旅人酒場 〜1杯やってかない?〜

慌ただしく過ぎていく毎日。でも、空は見上げよう。

アジアの旅-2006/07

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【カンボジア  キリング・フィールドから】
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プノンペンから12キロほど南西にチュンエクという村があります。
都会の喧騒を離れ、牛がのんびりと草を食んでいる、そんな光景が広がる静かな村。
しかしここはポル・ポト政権時代、処刑された人々が埋められていた“キリング・フィールド”。
今では雑草が生い茂り、ポコポコとあちこちに穴があいている広い空き地のように
見えますが、この穴こそ処刑され埋められていた遺体が掘り返された跡なのです。
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プノンペン市内のトゥール・スレン刑務所に収容された罪なき人々は
ここで処刑され、村の129ヶ所に埋められたとされています。

ここへ連れて来てくれたモト(バイクタクシー)の運転手も一緒に中へ入り、説明書きを
じっくり読んでいました。どこへ行っても運転手はほとんどが日陰やハンモックで休んで
待っているのに。カンボジアの人々にとってもここはジェノサイドを記録し、正面から
過去と向き合う、特別な場所なのかも知れないと思うのでした。
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前日の激しいスコールで、遺体が掘り返された穴は大きな池になっていました。
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【古都ウドンと饂飩の関係】

ウドン…日本人にも馴染みのある名前。でもカンボジアでは古都の名前、日本で言う京都に
あたる場所。1618年〜1866年までの約250年間、王都が置かれ、多くの寺院・仏塔が建設されました。
ウドンというだけで「饂飩(うどん)」を想像させるのに、英語表記が“Oudong”だから面白い!

プノンペンの中心地、セントラルマーケット(プサー・トゥメイ)近くの
ソリヤ・トランスポート・カンパニーでバスのチケットを買います。ウドン、見ーっけ!!
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なんだか妙に親近感を覚える地名。一説には、私たちが口にしている“饂飩(うどん)”は
ここの地名が由来となっているらしい…不思議な御縁で。そんなウドンは首都・プノンペンから
バスに揺られること1時間半、山の中腹からひょっこり顔を出す仏塔が見え始めました。バス停
からはモト(バイクタクシー)で10分ほど、長閑な田舎道を運転手のお姉ちゃんがのんびり進み
ます。彼女の片言の英語と私の片言のクメール語、風音に阻まれてなかなか噛み合わない。。。

ウドンは3つの呼び方があると教えてくれたのに、バイクの後部でメモを取る余裕などなく残念。
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ウドンの見どころは歴代の王たちの仏塔。

色鮮やかなタイルで彩られた仏塔はアンドゥオン王の仏塔。近付けば…この美しさ!
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アンコール遺跡のバイヨン寺院に見られる四面仏が彫られたモニボン王の仏塔は花や動物の
彫刻が施されています。私はこれが見たくてウドン行きを決めたので、感激!
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酷暑の中、体力を奪った300段の階段、お湯になってしまったペットボトルの水、それでも
私を引き返させず古都の町を目に焼きつけさせたのはウドンという御縁のせい?

「写真、撮ってもいいですか?」 静かに頷いて手を止めてくれました。
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仏塔見学のために登った300段の階段、上から見るカンボジアの大平原に、心が和みます。
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【トゥール・スレン博物館にて】

1975年〜79年のポル・ポト政権下で”粛清”として凄惨な行為が繰り返された『S21
(Security Office 21)』、トゥール・スレン刑務所。当時の悲惨な、そしてカンボジアを
語る上で避けて通ることのできないこの現場は、現在博物館として公開されています。
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元は高校だったというこ博物館に着いたとき、今でも学校かと思いました。偶然通りかかったと
したらきっとそう思うはず。しかし、塀の上の張り巡らされた有刺鉄線は、来る者を拒むようで
した。見上げれば、私の大好きなカンボジアの青空と真っ白な雲がふわりと浮かんでいるのに…
あの時代、ここから見えたのは一体どんな空だったのだろう?
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校舎の中に入ると、今も尋問用のベッドが無造作に置かれていました。
鉄ベッドと惨殺の写真が残る尋問室。学びの場であった教室が、何故こんなことに?
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建物の外には、反革命分子を吊し上げ拷問した柱が今も。ここには悲しみが溢れているよう。
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隣の校舎(B棟)へ行くと、ここに収容された人々の写真が次の部屋も、その次の部屋
からも私を見つめ、今なお悲痛な叫びが浴びせられているようで直視に耐えかねるのでした。
誰の顔も直視できず、ただただ、どうしてこんなことが起きてしまったのか自問して。
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暗く重く、よどんだ空気が取り巻く独房と雑居房。重い足取りで、ひとつひとつ確認する
ように進みます。あまりの狭さに、入ったら出られなくなるような恐怖感が押し寄せてくる・・。
ここには希望の欠片も残されていなかったに違いありません。
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途中、校舎に入る前に掲げられていた注意書き。こんなものが必要なんて…
ここで笑っていられたのは、ポル・ポト(サロト・サル)を筆頭とした犯罪者だけだと信じたい。
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この刑務所には2万人近くが収容され、生きて還ったのはわずかに6人。その6人の今を
伝える展示がD棟にあります。澄んだ瞳の少女があまりに美しくて、彼女の写真を自分のカメラ
に収めました。ポルポト時代を潜り抜けた彼女の顔は、別人のように変わっていたのが印象的。
いま、過去の笑顔を取り戻しただろうか…そんなことを考えていました。
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重い足取りでトゥール・スレンを後に。今見た世界に思考がついていかず、頭がぼーっと。
午後5時、プノンペンの街が流されそうな夕立で、なんとなく現実の世界に戻りました。
ホテルの部屋から撮った向かいの建物は廃墟のよう。少し、怖さを覚えた時間です。
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3年8ヶ月続いたポル・ポト政権は、カンボジアだけでなく世界中に傷痕を残しました。
暗い過去。それでも今のカンボジアは立派な観光大国として活気付き、明るい未来が
見えています。そんなカンボジアを感じに、クメール人が微笑む国へ行ってみませんか?
【プノンペン観光編】

