六本木の隠れ家でカクテルを飲める一人でやってるショット・バー

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2011年9月16日金曜日。

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2011年9月16日金曜日。

「野暮だねぇ〜。」
カウンターの奥の席で、妙齢の男性客が、あきらめにも似た口調で、
グラス片手に、つぶやいた。

先程まで、店内に居たアベックの事だろうか。
嵐の様に、ドカッドカッと現れたかと思うと、
バタッバタッと去っていった。

アベックの若い男は、ヘベレケの口調で、
「彼女にアレを。例の。強いの飲ませて。」
男が注文したのは、酒を飲み始めたばかりの若者が
バカ騒ぎをしながら飲む、飲み物らしい。
数年前に私が、海外のバーで酒を飲んでいる時も
若い米国人の旅行客が大騒ぎをしながら、
そのカクテルを飲んでいた。
カウンターのバーマンに
「あれは何か?」と尋ねたら
「クレイジーな飲み物だ。お前は、やめておけ」
と、忠告されたのが、その飲み物だ。

アベックの男性は、相手の都合も気持ちも関係なく、
一杯を飲むか飲まないかという間に
女性を連れて退店していった。
突然の来客に、その場の空気を奪われてしまった。

Bar.の時間が元に戻り、心地よいリズムで再び動き始めた頃に
妙齢の男性客が、つぶやき始めた。

「野暮だね〜。」
妙齢の男性客が続けて言った。
「だいたい女を酒で酔わせようって魂胆が頂けないね。
女に袖にされたって、構わないから、
その場の空気を乱さずに、粋に振る舞わなきゃ。
粋な飲み手が居なくなったねぇ〜。」

もう、遠い昔話になってしまったが、
粋な飲み手が、粋に遊んでいた時代があった。

店の周年パーティーでは、御祝儀を、そっと置いていったり、
店の従業員に手み上げを差し入れたり、
さりげなく従業員に御年玉をあげたりして、
店主が御礼をするという光景は、よく見かけたものだ。
ポチ袋を常に持ち歩いている粋な呑み助が
行きつけの店で遊んでいた。

「男は、一軒は行きつけの店を持っていなきゃ恥ずかしい。」
と、言われていた時代の話だ。
あの頃の彼ら呑み助は、店を、こよなく愛して大事にし、
気を使っていた。

店の中での立ち振る舞いも御洒落でスマートだった。
ズカズカと他人の世界に深入りをしない。
隣の席の御客とは、
軽い会釈する程度の間合いが心地好かった。

人の頭越しに無神経に話をしたり、
割って入る様な無粋はしない。

気を付けなくては、いけないのは、
常連客になり、慣れてくると、
他の店ではしない、甘えが気づかずに出てしまう。
気を許している証拠なのだが、
親しくなり過ぎない方が、イイ事が多々ある。

いつから野暮な振る舞いが多くなったのか。
自分の価値観で物を語れず、
世間が決めた銭勘定だけでしか価値を見出せない事に
本人も気づきもせずに語ったふりをする連中が増えた気がする。
寿司屋で他所の寿司屋の話を平気でしたり、
同じカウンターで誰が何を、どんな想いで飲んでいるかも知らずに、
酒の値踏みを語る連中。
安酒だの、高価だの、味が、どうだのと、
目に見える世間の価値感に左右される連中。
酒なんてものは、嗜好品だ。
其々の人の思い入れがある。
其々の人が自分の人生を飲んでいるんだ。
他人が土足で値踏みする事じゃねぇんだよ。

マナーは、忘れ去られ、ルールに縛られた世界になった昨今。
優しさが無くなった時にルールで人が死んで行く事さえある。
そんな時代になってしまった。






※これは、あくまで、私の完全なフィクションです。
絶対に実際の出来事や実在の人物とは、全く関係ない話であります。


Bar.営業中。
106-0032港区六本木第七ヴィレッヂビル1階奥
03−3423−7577日祝休み7:00〜翌4:00営業
http://blogs.yahoo.co.jp/bar34237577
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