|
自民党のこの処の失点は緩みではなく、確信犯的権力行使である。
なぜなら、学校がらみのスキャンダルも共謀罪の問題にしても、事実上の一党独裁であるから自民党自体はなんら失政でも問題だとも考えていない。
中でも安倍首相は最も問題意識は無い。彼自身がスキャンダルを起こしても、彼意外にその始末をする政治家は自民党にいないのである。
彼が退陣し、後始末をするのは、どの次期首相候補も嫌であるから、彼が首相の座を脅かすものは無いと考えているのは明らかである。
党内がそうであるから、他党など路傍の石ほどにも感じていない。自民党以外に政権を担える政党など無いと考えているからである。
過半数を持っている政権が、好きなように政治を行うのは当たり前のことで、野党は何を言っても負け犬の遠吠えである。自民党にしてみれば、政権を取れるものならとってみろという処だろう。
失言した大臣は更迭し、首相のスキャンダルは時間稼ぎをしている間に証拠を隠滅すればそれでいい。言うことを利かない役人には引導を言い渡して窓際に追えばそれで済むことだからだ。
そういうことができるのは、ファシズムの国だけである。
民主主義の形はしていても、今の日本の現状は独裁国家と変わらない。
共謀罪にしても、テロ対策ではなく国内の政敵や反政府運動に向けての法律である。テロ対策の法律は既に整備されている。
対象となる行為が犯罪か否かを判断するのは国家権力である。というのが共謀罪の内容で、証拠が見つからなくても灰色にしてしまえば政治家や政治運動のイメージは損なわれるわけであるから、目的は達成できる。
いわば、自民党の反対勢力を国賊だ、非国民だと宣伝するための法律である。
また、旧社会主義国家の秘密警察機構を堂々と作れる法律である。法律の運用にはそうしたセクションが必要だといえるからである。
また、これは今まで秘密裏にやっていた警察の非合法の捜査を堂々と合法的にやれるようにし、同時にそれを証拠として採用できる法律でもある。
盗聴やおとり行為を合法でやるには、こういう法律が必要である。第一、共謀の証拠を得るのにこれ以外に他の方法が無い(笑)。
共謀罪は国家反逆罪を制定するための足がかりであり、戦前の治安維持法をより進めたものである。
治安維持法は国体の変革や共産主義に対するものであったが、今回の共謀罪は事実上の反自民党への取り締まりを行う法律である。
それは自民党が国家の政策を独裁しているからであり、すなわち自民党=日本という認識の元に作られた法律だからである。自民党が下野すると考えているとしたら作るはずが無い法律である。
小泉元首相は労働環境を壊してブラック企業を量産する体制を整えたが、独裁をもくろみはしなかったし、自民党の一党独裁や秘密警察をつくろうとは考えなかった。自らも独裁者になろうとは思わなかった。その証拠に党則に従って任期を全うして辞めた。
しかし、安倍首相は本気で自民党の独裁と自らの権力の保持(院政)をもくろんでいるのは明らかである。
言っておくが、私は議会制民主主義を正義と考えているものではない。だから安倍首相の目指すところを悪という気も無い。
最も愚かなのは、安易に権力を彼に集中させた国民であり、今になって、それにがたがた言っている連中なのである。
あれだけ自民党に投票しておいて、自民党のやり口はおかしいということの方がおかしい。民主主義は多数決が基本であり、多数を得た政党が行政(国家権力)を担うのが基本である。それがわからないで投票したとなると、この国にはまともな知能を持った成人がいるのかということになる。
独裁政治が政治家にとって都合がいいのは、権力の座についている者と考えが異なる存在は粛清できるということである。あらゆる手段を使って政敵を追放し、行政機構に圧力をかけ、マスコミに嘘を言わせることができる。
悪事は捏造だといえるし、批判を不当な行為(印象操作もしくは偏向報道)だと宣伝できる。
実際日本のマスコミはもはや自民党の宣伝のためにしか存在していない。自民党を批判することは即、反日であり、売国奴と言われる。御用学者や御用記者にそういわせて煽れば、国民の目をくらますのは簡単なことである。
私に言わせれば、自民党はもはや大政翼賛会と変わらないし、とうとう日本もファシズムの国になったということである。
ただ、その権力の中枢にいる人間の能力が独裁者には見合わない。
確信犯としても中途半端で、いわば今、安倍首相は裸の王様のようで周りにはイエスマンしか存在しない。しかし、国家も党もそれで良いと思っている。
少なくともファシズムを標榜するなら、もう少しできの良い総統を頂きたい。
無責任に放言する大臣や、愛国心を宣伝に使うような似非教育者におだてられていい気になる女房に振り回されてマスコミにかばってもらうようでは情けない。
自民党の幹部諸君も安倍首相の不行跡のもみ消しに屈託するくらいなら、もう少し将来にわたってこの独裁を維持できる独裁者を抜擢するくらいの見識を持ってもらいたいものである。
|
全体表示
[ リスト ]





