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腕時計・懐中時計

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以前、このリキッドクリスタルについては二回にわたって記事にしている。
詳しくはそれを読んでもらうと、この時計については少しばかりわかってもらえると思う。
今回はダイヤルがグリーンバージョンの未使用のものが手に入ったのでご披露というわけである。

例のごとく入手先はオークションだが、意外に廉価に落札できたので嬉しかった。しかし、考えてみればこの時代の液晶寿命を考えればそう高く買う意味も無いのかもしれない。
値札もついていて当時は98000円だということもわかり、かつブレスの留め金裏には各機能の設定方法のシールも貼られていて資料的価値は高い気がする。

いくつ作られたかわからないが、この状態で、稼動しているものを探すのはなかなか難しいだろう。そう考えるとお金の問題ではなく、もう運としか言いようが無い。
入手したことを話したらもう欲しいというマニア筋からのオファーもあったが、こればかりは手放したくない。
以前入手したものもハードの状態がいいので何かあってもレストアは出来るので万全である。

高級時計のビンテージの未使用となると天文学的価格になるが、この時代のデジタルはおこずかい程度の金額で手に入りかつ驚きも大きいので楽しいものである。
そして何よりこのコンディションである。本体とブレスの状態を見るとこれこそタイムマシーンに乗って発売当時のものを見ない限りわからないものである。

ケースの傷一つ無い梨地の美しさや風防のクリスタルの輝きやエッジの鋭さは現在のデジタル時計では見られない材質と仕上げの良さである。
確かに当時(昭和49年)10万円出して買うものであるから消費者物価指数から換算しても今の2倍強はすることを考えればこれくらいはしないと怒られるだろう(笑)。
しかし、発売当時、この時計がこれだけ持つと考えたかどうかは疑問である。

スイスのETAの自動巻は、開発当時耐久性に関しては未知数で、これだけ性能を維持できるとは思わなかったと当時の関係者が言ったそうだが、デジタルに関してはなお未知数だっただろう。それを考えると、クォーツの部分はまだしも液晶がこれだけ持つとは考えなかったのではないか。

少なくとも当時買った私の父は、サラリーマンでは中堅の年齢で、今は80代半ばであるから道具としては十分その使命を全うしたといえる気がする。そしてまだ稼動するものが点在する(私の持っているもう一つの中古は仕事でしていく時もあるので)ことを考えると、出しただけのことはある時計だったのではないか。

そのほとんどは使い捨てられたのだろうが、それはある意味人間の方の気持ちの移ろいやすさの問題で、時計自体の寿命ではない。
そう考えると、何かこうした道具の不遇を感じるし、大量生産大量消費の罠に嵌った人間の薄弱さを痛感する。
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よく行く時計屋さんにあったものを見つけ、分解清掃済みだというので購入した。
シリアルから1977年の時計であるようだ。
シルバーウェーブはクォーツと自動巻があるが、クォーツはよく見かけたが自動巻の方がなかなか見つからなかった。それで仕方なくダイバーの古いモデルを買った覚えがある。
私の好みからすると、今人気で高騰しているダイバーより、このモデルの方がスマートで、普段使うには良いモデルなのである。

機械はダイバーの3ndモデルと同じだが、針が秒針がそれ以前のモデルのものというわけで、余ったから使ったのか、防水性を宣伝するためかよくわからないが特徴的である。ちなみに普通の秒針のモデルもあり、そちらの方がよく見る。
シルバーウェーブのもう一つの特徴は、竜頭がねじ込みで4時位置についていることである。ねじ込みの竜頭が通常のものより大きいので、手の甲に当たらないようにこうしたのだろう。

余り綺麗だと使わなくなってしまうが、今回手に入れたのは適当な状態で仕事に行くのにも使っている。よかったのは風防と文字盤が綺麗なことで、この時代のモノはなかなか良いのが無い。もしかしたら交換したのかもしれないが、であれば随分お買い得だったと思う。
古い時計は風防がプラスチックなので、傷も落としやすいが、このモデルの風防はハードレックスなので、傷が目立つ上に簡単に落とせないので面倒なのである。
稼動しているからと言って安く買っても、分解清掃して風防を交換してとなると結構な出費になる。

