまも、取り残されて誰からも顧みられない小さなもみの木と重なります。多くの人はそれに気が付きません。でもセレスティーヌは気付きました。小さな乳飲み子が漂わせている平安、その笑顔から輝く平和の光、それは飼い葉桶の中から静かに溢れてくるのです。この小さなもみの木と飼い葉桶の救い主は一つなのです。だからセレスティーヌは、この木の傍で優しいおじさんと一緒にクリスマスを祝いたいを願ったのでした。曲っていてまっすぐに立っていられないこと、貧しいこと、取り残されていることも、人を優しく慰める大事な役割を果たすのですね。

多くの人は、大きなもの、力強さや華やかさに心を惹かれます。でもそこに長続きする本当の喜びや人の心を安らかにする優しさがあるのでしょうか。貧しい家畜小屋にそっと身を置いて、静かに招いて下さる神さまの愛、世界の救いはここから始まるとクリスマスは、教えてくれているのです。

[3]闇に光をもたらすクリスマス
私の友人の一人、彼は年老いた父を永年介護しました。本当に良くやりました。排尿・排便の世話がことのほか大変でした。彼がこう書いていました。『「したくなったら、声をかけてね」「うん、うん」しかし一向に教えてくれない。介護の疲れに苛立って、父のお腹に手を置いて、辛い思いで、「どうして知らせてくれなかったの!」と責めてしまう。自分で自分を制することが出来ないのだ。優しさと愛が無いのに「何と優しい息子さん」といわれて、内心の辛さ、惨めさが一層つのる。

マザー・テレサの言葉が響いて来た。「人の面倒をみるよりも、その人を愛することが大切です」本当にそうですね。人は愛を求めているのです。面倒はみれても、心から愛することは難しいのです。親ですら本当に愛せない心の闇、罪深さ。でも神さまは汚れた飼い葉桶に身を横たえて、静かに微笑んでくださっている。「それでいいんだよ。大丈夫。私が一緒に居るからね。お父さんの体の中にも、貴方の心の内にも、私は居るからね。」闇の中に灯る明日の光。幾たび慰められ、支えられたことだろう。』

クリスマスの舞台は夜ですね。私たちの心にも闇があります。不安という闇。死という闇。私も次第に高齢に向いつつあります。何処でどのように介護されて、死ぬのでしょうか。なるべく迷惑をかけたくないですね。あれこれ考えますと不安になっていきます。病気の不安、経済的不安。仕事、家族、子育て等々、不安になり出したら、底なしの泥沼です。そして死が例外なしにやって来ます。皆さん。死の備えは出来ていますか。更に人を心から愛し得ない闇。妬みや憎しみ、偽りや不義の闇――罪という闇です。

でも神さまは、私の家畜小屋のような心の内に、救い主を生まれさせて下さる――これがクリスマスの恵みです。どうぞ皆さん、クリスマスに神さまが語りかけて下さる貧しさの中にもたらされる救い、ひっそりとした本当に温かな愛の光を見出して下さい。

お祈りします。「神さま、互いに優しくいたわり合えたら、どんなに幸せでしょうか。平安を与えられるでしょうか。その様な愛の中で死を迎えられたら、死を恐れなくなると思います。神さま、私たちの心の闇に、光を当ててくださる貴方の愛を、救いを、一人一人が豊かにいただくことが出来ますように。貧しいマリアが貧しさの故に、従順に神さまのなさる事を受け容れたように、私たちもまた神さまのなさる事を受け容れ、恵みを分かち合う役割を少しでもさせて下さい。この祈りをイエス・キリストの御名によってお捧げいたします。 アーメン


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