六本木の隠れ家でカクテルを飲める一人でやってるショット・バー

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2012年5月26日土曜日。

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2012年5月26日土曜日。

ラヂオから流れるデュークエリントンの調べに乗って、
外の雨音が語りかけてくるのは、
もう20年も昔の感触だった。
ただ、時をやり過ごしていた日々が蘇る。
浴びる程に飲んだ想い出の酒をロックグラスに注ぎ、
口を付けると身体の隅々の細胞達が目を覚まし、
生き返った心地になる。
酔いに任せて懐かしい曲を口遊むが、歌詞が思い出せない。
もう使う事の無くなったジッポライターを手にとっても
オイルの香りがする事は無かった。
通り過ぎて行ったシーンが途切れ途切れに
グラスの氷の中で溶けていく。
先の事など考えられない。
思考停止状態の私を救うのは、この一杯の酒だった。
Bar.の酒棚に、この酒があるのは、当たり前の事実だ。

酒場の酒棚には、それぞれの店の個性がある。
Bar.の酒棚には、物語りがある。

以前、Bar.のマスターが言っていたが、
酒の品揃えを考える時に、
バーテンダーの特性が出るという。
御客からの注文を想定して、どうやって、対応するかを考えるらしい。
だが、それだけでは無いと云う。
どうしても一つの想い入れを持って、残しておく酒が、
どのバーにも、どのバーテンダーにもある物らしい。

それは、・・・
Bar.が開店した当初に、
よく二人で来店していた客が、最後の一杯に、決まって飲む酒があったと云う。

マスターは、随分と月日が過ぎてから、
その女性が、お亡くなりになったと、人づてに聞いたらしい。
連れの男性は、今では、数年に一度、来店する程度だが、
その酒を飲む事は、まだ、無いと云う。

しかし、彼にとっては、
ブッシュミルズ10年モルトがBar.に在るのは、
疑う余地の無い当然の事で、
いつか彼が、ブッシュミルズ10年モルトを
飲みたいと想った時に、提供出来る日が来る事を
Bar.のマスターは、知っている。
だからBar.の酒棚には、
ブッシュミルズ10年モルトが今も在ると云う。

そして、私は、今夜、もう一つのバーの物語りを観た。
閉店間際に、訪れたのは、
Bar.のマスターが以前働いていた店の後輩にあたるバーテンダーだった。

バカルディ・ゴールド・リザーブ・ラムを手土産にBar.を訪れた。
このバカルディ・ゴールド・リザーブ・ラムを
こよなく愛していた常連客が、お亡くなりになったそうだ。

古き良き時代、そう、一昔前の愛すべき酔っ払いと、云う感じで、
同じ事を何度も繰り返して、話しながら、
ダブルで3杯飲んで千鳥足で帰っていく。
少し、癖のある変なオジサン。。だったと云う。

その愛すべき酔っ払いの御霊に献杯をして、
Bar.のマスターと後輩バーテンダーは、
バカルディ・ゴールド・リザーブ・ラムを飲み干しました。

酒場という空間で、紡がれていく物語りに触れ、
追憶の日々を感じて、
私は、少し苦く、切ない味の酒を飲み込んだ。





※これは、あくまで、私の完全なフィクションです。
絶対に実際の出来事や実在の人物とは、全く関係ない話であります。


Bar.営業中。
106-0032港区六本木第七ヴィレッヂビル1階奥
03−3423−7577日祝休み7:00〜翌4:00営業
http://blogs.yahoo.co.jp/bar34237577
http://homepage1.nifty.com/krt/bar/
http://www.youtube.com/user/bar34237577
http://www.youtube.com/watch?v=cV5PPR6Qe7c

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