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写真:コーナーでのドリフト。ナビ席は大男のヤン。背景の人物の流れでスピードが想定出来るだろうか?

タルガ・タスマニア。そこには最高スピードで
都市間を駆け抜けると言う自動車競争本来の純粋さがあった。
そして、クラシックカーを懐古趣味な見せ物、
貴重な文化財として特別視する事を拒み
果敢に戦うことを要求した。

PART: 2

クラッシュ後のヤンの働きはまさに " Good Job " の見本だった。まず彼は斜面を下り、崖から半分飛び出し腹を見せた車のダメージをチェックした。フレームはヒビ割れスタビライザー取付け部はもぎ取れていた。ホイールはポテトチップスの様にひん曲がり、ブレーキホースの付け根からはオイルが溢れていた。レスキューに駆けつけてくれたジープのウインチで道路まで引張り上げたが、右車輪は動かずバックギアでエスケープ・ゾーンまでヨタヨタと山を下った。ブレーキ役になるため、なんとヤンは車の直前を走ったのである。

ひん曲がったホイールは、ブレーキ・ドラムに干渉して外れなかった。私はリタイアを覚悟したが、ヤンはギブアップしなかった。車の下に仰向けにもぐり込み、見物の鉱夫から借りた鉱山用の大型ハンマーで、ドラムと干渉したホイール歪み部分を殴り続けた。やがてヤンの大きな身体からは汗が吹き出し、ハンマーの動きが徐々に遅くなり始めた。「代わろう」と静かに言った大男の鉱夫がヤンと交代した。私の出る幕は無かった。もともと彼らは私をひ弱な日本人と見て期待していなかったのだ。若い頃、ボートで全国準優勝を経験したことさえある体力自慢の私のプライドは、もう完全に打ち砕かれていた。

ラグビーのオールブラックスを彷彿させる様な凄い男達の世界がそこには在った。しばらくして、見かねた年老いた鉱夫が「コンプレッサーを持ってこい!」と若者に言った。カニの爪の様な鉱山用コンプレッサーが運び込まれ、ドラムとホイールの間にセットされた。ギャラリーから歓声が上がり、ホイールはプチプチと音を立てて外れ転がった。私が出来たのはスペアタイアをトランクから出し、わずか3mほど転がすことだけだった・・・

ホイールは交換出来たが、ブレーキは使えなかった。修理工場のある町まで、さらに山をバックギアでスピードを殺しノロノロと下った。ブレーキ役はヤンの腕力に頼るしか無かった。工場内はクラッシュした出場車で溢れていた。ヤンは工場内を探し回り、使えそうなパーツを見付け出し何とかブレーキオイルの漏れを止めた。しかし、傷付いた車は真直ぐに走らず、ブレーキの不安を抱えて、ゴールまで約300キロの山道と100キロ程度のスペッシャル・ステージを残していた。 
                                         PART: 3 に続くー

★タルガ・タスマニアの苛酷さは、フェラーリーF40の焼失、ベンツ・ガルウイングやフェラーリー250など希少な名車達の崖からの転落が物語っている。しかし、コース上空には常にヘリコプターが旋回し、訓練の行届いたエマージェンシースタッフ、救急車などが配備されレスキュー体制は完璧であった。

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ちょっと現場行って、舗装して、帰ってきたら、もう続きがアップされてる!!
と言うか、男爵ぅ、この遊びは、ちと「高くつき過ぎ」やぁしませんか?逆立ちしたってこんな遊び、出来ないよ普通は^^;
もしかして俺が知らないだけで、男爵、かなり「フェイマス」な方なんじゃ??
俺も「稚拙ながら」デザイン好き、なので、そのうち記事にするので
批評お願いします。

2009/2/5(木) 午後 1:56 てくのろ次 返信する

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親方がお待ちかねだと思い、一気に書きます。
本当は、4〜5日掛けてと思っていたのですが・・・

2009/2/5(木) 午後 5:43 [ pepe ] 返信する

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こんにちは。あらためてKeiji様の軌跡を見つめてみたいと思い、こちらの書庫を拝見しています。写真もきれいですが、何より被写体の素晴らしいこと。このショットはサイコーです。
タルガ・タスマニアは不勉強ながら知りませんでした。とっても素晴らしいイベントですね。日本ではここまでのイベントはなかなか出来ないのではないでしょうか。羨ましい限りです。
それにしてもその凄いイベントに自ら参加されてしまう貴殿はまさしく憧れの存在です。美しいクルマは見ているだけでも美しいけど、やっぱり走らせてこそ楽しいのだと思います。それを実践されているKeiji様は、私にとっての憧れの存在です。大変遅ればせながら、傑作ポチさせていただきます。

2009/10/5(月) 午後 11:19 [ - ] 返信する

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オーバーさん、オーバーな褒め言葉、照れてしまいます。
この写真はレースカメラマンがコーナーの要所要所で写している写真。
XK120がグラマラスで、ビッグヒーレーやコブラ的・・・
やっぱりスポーツカーは走る姿が美しいですね。

2009/10/6(火) 午後 1:01 [ pepe ] 返信する

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