無事にプノンペンに到着するも、空港を出たときから空気が違う…そう、世界中から観光客を迎え
入れつつも長閑な雰囲気のあるシェムリアップ空港とは違う。そこはカンボジアの首都として機能
するプノンペンの姿。タクシーに乗り込むと、そこが田舎ではなく都市の中にある空港だったという
ことが分かります。信号待ちの車にバイク、行き交う大勢の人、大学や会社のオフィスビル…
予想外の街の様子にちょっと驚きながら、市内のホテルへ向かいます。

カンボジアと言えば、70年代後半のポル・ポト政権時代を思い浮かべる人も少なく無いでしょう。
ここプノンペンはその傷跡を今に残し、伝えるいくつかの施設があります―


プノンペンの見どころといえば王宮とそれに隣接するシルバーパゴダ(銀寺)。
王室行事が厳かに執り行われる場所であると共に現国王の居住地。
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5000枚もの銀が床に敷きつめられているシルバー・パゴダ(銀寺)では、美しさに圧倒され外の暑さを
忘れてしまうほど。また9684粒のダイアモンドで装飾された金の仏陀像、エメラルドやバカラ水晶の
仏陀像など見ごたえがあり、この国がいかに繁栄していたかを思わせる場所でもあります。
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ここは御利益のある聖水が流れ出ているのかな?
シルバーパゴダにて。地元の人たちが集まっていたので、一緒になって手を出して清めてみました。
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『プノンペン』の名前の由来になった由緒ある格式高いお寺、ワットプノン。お供え用の
蓮のつぼみやお線香を売る人、占い師、猿たち…ここは市民の憩いの場でもあるようです。
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日本の援助で完成した『カンボジア日本友好橋』はトンレサップ川にかかる全長約700m。
当時のシアヌーク国王が命名した友好橋、両国の絆が深まることを願って…あれあれ、寝てる!
橋の手前にいた警察官はお休み中^^; これだけ暑いと、日本人だって働き者にはなれません!
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カンボジア日本友好橋の先は各方面への分岐点。
ここを渡って、みんなどこへ行くのだろうと思いながら、私は目的も無いまま渡ったのでした。
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プノンペンは観光客が少ないこともあり、どこもじっくりと見学することができます。
ただ、暑さに負けない体力とバイクタクシーの交渉に粘り強い精神力は必須!
【プノンペンへの道のり】

2007年6月、眠い目を擦りながらバンコクのスワンナプーム国際空港へ。
こんなはずじゃなかった…もっと寝ていたかった、いや、寝られたはずなのに…。

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バンコク-プノンペン間のフライトは朝早かったので、市内まで出ずに空港近くのホテルを予約。空港からは10分足らずの距離らしい。タクシーに行き先を告げて空港から滑り出たのはいいけど… 着かない。運ちゃん、途中でタクシー仲間に道を聞く、分からない。バス停で待ってる人に道を聞く、分からない。コンビニに逃げ込み道を聞く、分かったような分からないような。

どうにか近くまで来た時に私が看板を見つけ「そこ右そこ右!」車内にホッとした空気が流れます。

なんだか二人で大仕事を成し遂げた感じでちょっと嬉しくなったけど、タクシーに乗ってから既に1時間以上が経過している。 ん? タクシー代に時間のロス、意味なーいっ!結局、空港近くの町外れのホテル予約したばっかりに、空港に乗り入れているタクシーは専門外。大人しく高速を使って市内まで出ていればこんなことには…。

反省しながらシャワーを浴びてベッドに潜り込み、3時間後、再び空港へ。
またしても過酷な旅が始まりそうな予感、大の大。

もうすぐ夜明け。一日がはじまる直前の空がきれいで、一瞬眠気が飛びました。
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カンボジア4度目にして、初めて首都・プノンペンへ。遺跡じゃないカンボジアは何がある?
ドキドキ、ワクワク、でもちょっと不安も、無くはない。空からの眺めは水と緑、やっぱりカンボジア。
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マレーシア発の格安航空会社、タイ・エアアジア。バンコク - プノンペンという2国間の首都を結ぶフライトはなんと片道1,500円程度。“NOW,EVERYONE CAN FRY ”をキャッチフレーズに、サービスの廃止や簡素化で破格での就航を実現させています。席は自由席、カメラ片手に窓にへばりつきま〜す(^O^)
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プノンペン・ポチェントン国際空港。この首都は、これから私に何を見せてくれるのだろう…
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