日本バプテスト川越キリスト教会 Baptist Kawagoe

加藤享牧師,山下誠也協力牧師の礼拝説教・教会週報のメッセージ、イベント・行事案内

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(前半より続く)
2013818日川越教会
       たといそうでなくても(後半)   加藤 享
                [聖書] ダニエル書3章13〜30節
 
[3] 国王によって造られる神々
 ダニエル書の2章では、ネブカドネツァル王が、何度も見る夢に不安になり眠れなくなりました。ダニエルはその夢の示す意味を明快に解き明かしました。それは「王国が次々と起こっては滅びていくこと、しかし歴史の終わりには、すべての国を滅ぼして永遠に続く国を天の神は興される」 という神のお告げでした。それを聞いて王は、ダニエルの前にひれ伏して、「あなたたちの神は  まことに神々の神、すべての王の主」と告白しています。
 
 それなのに続く3章では、巨大な金の像を建てて、全ての家来、諸国、諸族、諸言語の人々にひれ伏して拝めと命令を下しています。これはバビロン王の絶大な権威の前に皆がひれ伏し、絶対服従せよという命令です。手中の権力をいつ奪われかと怯える権力者の姿が透けて見えます。そして金の像を造って神として拝めと命じるのですから、その神は王によって造られた神ということになります。権力者によって造られ、権力者に利用される神々。王の家来の一人に過ぎない神。なんと安っぽい神でしょうか。
 
 朝鮮民族を支配した日本の国家権力も、全家庭、全教会の聖壇にも神棚を置かせ、「気をつけ!まことの生き神さまであらせられる天皇陛下と、天照大神あまてらすおおみかみ)と、皇大神宮、八百万の神に向かって最敬礼!」と礼拝を強制しました。世界各地の権力者に よって次々を造られていく神々ですから、八百万の神なのですね。シンガポールでも占領すると直ちに皇大神宮の分社・昭南神社を建て、全ての宗教指導者も含めて、参拝を強制しました。ですから日本が負けると真っ先に、跡形もなく壊されてしまいました。
 
 その上、その神を拝まない者を燃え盛る火の炉に投げ込むことをさせる神とは、何と非情、残酷な神なのでしょうか。今日の週報巻頭言にも紹介しました、殉教者朱牧師夫妻を拷問に処した警察官に、このような行為をさせた天皇という生き神さま、天照大神とは、何という残酷・非情な神なのでしょうか。天皇は、天皇という名がアジア各地でどのように残酷・非情な行為を人々にさせたかという責任を自覚しているのでしょうか。また現在日本国の総理大臣という地位にある安倍さんも、東条英樹に代表される総理の名の下で行われた、数々の恐ろしい行為の責任を継承していることに気付いているのでしょうか。
 
 酒枝先生は、は果たして実在者なのか、あるいは信者の信念、あるいは思想なのかと問いかけています。神さまは、昔アブラハムを選びお召になった時「祝福の源となるように。地上の氏族はすべて、あなたによって祝福に入る」(創世記1223)とおっしゃいました。神さまは、地上のすべての氏族を祝福される神なのです。その神さまがナザレのイエスとしてこの世に生まれて歴史の実在者となり、貧しい者たちに寄り添って生きて下さり、十字架刑に処せられて死に、墓より復活して天に戻っていかれました。私たちはこのお方を、ご自身を世に啓示された神キリストと信じます。
 
イエスキリストは「私は良い羊飼いである」「私が来たのは、羊が命を受けるため、しかも豊かに受けるためである」また「私は良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる」(ヨハネ10章)とおっしゃいました。神さまは、私たち一人ひとりの命を豊かにして下さるために、ご自分の命も捨ててくださいました。それが十字架の死です。神さまとはこのように、ご自分の命まで捨てて、私たち一人ひとりに命を豊かに与えてくださるお方なのです。自分を拝まないからといって殺したり、残酷な拷問にかけたりする神とは、全く正反対のお方です。どちらが真の神でしょうか。天皇も天照大神も巨大な金の像も、それを建てた国王も、神ならざる神です。
 
[] 真の愛を分け合う
 良い羊飼いイエス・キリストはおっしゃいました。「わたしには、この囲いに入っていないほかの羊もいる。その羊をも導かなければならない。その羊もわたしの声を聞き分ける。こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる。」(ヨハネ1016)この囲いに入っている羊とは、現在イエス・キリストを自分の羊飼いと信じて教会という囲いに属している信者でしょう。しかし世界には教会に属していない人々が大勢います。
 
 全ての民を祝福する神・イエスキリストの目と心は、その人々にも注がれているのは当然です。そしてその人々が命を豊かに受けるためにも、ご自分の命を十字架で捨ててくださったのでした。そして「その羊もわたしの声を聞き分ける」と言い切っておられます。十字架に現された神の愛の呼びかけは、世界中のどんな人にも聞き分けられると、神さまは確信 しておられるのです。
 
 神の名のもとで、人々を痛めつけ、服従させていく神は、神ではありません。この世の権力者に利用され、操られている偽の神です。僕の姿をとり、国籍、宗教、地位を問わず、苦しむ者、悲しむ者、病む者、貧しい者、弱い者、虐げられている者たちに寄り添い、慰め、助け、癒して下さるお方こそ、真の愛の神さまです。
 
 言葉が違う、文化が違う、宗教が違う――これが世界を一つにしない根本原因です。どうしたら共通理解が持てる世界が生まれるのでしょうか。しかし人は皆、真の愛を求めています。人と共に愛を分け合って生きる喜びを求めています。どんな人でも、そのような命の飢え渇きを心の底に抱いているのではないでしょうか。世界は共通しているのです
 
「その羊もわたしの声を聞き分ける。こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる。」ご自分自身を十字架にはりつけにして、世界のすべての人に、豊かな命を生きる者にして下さる愛にこそ、全世界の人々の心を包んで、一つにする力があると、主イエスは確信しておられるのです。
 
 私たちクリスチャンも、十字架を掲げて、人々を弾圧し、殺してきています。羊飼いの命と全く相反する行為を繰り返して、敵を作ってきました。今こそ一人ひとりが、十字架の愛にしっかりと立たなければなりません。世界の何処へでも出て行って、そこに暮す人々と十字架の愛を分かち合い、共々に神の羊の群れを作って参りましょう。
                                  完

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