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奈良一ノ宮シンポジュウム&社業百景展
10月10日(火曜日) 夕刊 読売新聞
「全国を巡るのは大変ですが、必ず、自分と波長の合う神社がありますよ」「全国一の宮巡拝会」。代表世話人で、アートディレクターの関口行弘さん(62)(兵庫県川西市)はそう言って、一の宮巡りを勧める。会員は現在、約230人。四国八+八か所の札所や、西国三十三所の観音霊場を"踏破"したメンバーも加わる。会は1999年に結成された。独自に認定した神社を含む108社を一の宮と定め、旅行会社も巡拝ツアーを組むようになった。参加者の多くは中高年だが、「古事記などの古典や神話を学びたい」と意欲の旺盛な人が多い。会では将来、輪が広がって100万人が巡拝することを目指している。関口さんが一の宮を知ったのは87年、勤務していた製薬会社に、旧大蔵官僚などを務めた斎藤盛之さんが入社したのがきっかけだ。後に同社社長、会長となる斎藤さんは以前から、諸国の一の宮を研究しており、関口さんが編集を担当していた広報誌に6年間、「一宮ノオト」と題する寄稿文を連載。これに触発された関口さんらが中心となって、会を発足させた。宗教に特段の関心はなかったで活力
通とは違う「気」を感じた。祖先は、人体の要所である「ツボ」のように、神の存在や霊気を感じた諸国のツボの地に、神を祭ったのだろう。そんな思いがよぎった。今、活動を続ける中で、「会員が気のあふれる一の宮を参り、元気がない日本に活力を取り戻そう」と考えている。
江戸時代まで68か国に分かれあるが、奈良一鎌倉時代、由緒や時の権力との結びつきの強さなどから、一の宮、二の宮、三の宮……と格付けされていったらしい。歴史書などで確認できる一の宮は97社という。西日本では、最古の神社といわれる大和国のおおみわ大神神杜(奈良県桜井市)、安芸国の厳島神社(広島県廿日市市)などだ。時代の流れで序列庶民がまわるようになったが、次第に廃れてしまったという。
全国一の宮巡拝会は9月17日、奈良市で講演会とシンポジウムを開いた。テーマは「自他共生」。約170人が参加し、関口さんや斎藤さん、埼玉・秩父神社宮司の薗田稔さんらが、講演やパネルディスカッションで、一の宮や神道思想などにつを参拝したフメリカハ、タフラィン・キツドさんは「歴史や地域文化をたくさん学ぶことができた。一神教は視野が狭くなりがちになる。何を信じていても歓迎してくれる神社巡りを続けたい」と体験談を披露した。「何かを感じ、悩みを解消しようと訪れるアメ刃力人参拝者が増えている」一伊勢国の一の宮・椿大神杜(三重県鈴鹿市)を訪れた時に〈神の啓示〉を受け、米・ワシントン州の「アメリガ椿大神社」で神主を務めるコゥイチゲバッリシさんも神道の普遍性について述べた。同会は来年9月アメリカで同様のシンポジウムを開く予定だ。関口さんは米国での開催理由について「共生という言葉に関心が高まっている現代、神道は世界からも、もっと注目されるべきだから」と説明。「最初は観光や森林浴などの目的でも構わない。各地の人々と触れ合ったり、歴史や文化を学んだりする巡拝者が増えればうれしい」と期待しているo
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