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埼玉県警上尾警察署が、やるべき捜査をやらなかったために、当時21歳の女子大生が告訴から約3カ月後に刺殺された。

 被害者は元交際相手(当時27歳、今年1月に死亡)から執ような嫌がらせを受け、99年6月に上尾署に相談。翌月には自宅周辺で中傷チラシをばらまかれたため、容疑者不詳のまま名誉棄損容疑で告訴していたが、同署は捜査を進めるどころか業務を放棄。逆に被害者に対し、告訴状を取り下げるように要請、99年10月26日、元交際相手の兄らに刺殺された。

 警察が実質的な捜査を始めたのは刺殺事件後で、殺人事件の容疑者は逮捕されたものの、殺人を依頼した元交際相手は今年1月に北海道で自殺。遺体で発見されたため、刺殺事件への関与などの事件の全容解明は不可能になった。

 告訴の取り下げ要請に関しては、刺殺事件発生当初から取りざたされていたが、県警側は「そんな事実は全くない」と否定。また、今年3月になって国会などでも追及されたが、県警側はここでも「告訴取り下げを要請されたというのは遺族の誤解」と主張し続けてきた。
 これに対し、遺族の父親(49歳)はついに怒り、「上尾署からの告訴取り下げ要請はあった」と証言。加えて、「何度行っても、上尾署刑事2課長に『我々も忙しいんですよ』と言われ、要請に応じようとせず、助けてくれなかった」と当時の上尾警察署の対応を批判した。

 これを受けて、埼玉県警は事件をめぐる調査チームを編成し、4月6日、同事件についての調査結果を公表。
 上尾署員が警察自らの業務軽減のために、被害者から出されたを告訴を被害者側に取り下げるように要請したり、被害者から受理していた「中傷チラシによる名誉棄損の告訴状」を受理していなかったことにするため、調書の中の「告訴」の言葉を「届出」に書き改め、「何もなかった」かのように調書の改ざんなどを行なっていた事実を認めた。

 また、国家公安委員会は同日、県警本部長と刑事部長を減給処分にし、埼玉県警は、これらにかかわった同署の警察官3人を虚偽公文書作成等・同行使容疑で浦和地検に書類送検し、同日付で3人を懲戒免職にした。

 市民生活の安全を業務にする警察に救いを求めていた女子大生は、業務放棄の上尾警察署員の対応により、告訴から約3カ月後、告訴取り下げ要請から1カ月後に凶刃に倒れ、帰らぬ人となった。この事実に対し、埼玉県警本部長は「被害者のご冥福をお祈りするとともに、ご家族には心からおわび申し上げたい。名誉棄損の捜査を全うしていれば事件は避けられた可能性が高く、痛恨の極みです」と陳謝の弁を述べ、深々と頭を下げた。

 市民からの声に適切に対応しない慣習化した警察業務の怠慢姿勢は、上尾署に限った特異例ではなく、全国各地で見受けられている。例えば、今年1月に9年ぶりに保護された新潟県柏崎市での監禁女性事件でも表面化し、逮捕、起訴された犯人の母親が、4年前に警察に相談していたが、柏崎警察署の不十分な応対で直接の解決には結び付かなかった。

(引用:News Drift)

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