この辺のモデルは綺麗で分解清掃済みで売られていてもそうは高くないと思う。
機械も普及品クラスの21石で特にコストもかかったものではないし、ダイバーモデルのように見栄えもしないから、そんなに高く値段をつけても売れないだろう。
だからかえってなかなか状態の良いものが見つからないのかもしれない。
ブレス付きで売ってもらったが、当時のカタログを見るとブレスもこれと同じだったので、おそらくオリジナルだろう。

こういう、ありそうでなかなか見当たらないものが見つかると嬉しいものである。また、忘れた頃にポロっと出てくるのでつくづくこういうものは縁の物だと思う。
使ってみると良くできているなあ、と思う。日ごろ使う腕時計でこういうモデルは意外に少ない。釣りなんかする人には良いスペックである。コンセプトはたぶんそんな感じだったのではないか。
今、新品でそれなりに廉価に同じようなスタイルのものを買おうと思って探してもなかなか無い腕時計である。
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オメガの30mmの腕時計はこれまで60年代のシーマスター30から始まって幾度も買っては売りを繰り返してきた。そういう機種であるから、もうよほどのことが無いと買おうという気にならない。
機械はスモールセコンドで出来れば40年代のものでステンレスのスクリューバックで廉価なもの。軍用は高いのでもう買う気は無いし、60年代ものも高くなって割に合わなくなってきた。そこそこ出しても(5万から10万円ほど)いいものが欲しいという我ながらやや無理な条件である。

そこで見かけたのがこのソブリンである。これは初めての機種で詳細を調べて入手した(最近は簡単に翻訳が出来るので海外のサイトを色々と見た。オメガのサイトでも簡単だが古いモデルの基本的な仕様や由来は調べられる)。
スウェーデンの国債時計で政府が40年代戦時資金の調達のために販売したものらしい。時計を売ってその利益で資金を調達すると言うのは珍しい方法だが、買ったほうも長く使えるものなのだから政府国民双方に利益があるのでいい方法を思いついたものだと思う。

この時計の最大の特徴はケースの質がとてもよいということである。スクリューバックの堅牢で分厚いケースで、しかも軍用のように機能一辺倒ではなく、デザインもスマートである。
時計の裏蓋にはsuveranと刻印がある。
この時計はシリアルから40年代半ばのものらしいが、ムーヴメントのコンディションはなかなか良く、時間も一日していて日差も10秒あるかないかで日常使うのにまったく支障が無い。

もともと30mmはパーツも頑丈で機構もシンプルであるから、普通にメンテナンスしていれば、売られた時とそれほど変わらない精度は維持できる時計である。
しかもこれはスモールセコンドモデルであるから、最もパーツも少ないので故障のリスクも少なくなる。
以前、某著名メーカーに勤務している時計好きの技術者の人と話をしていて、廉価で精度も出て耐久性がある時計は何かという話になったのだが、彼はオメガの30mmのスモールセコンドを上げていた。

実際の所、今でも40〜50年代のオメガの30mmキャリバーはそれほど高くは無い。ケースも機械もそこそこのコンディションでもステンレスケースのものであれば10万代で購入が可能である(専門店だともっと高い所もある)。
このソブリンは高価な方だが、今回はオークションだったので、当初の条件通りのかなり手ごろな価格で入手できた。
入札が少なかったのが不思議なくらいである。日本ではそれほど知られていないモデルだったからかもしれない。

余談だが、オークションの質問で文字盤がオリジナルか否かと質問している人がいたが、この時代のもので、それははっきり断言できるのは専門家でもいないだろう。
出品者が元々のオーナーでもない限り、証明できるものではない。
私自身のことを言えば、よほど変な修復でもない限り、余りこだわらない。むしろあまり酷い状態の文字盤より、上手く修復されている方が良い。
古い時計を買うときに、あまりにそういう所にこだわりすぎると楽しくなくなる。
気持ちに余裕がないと、こういう趣味は続かないものである。

