日本バプテスト川越キリスト教会 Baptist Kawagoe

加藤享牧師,山下誠也協力牧師の礼拝説教・教会週報のメッセージ、イベント・行事案内

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(前半に続く)
                   わたしは何者でしょう
                                       加藤 享

[2] 神の人

 ここにエジプト人からもヘブライ人からも受け入れられずはじき出されているモーセの姿が、はっきりと浮き彫りにされています。彼は遠く東のシナイ半島を越えた ミディアンの地にたどり着き、祭司エテロのもとに寄留することになりました。娘のツィポラと結婚し、男の子が誕生します。ゲルショムと名付けました。「そこで(シャム)は寄留者(ゲール)」といった意味です。その土地で一切の地位や資格を持たず、現地の人の庇護を受けて、身を寄せて生きるしかない外国人のことをさします。

 「そこで」がエジプトを指すとするならば、モーセが40年間生まれ育った地エジプトが、もはや彼の故郷ではなくなったことを言い表したことになりましょう。40年間王女の子として王宮に育っても、彼はエジプト人にはなれなかったのでした。かといってヘブライ人も彼を同胞とは見てはくれませんでした。結局かれはエジプト人でもヘブライ人でもなかったのです。

 その様なモーセをミディアンの地は温かく迎えてくれました。彼はその地で家族を得ました。羊飼いとしての仕事も得ました。しかし40年後に神さまは彼を再び その地から呼び出して、ヘブライ人の大集団をエジプトから約束の地カナンへと移動させる40年の旅路を送らせて、生涯を閉じさせたのでした。そしてモーセの墓は ヘブライ人の誰もが知らないのです。

 神さまは、モーセが羊の群れを導きながらホレブの山に来た時、不思議な火をもってモーセを御許に呼び寄せられました。「わたしは、エジプトにいるわたしの民の苦しみをつぶさに見、追い使う者のゆえに叫ぶ彼らの叫び声を聞き、その痛みを知った。 それゆえ、わたしは降って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む所へ彼らを導き上る。」

 神さまは、エジプトの地で苛酷な労働を強いられて、苦しみ、痛み、叫ぶヘブライ人の所に降って行き、彼ら一人一人の傍らに身を置いてくださる、そして約束の地カナンへと、救い出そうとしておられることを、モーセにお告げになりました。「だからモーセよ、今、行きなさい。わたしは必ずあなたと共にいる」と語りかけたのでした。

 モーセは答ました。「わたしは何者でしょう。エジプト人にもなれず、ヘブライ人としても認められず、今はミディアンの地の寄留者です。一体私は何人として、ヘブライ人の所へ行くのですか。また何人としてエジプト王の前に立つのですか。ヘブライ人が皆、私をヘブライ人の代表者として支持して、エジプト王の前に立たせてくれるでしょうか。或いは、エジプト人の一人として、国王のヘブライ人に対する取り扱いは間違っていると糾弾することが出来るのでしょうか。私は自分が何人なのか、根無し草のような心細さを覚えている者なのです。」

 これに対する神さまの答は、「ヘブライ人としてでもなければ、エジプト人としてでもない。わたしがお前と共にいるという神の人として、わたしに遣わされて、エジプトのヘブライ人のもとに行き、またファラオの前に立つのだ」モーセはかつて  正義感に駆られてエジプト人の監督を殺しました。しかしそれによってはヘブライ人の支持を得ることが出来ず、同胞として受けいれてもらえませんでした。モーセが立つべき所は、神が共にいまし、神に遣わされ、神の御業を為すという神の人としての召命だったのでした。

[結] 歴史を導く神の備え

 ヘブライ人の大集団をエジプト帝国から脱出させる出エジプトは、まさに大きな困難を伴う大変な仕事です。人並みはずれた優れた能力を備え、何よりもヘブライ人の支持を受けている者でなければなりません。ところがモーセはヘブライ人であってヘブライ人ではないのです。彼が尻込みして辞退し続けたのも当然でした。しかし神さまはモーセの上げる理由に一つ一つ答えて、彼を説得してしまわれました。神さまはどうしてこのようなモーセをお召しになったのでしょうか。

 誕生からこの時までの80年間の歩みを見てみましょう。第一に、彼は奴隷のように虐げられていたヘブライ人として誕生しながら、王女に拾われ、王宮で40年間教育を受けました。王族の一員として国を治める法律を学んだに違いありませえん。それが、シナイ山で律法を授かり、これを基にして神の民としての細かい法を定めるのに役立ちました。また何よりもイスラエルの脱出にあたってファラオと十回以上も交渉をしなければなりませんでした。彼が国王を恐れず、対等に立ち向かえたのも、王宮生活での生立ちが役に立ったに違いありません。

 第二にミディアンでの40年にわたる羊飼い生活で、シナイ半島からカナン南方の荒野一帯の地理、気候に関する十分な知識を持つことが出来ました。またかよわく迷いやすい羊たちを忍耐と優しさをもって導く修練も身につけることが出来ました。 だからこそ150万を超える大集団を、律法によって整えつつ、40年かかって荒れ野の中を忍耐強く導き抜くことが出来たのでした。

 神さまはイスラエルの民を大いなる民にするために、70人余のヤコブ一族を、ヨセフを用いてエジプトへ移住させて大いなる民に成長させました。次にこの大集団をカナンの地に戻すために、モーセを誕生させて王女と結び付け、40年間を王宮で教育し、ミディアンの地では羊飼いを40年経験させて訓練なさったのでした。神さまは歴史のはるかに先を見て備えをしつつ、救いの御業を進めていかれるお方なのですね。

 あのヨセフは兄たちに繰り返し言いました。「命を救うために、神はわたしをあなたたちよりも先にお遣わしになったのです」「あなたがたはわたしに悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのです」まさに歴史は神さまに導かれて進められていきます。日常の出来事の内に、神さまの御心と御業を見出していく信仰の目をもたなければなりません。

 そして神さまがこの私をお用いになろうとして、お召しになった時には、神さまが共にいて下さり、神さまがお遣わしになっている信仰に立ち、お応えしていきたいものです。

 民主党の代表選挙が明日行なわれ、次の総理大臣が選ばれます。誰がなっても大して変らないのでしょうか。歴史を導く神さまは、人を選んでお用いになるのです。神によって整えられ、御用に召されるという心を持つ人が選ばれて、重責に当たってもらいたいものです。多くの人々の命を救おうとされる神さまの御心が行われますよう、政治家たちのために祈っていかなければなりません。  
                                           完

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