芸術と教育の○

芸術と教育をめぐって、徒然なるままに

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灰色の時間の終わり

 それでも、ヨハネスの学校での生活はすべてがうまくいくようになったわけではありませんでした。もちろん、気に入らない授業もありました。それはフランス語や英語の授業です。ある時、担当の先生は彼の答案用紙のあり様に驚いて、こう書いて注意しました。

「これはどうしようもないなぐり書きです。もっと真面目に!」

 それは当然のことでした。なぜなら、ヨハネスはその答案用紙に本当にぐしゃぐしゃと自由奔放ななぐり書きをしていたのですから。

 このようにして、トゥンでの6年間の修学期間が終わります。勉強自体は苦労してなんとかなりましたが、喜びや悲しみを分かち合える友だちもなく、ヨハネスにとっては灰色で苦しい時間の連続でもありました。

 ヨハネスが最も落ち込んだある日、実は自殺まで考えたことがあります。なんと、首を吊ろうと縄まで用意していました。そのような悶々とした闇のなかでもがきつつ、どうにか生き抜きました。一時はだめかと思いましたが、それでも生き抜いたのです。

 すべては過ぎ去り、深い思い出のなかに埋もれていきます。1904年の春、ヨハネスは教員養成学校に入学することになりました。頼れるもののない貧しい少年は、その時、もう16歳になっていました。

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