この30mmは販売された期間も限られている希少モデルで、時計自体のトータルな仕様も贅沢なものなので、高ければお勧めは出来ないがそれなりの価格なら買う価値はある時計だと思う。
今回手に入れたこのモデルは出来れば手放したくないと思わせるオメガである。
二度とこの値段では手に入りそうも無いからということもあるが、デザイン的にも状態的にもこれまでの30mmモデルとはひと味違う満足感があるからである。
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以前も紹介したハワードの17石だが、前回のものは経済的事情と欲しい人がいたことで今は手元に無い。(https://blogs.yahoo.co.jp/bataiyu2001/57011019.html
だから、今回入手したのだが、この17石は一般モデルなのか人気が無い。僕にとってはそれはありがたいことだが、ハワードは小さくて薄いモデルが多くて16サイズがなかなか出てこないのが玉に瑕である。
16サイズのこのモデルはシリーズ0やシリーズ10に比べると、石の数も少なく仕上げも地味だが、ブリッジムーヴメントでスチールホイールである。
基本的なパーツはレイルロードグレードと変わらない。

アメリカの懐中時計に関しては、石の数と言うのは、精度には余り関係がない。
あくまでプラスアルファと考えた方がいいし、希少性(腕時計の希少性の比ではないくらい少ない)や仕上げの美しさという芸術的価値が価格が反映しているだけである。
ベースのモデルとムーヴメントのデザインは変わらないし、ホイールの材質等が変わることがあっても、精度を出す意味での構造自体はあまり変わらない。
業務用と一般用で針合わせのシステムや香箱周りのシステムで高級モデルと違うことはあるが、状態のいい機械であれば精度と言う機能的な部分では変わることは無い。

適宜メンテナンスが行われていたり、使われずにいたものは、OHや調整を施せば当時と変わらない精度は出る(日差は腕時計のクロノメーター以上に出るが専門店はうるさい客が面倒なのでそうは言わずにやや多めに言う)
もともと懐中時計は腕時計ほど使っていて姿勢が変わらない上に機械が大きいので精度は出て当たり前なのである。
だから古いので精度がどうこうと言うのは間違っているのである。精度が出ないのは、まともにメンテナンスがされていないか、元々のコンディションが悪いのである。

このハワードは入手直後に平位置だけだがゼンマイを一杯に巻いて一日見たが、10秒ほどの進みで収まっていたので基本的なコンディションはいいようである。写真で見てもらえばわかるが、ややスローよりに緩急針が動かれているが、極端に動かされていないので、もしかしたらどこかでOHされていたのかもしれない。
仕上げはハワードなので17石でもかなり良い。

これだけの機械を現在作るのは難しいだろう。材質的にも構造的にもまず出来ない。
にもかかわらず、今はこれが2万から3万ほどでオークションで手に入る。もちろんオークションであるから保証も何も無いのだが、じゃあヴィンテージやアンティークの専門店で手には入るかと言うと彼らも商売であるから、こんな廉価な一般モデルでは儲からないので仕入れることは無い。
よって意外に入手が難しいのである。
現代のものであれば安いものは大量に出回るが、古いものはそうとは限らない。特にもともと日本にあったわけでもないものは、安いものほど手に入らない。

今は閉めてしまった都内の西洋骨董店で勤めていた時にオーナーがたまたま持っていた古いかぎ巻きの時計を1万円ほどで譲ってもらった。
ハンターケースだが真鍮に銀張りのケースで18サイズの7石の出テンプの機械だった。アメリカ製の19世紀のモデルで、銘はHOME WATCHとあった。実はこれウォルサムの職人が内職で作っていたモデルなのである。
こういうモデルは日本ではまずお目にかかれない。メンテもしないでそのままで1分と狂わなかったので、ちゃんとメンテナンスすればかなりの精度は出たと思う。

海外の古いものはそういうもので、日本ではあるものしか買えないのである。わざわざ海外に行って買うにはコストがかかるし、そうなるとやはりいいものを買おうとするので意外に安いものは国内に無いのである。
このハワードにしても、おそらく今の金額にすれば5、60万は下らなかっただろう。これ以上のグレードであればよほどの金持ちでないとおいそれとは買えなかったはずである。
それだけのコストをかけて作った機械であるから、質的なことを言えば今のほとんど広告費に費やされた5、60万の時計とは比べ物にならないほど良い。

この時計も十分にメンテナンスをしても2万から3万円であるから、ほぼ5万から6万円で日常使えるものになる。良い時代である。
実質の良い時計を手に入れるのはお金も大事だが、時間と自分の見る目しかない。
ただ、僕自身を振り返っても、これまでどれだけのお金を時計に使ってきたかは考えたくは無い(笑)。
せっかく手に入れたハワードであるから、今度こそ手放さないようにしようと思う。
また何年も待たされてはこちらが使う時間の方が短くなりかねないからである。

