日本バプテスト川越キリスト教会 Baptist Kawagoe

加藤享牧師,山下誠也協力牧師の礼拝説教・教会週報のメッセージ、イベント・行事案内

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2011年7月10日川越教会
                 「わたしがあなたと共にいる」

                                        宮井 武憲

使徒言行録 18章1節−11節          
1.はじめに

 ある方から、「どういうきっかけで献身されましたか」と訊ねられたとき、少し困りました。献身とは、主の御用のために我が身を献げて生きていくことですが、私の場合、劇的に上からの光があったとか、強い召しを与えられたというのではないからです。そこで、「教会の交わりの中で、献身の思いが与えられました」と答えました。教会員一人一人が主に仕えておられるその「献身」に、教会の交わりを通して触れ、そこから私の「献身」が起こされてきたと理解しています。

 神さまは、私たち一人一人に、期待し、福音宣教のわざを託されています。その働きのために、一人一人が招かれています。それぞれに与えられた献身のあり方があり、神さまの召命に応える生き方が、それぞれに与えられ、その一人一人の「献身」が、「キリストの体である教会」を作り上げています。ですから「献身」は、教会の交わりの中で、起こされていくものだと、自分の経験を通して、答えることができます。「献身」は、信仰共同体の出来事、キリストの体である教会の出来事ではないでしょうか。

2.共に働くなかで

 使徒言行録18章1節には、「パウロは、アテネを去って、コリントへ行った。」と記されています。パウロは、アテネの町に来て、至るところに偶像があるのを見て憤慨しました。そこで会堂や広場で人々と論じ合いました。哲学者たちとも討論しました。しかし、パウロが、「イエスこそ、死者の中から復活された、いのちの主」と、宣べ伝えれば伝えるほど、アテネの人々からは、「奇妙なことをわたしたちに聞かせている」と、あざ笑われ、時には、激しく、ののしられ、相手にされなくなってしまいました。

 パウロは、打ちのめされて失意のうちにアテネを去りました。ですから「どうしたらよいのだろう」「福音は届くのだろうか」と、不安を抱いて足取り重くコリントに行ったのではないでしょうか。しかし、神さまは、コリントの町に、パウロのため、新たな出会いを起こしてくださり、ともに働く者を与えてくださいました。

 パウロは、元気を取り戻していきます。そして、ますます、力強く証しすることができるようになっていくのです。このことから、福音宣教の働きは、パウロ一人の働きではなく、共に祈り合う、共同の働きの中で起こされていくことが分かります。パウロも、「共に働く」ことの中で起こされる「主のわざ」を、次々に見させられていきます。

 主は、ローマから退去を命ぜられ、コリントに避難してきた、アキラとその妻プリスキラを備えていてくださいました。主は、シラスとテモテを、マケドニア州からコリントのパウロの元に送ってくださいました。ユダヤ人に反抗され、口汚くののしられて、ユダヤ人会堂から決別したとき、主は、そのユダヤ人会堂の隣りの、ティティオ・ユストの家を備えて下さいました。そして主を信じるクリスポ一家を、与えられたのです。主はパウロに先立って、共に働くもの、ともに歩むものを、次々と備えてくださったのです。

 そのような中で、主は幻を通して、パウロに語られました。「恐れるな。語り続けよ。黙っているな。わたしがあなたと共にいる。だから、あなたを襲って危害を加える者はない。この町には、わたしの民が大勢いるからだ。」あなたは孤独ではない、一人ではない、「わたしがあなたと共にいる」、そして、あなたは知らないだろうが、あなたを知って待っている人がいる、しかも、一人や二人じゃない、大勢いるのだと、はっきり言われています。

 幻の中で、パウロに語られた主の言葉は、私たちに、そして全世界のキリストにあるすべての教会の人々に、今日もそしてこれからも、語り告げられ、励ましと希望を与え続けています。とにもかくにも、私たちのために、十字架の上で「わが神、わが神、なぜ、わたしをお見捨てになったのですか」と叫ばれたイエス・キリストが、一緒にいて、一番下から支えてくださっているのです。

 その上さらに、私たちには見えませんが、すでに主は、「主の民」を大勢、備えてくださっているのです。それは、失意の中にあったパウロに、主がアキラとプリスキラを、シラスとテモテを、そしてユスト、クリスポ一家を与えられたようにです。「わたしがあなたと共にいる、この町には、私の民が大勢いる」というのは、あなたのために、すでに備えている、という神さまの約束であり、揺るぎのない、神様の励ましの言葉なのです。

