薔薇とタラの芽
撮影:2010年 新宿御苑
メルヘンケニギン(森の妖精)
一昨日の気象庁発表の東京の気温は25度だったが、直射日光の下ではもっと暑く感じた。そして暫く雨が降っていなかったので、折からの強風は砂塵を巻き上げていた。
僕は夏用の麻のジャケットを脱いでザックに入れた。強すぎる陽射しで薔薇の花を写す時にはかなりの露出補正をしないと花色が飛んでしまう。
傷んだ花がなるべく目立たないようにと絞りを開き気味にして、花色を出そうと露出を補正したら、薔薇の花だけが強調された写真が撮れていた。写真としての好き嫌いは別にして、これはこれで面白い。
ニュージランド
今朝、チャイムが鳴るのでドアーを開けたら、近くに住む弟がレジ袋を二つ持って玄関先に立っていた。手渡されたレジ袋にはタラ、コシアブラ、ワラビが、もう一つのレジ袋にはマグロのブロックとワカメが入っていた。
海の幸と山の幸・・・気仙沼から?・・・やはり弟の嫁さんの実家からだった。生憎、写真にするような料理ではなかったので写さなかったが、今日の夕食は久し振りに山菜の天麩羅に舌鼓を打った。
僕の田舎は山の中にも拘らず、食べる山菜はワラビと蕗くらいで、他の山菜は殆ど食べない。
キャロリーヌ ドゥ モナコ
僕が山菜に、特にタラの芽に目覚めたのは24歳になってからだった。山岳部の同僚が4月上旬の南アルプスで遭難をした。会社の業務命令で第一次捜索隊に加わり、山岳部に提出された登山届の逆コースを辿り塩見岳まで登り、一週間ほど一帯を捜索をしたが見つからなかった。
5月の連休に少し雪が融け始めた頃白根三山の一つ、農鳥岳の大門沢のデブリの上で一人の遺体が登山者によって発見された。又、僕はもう一人を探す為に会社からの業務命令で第二次捜索隊に加わった。
今度は山梨県・奈良田温泉から入り、大門沢の手前の大門沢小屋にベースキャンプを置いた。一日の捜索作業が終り、小屋に帰ると小屋のオバちゃんに大きなザルを二つ渡され、タラの芽を取ってくるように云われた。
少し広い沢の大きな石の転がる河原にはタラの木が沢山生えていて、ザル二つは瞬く間に一杯になった。こんなものをどうするのだろうと思ったら、夕食のおかずに山盛りのタラの芽の天麩羅が出てきた。
醤油をかけただけの質素な天麩羅だったが、ほろ苦くて美味しかった。あの時の味は今でも覚えている。こんな美味しいものを僕の田舎ではどうして食べないのだろう?・・・不思議に思った。
タラの芽を食べると、若くして雪崩で遭難した友人達と雪山での捜索の苦労、タラの芽が沢山採れる大門沢を思い出す。そして、第一次の捜索の時にはフキノトウに苦い思い出がある。
僕が体験した山岳遭難と2週間に渡る捜索体験を、いつか記事に書きたいと思っている。記憶が薄れないうちに。
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