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『「婚約者と別れ」「会社をクビに」…腸の難病・クローン病患者が語る困難と生きる勇気』
- * 田村良彦 田村専門委員の「まるごと医療」 - 「中学2年の頃から下痢が始まって、高校3年の頃には通学電車のトイレに毎日入らなければならないような状態になった。 いくつものクリニックに行ったが、いつも受験のストレスで片づけられてしまった」 - 「近所のクリニックでは、ただの精神的な胃痛だと言われ、もう動けなくなるくらいまで、大きな病院には行かせてくれず、やっと大きな病院に行ってクローン病の診断が出た」 - 「大学院に行き、入りたい会社に入り、結婚を考えていた人生の絶頂期に難病と診断されて、人生終わったと思った。 しかし、それからちゃんと20年生きている」 - これらは、難病のクローン病の患者が、診断までの経緯や病名を告げられた時の思いを語った言葉だ。 - * 小腸、大腸に炎症が起きる難病 10代から20代に発症多く - まとめたのは、認定NPO法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」(東京)。様々な病気の患者の語りを集めてデータベース化し、公表することで、患者が病気と向き合う勇気と知恵を身に付け、「患者主体の医療」を実現しようという活動に取り組んでいる。 「クローン病の語り」はその第7弾として6月、ウェブサイトで公開された。 - クローン病は、主に小腸や大腸に炎症が起こる炎症性腸疾患のひとつ。 原因不明で治りにくい慢性の病気で、国の難病に指定されている。 患者数は全国に4万人以上とみられる。 - 10歳代から20歳代に発症する人が多く、病気の治療はもちろんのこと、学校や就職、恋愛や結婚、出産と、人生を送る上での悩みは大きい。 - ちなみに、クローンはこの病気を報告した医師の名前。 クローン羊などのクローン(複製)の意味とは全く関係ない。 実は、誤解を招きやすい病名の悩みは、今回の患者の声の中にも複数あった。 - * 24歳から59歳までの映像や音声 - 「クローン病の語り」を中心になってまとめた同法人理事の花岡隆夫さんは、同じ炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎を2000年に発症。 患者会の活動などを通じ、ディペックス・ジャパンを知り、活動に加わった。 炎症性腸疾患の患者会「IBDネットワーク」でかつて、潰瘍性大腸炎患者の語りを作成した経験がある。 - 7月13日に都内で開かれたディペックス・ジャパンの公開シンポジウムで壇上に立った花岡さんは、「病気の悩みについて、家族にすら話をしづらい。 むしろ家族だからこそ言いにくいこともある。 (病気の)自分の子ども達がどんな風に感じているのか、パートナーがどういう苦しい思いをしているのか、そんなことを理解する一助になればいいなという思いで、このプロジェクトを始めた」と語った。 - 今回のクローン病の語りでは、24歳から59歳まで35人の患者に話を聞いた。 1人当たり約1時間から1時間半、映像と音声を記録。 氏名は出さないものの、多くの人が顔を出して、語る様子の映像を公開している。 映像と音声、語りを文章に起こしたテキストで触れることができる。 - * 19項目、約300の「語り」 - ディペックスの語りのデータベースの特色は、個々が語った内容を分析し、診断や治療といった項目ごとに分類、編集されている点だ。 - クローン病は若くして発症する病気のため、就学や就労、恋愛や結婚の悩みも大きい。 そこで、<発見>や<治療>に加え、<日常生活への影響><人間関係への影響><病気と向き合う>の五つに大きく分類した。 - そのうえで、たとえば<日常生活への影響>の項目としては「学校生活」「就職活動における病気の開示・非開示」「病を持ちながら働くこと」「経済的負担と公的支援」の項目を設け、<人間関係への影響>では、「恋愛・友人関係」「家族との関係」「同病者とのつながり」「医療者とのかかわり」の項目に分類して示した。 - 一つの項目ごとに、1人3分程度、十数人ほどの患者の語りで構成。 全部で計19項目、約300の「語り」がまとめられている。 