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カシオトロンとしては、かなり初期型のもので、推測するに2番目くらいではないかと思う。形状はほとんど最初期のものと同じだが、広告を見ると四角い画面の02シリーズは色違いで51S、52S、53Sという型番になっている。
ボタンは左右に一つずつだが、左の設定モードにする方は、奥まっており、何かを使って押し込む必要がある。そうしないと誤作動の原因になるので、そうしたのだろう。

右のボタンは日付曜日の切り替えスイッチで押すとデイデイトが分かる。曜日は一番上にある曜日表示の下に矢印が表示され、該当の曜日にまで矢印が右へ増えていく。
何もしない状態の時刻表示画面では10秒ごとに上部の矢印型の液晶が10秒毎の表示の上を右へ増えていく。
一番右には見え難いが赤くPMと書かれていて、午後になるとここに液晶のマークが出る。

広告でも大きく取り上げている最初期のカシオトロンの最大の機能は、大の月と小の月が自動で判断、表示され、手動で調整しなくていいというものである。
後は特に無いのだが、これは当時大きく特徴として取り上げるべき機能だったということが分かる。

それ以外は特にこれと言った機能は無いのだが、シチズンのリキッドクリスタルに負けず劣らず大きい。それに比して液晶部分が小さく、老眼の私には液晶内の印刷の文字はほとんど見えない。ただ、分かりやすい機構なので秒も曜日も分かる。
時間は表示も大きいので見やすいが、その大きさはシチズンの方が見えやすい。しかし、ほぼ同じ時期に価格がシチズンの半値ほどなので、仕方が無いところである。むしろよくぞ作ったと言ってもいいだろう。

いまだに正確に動作するのだから、耐久性も同じくらいあるのは証明されている。
カシオトロンは、この後、右側のボタンが2つになり、液晶の下のCASIOTRONの上にLiquid Crystalの文字が入るようになり、価格もさらに安くなる。
しかし、この最初期のカシオトロンの良いところは、デザインで、ボタンが最小限で、ケースとブレスの一体感がシチズンのリキッドクリスタルにも増して近未来的な所である。
していると存在感がハンパでない。

当時のクォーツムーヴメントはかなり大きかったので、仕方ないのだが、ケースをスクリューバックの防滴使用にしているので、厚さもかなりなものである。計ったところ13mmあった。
後年のデジタル時計は、無個性になってメーカーロゴを見ないとどこのモノなのかわからないようになってしまったがこのころはひと目でわかるほどメーカーごとに個性があって面白い。

デザインした人間も責任は重かっただろうが、やりがいはあったと思う。何しろ、そのメーカーで最初のデジタル時計として歴史に残るデザインになるのだから。
まして、カシオはこのモデルでセイコー、シチズンという日本の時計の2大メーカーに殴り込みをかけたのである。力の入り方はセイコー、シチズンの比ではなかったと思う。

カシオトロンはそういう意味で革新的な時計だと言える。時計メーカーではない電子機器メーカーがデジタル表示に賭けた思いが伝わってくる。
時間表示がデジタルに変わるというのは前にも書いたが驚くべきことだったのである。
そして他社がデジタルを選択肢の一つとして商品化したのに比してカシオは自らのアイデンティティとしてデジタル表示の時計を作ったのである。そしてそれは今も続いている。
デジタル表示の腕時計と言えば、カシオでありGショックである。日本のデジタルウォッチの代名詞である。

そのブランドのスタートがこのカシオトロンだったと言っていいだろう。
今、これほど未来を感じさせる大人の道具があるだろうか。
それを考えると、時代を経るほどにそういうモノが失われていくのを感じるし、そうした考えも滅びていくのだろうと思う。
ただ、こういう滅びていくものを愛でることだけは、我々の世代にのみ許された楽しみだといえる。

子供の頃に憧れた大人の道具を今身につけて感慨無量の思いに浸れるのは、こういう時計で無いと味わえない。
ある意味、その時代の思い出を買うようなものである。
PCやスマートフォンは進化が早すぎて古いものは機能が生きていても使えなくなってしまうが、時計は時間が表示されればいいものである。
そこが大きな違いだろう。

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