3.主に捕らえられて

 高校2年のときに、福岡の春日原教会でバプテスマを受けた私は、大学入学に合わせて上京し、青年時代には大久保教会に導かれました。そして1976年に浦和教会に導かれ、その交わりの中に入れていただき、主にある交わりを通して、教会の奉仕をさせていただき、たくさんのことを学ばせていただきました。

 そのような交わりの中で、特に一人の聴力に障がいのある方との出会いを神さまが与えてくださいました。その人と共に毎週礼拝をささげていくうちに、さらに多くの障がいのある方との出会い、歩み、広がりを与えられました。そして障がいのある人との交わりを通して、神学の学びに導かれたのです。

 障がいのある人から、「どうして障がいのある人との交わり、働きをするようになったのですか。そのきっかけは何だったのですか」と、よく聞かれます。「そこに、障がいのある人がいたからです」と、私はいつも答えています。それは、障がいのある人との関わりを続けている基本のところに、この世に生を与えられた一人ひとりの「いのち」に、すべての被造物の生と死を支配される神の領域、人間が犯すことのできない神の領域があることを知らされるからです。

 私たち夫婦には、子どもがいません。結婚して5年目にやっと与えられた小さな「いのち」がありましたが、生まれて3日目に、天に召されました。イエスさまは、死んで3日目に甦られたのに、この子は生まれて3日目に亡くなってしまいました。「どうしてですか」と、祈り叫びました。

 その中で示されたことが、人間も被造物もすべて、「いのち」は、神の領域であって人間の手の中にはないこと、生と死を支配される神のみが、「いのちの主」であるということです。だから、人が無造作に人のいのちを奪ったり、いのちを軽視する行いを知ると、悲しみと怒りがこみ上げてきます。ですから、障がいのある人たちが、障がいがあるという理由だけで、社会の隅に追いやられてしまうことに、私たち夫婦の子の「いのち」が重なって見えてくるのです。それが、障がいのある人との関わりの原点にあります。

 一人の障がいのある人との出会いから、浦和教会の中だけでなく、広がりを与えられ、視力に障がいのある方々、車椅子を利用されている方々との出会いが与えられてきました。そこでは、共に生きる者として、神さまから尊いいのちあるものとして、この世に生を与えられた「いのち」に触れる経験をさせていただいています。その経験には嬉しい経験もあれば、悲しく苦しい経験もありました。そしてそのすべてが、私を「神学の学び」に導いていきました。

 障がいのある人と共に歩もうとする中で、「共に生きる、共に歩むとはどういうことなのか。イエスさまはどのように語られ、どのように歩まれたのか」、そのことを聴きたいと願ったのが、神学を学ぶきっかけでした。

 そこで、九州バプテスト神学校の「キリスト教社会福祉」を聴講することにいたしました。この講座は、久山療育園の「重症の心身障害児(者)の福祉」を、聖書から聴いていこうという講座で、私が求めていたものだったからです。そこからさらに「神学」への関心が高まり、聴講生から本科に、そして専攻科へと進むことができました。

 神学校での学びをするなかで、障がいのある人を充分に理解できないところから、時には障がいのある人と「行き違い」が起こることもありました。何でも話し合う「友」と呼べる仲になった障がいのある方がいました。彼に、「障がいのある人ともに生きる」ことを卒業論文のテーマにしようと思っていると話したとき、彼から「障がい者を研究の道具にするのか」と怒られました。

 そうではなく、「私」が、障がいのある人ともに生きるために、このテーマを取り上げるのだと説明しましたが、納得できなかったようです。障がいのある人の日常が世間にさらされてしまい、迷惑した方がたくさんあるからです。このテーマを取り上げるかどうか悩みましたが、その時点での自分の理解をまとめておく必要があると考え、本科を卒業するときの論文のテーマにいたしました。後で、その方にも理解していただきました。

 聴講生として学び始めてから7年後、2004年3月、九州バプテスト神学校・専攻科を卒業いたしました。卒業時、牧会に出るには自信がなく大きな不安があったこと、宣教団の仕事に区切りがつかなかったことなどから、どうしても一歩踏む出すことができませんでした。しかしずっと心に引っかかっている言葉がありました。それは、「必死で牧会に励んでいる小さな教会の叫びを聞いてほしい」という、ある小さな教会の牧師の言葉です。

 そのような中で、今回「小さな教会、青島の人々の叫び」を聞いたのです。
                                     (後半に続く)

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