全部を聴くと十数時間にも及ぶが、ウェブサイトを訪れた人は、関心のある項目から選ぶこともできるし、年代や性別など患者の人物背景から選ぶこともできる。 - * 病を持ちながら働き続ける苦労 - 登場する多くの患者は、クローン病を持ちながら仕事をしているが、様々な苦労も伴う。 - 「自分は病人扱いされるのはいやだったので、元気な時にはできる限り周囲をサポートすることで、自分の体調が悪くなった時にサポートしてもらえるような人間関係を築く努力をしていた」 - 「職場での昼飯は、一人残って時間をかけて食べていた。 夜の飲み会でも食べられるものだけ選んで食べていたので、割り勘負けはしたけれど普通に付き合っていた」 - そんな話をする人がいる一方で、 - 「病気になったことで、それまで勤めていた会社をクビになった」 - という、つらい体験を明かした人もいる。 - * 「どこまで話すか」 恋愛や結婚に関する悩み - 恋愛や友人関係についての悩みも深い。 - 「どこまで病気のことを話すかは、長い付き合いになりそうか、食事を一緒にする機会が多くなるかどうかで決め、2〜3回会った後に話すようにしている」 - 「若い頃は人に病気のことを話す時は、投げやりな気持ちで破れかぶれになって伝えていたが、今の彼女にはそういうことなく話せたことが心に響いた」 - 結婚となるとなおさら。 相手の親との関係も出てくる。 別れの原因になってしまった人もいる。 - 「結婚する時、相手の両親は反対していたけれど、実際の私を見て日にちを重ねると、自分の親のようにとても仲良くなって、結婚したのが私でよかったと言ってもらった」 - 「手術で結婚式を延期したことがきっかけで、相手の家族が病気のことを調べてノイローゼのようになり、婚約者も理解してくれず別れることになった」 - * 病気との多様な付き合い方に触れる - 多くの患者の「語り」を集め、内容を分析してデータベース化する手法は、英オックスフォード大学で開発された手法をモデルにしている。 日本を含め、世界13か国に広がっているという。 - 日本ではこれまで、乳がん、前立腺がん、認知症、大腸がん検診、臨床試験・治験、慢性の痛みの六つのテーマについて公開してきた。 テーマの内容によって、語りを分類する項目もそれぞれ異なってくる。 設問をつくる際や、内容の分析は、専門家を交えた討論を行って決めている。 - ディペックス・ジャパン事務局長の佐藤(佐久間)りかさんは、「語りのデータベース」の特長として、「一人の体験談から得られる情報と異なり、いろんな人の多様な考え方、病気との付き合い方に触れることができる」と話す。 - 「クローン病」に続いて、「障害学生」「心不全」「医療的ケア児の家族」などのプロジェクトが進行中だ。 - ※ディペックス・ジャパンのウェブサイト https://www.dipex-j.org/ - 田村 良彦(たむら・よしひこ) - 読売新聞東京本社メディア局専門委員。 1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。 97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。 西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。 - (読売新聞) - ↑ Just another NPO法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン site クローン病の語り(https://www.dipex-j.org/crohn/) -
追伸:
- アブラゼミの鳴き声の中、庭を散策して、西と東のビオトープの水面の落ち葉などゴミをゴミ拾いトング挟んで捨てた。 - 錦鯉池とトロ舟に水を足した。 - 犬小屋のカメ達(イシガメ・クサガメ・ペニンシュラクーター)の水足しをした。 - 鉢植えの枝垂れ桜・枝垂れ花桃・枝垂れ梅・アボカド・パパイヤなどに水をあげた。 - 追伸2:
今日、風呂に入りながら聴いたアルバムは、 「ブラインド・ウィリー・ジョンソン コンプリート DISC2」。 - |
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