天井まで届く本棚

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木内昇

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144回直木賞を受賞した「漂砂のうたう 」と「月と蟹」。
どちらも図書館で予約していたのですが、何と2冊同時に順番が廻ってきました。
こんな偶然ってあるんですね〜。
そんなわけなんですが、まずは「漂砂のうたう 」から読んでみました。
木内昇は幕末の青嵐に続いて2作目になります。


舞台は明治10年、根津遊郭。
新しい時代から取り残された男と女の、人間模様を描いた時代小説です。


明治維新によって武士という位を取り上げられ、流れに流れて遊郭の客引きをしている
主人公の定九郎。
何とかこの生活から脱出したいと、鬱々としながらも、惰性な日々を送る姿。。。
「こんな“人間失格”な感じで話が進んでいくのね。」と思っていたら
謎の咄家が登場。
その辺りから、現実なのか夢の世界の話なのか
だんだんと境界線があやふやになっていきます。
まるで、狐に化かされているかのような。
謎めいた展開に引き込まれて、後半はほぼ一気に読んでしまいました。



精緻な文章と独特の世界観に、どっぷりはまってしまいました。
直木賞というよりも、芥川賞っぽい作品のような気がしたのは私だけかな。
良く出来た作品だと感心しました。
ただ、ラスト種明かしは、もうひと工夫欲しかったかな〜(^^;。

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学生時代に司馬遼太郎の
「燃えよ剣」に、はまって以来
新選組ものは随分読んできました。
今年の直木賞受賞作家の木内昇も、新選組の小説を書いていると知りまして、
早速読んでみました。



新選組の歴史〜試衛館時代から五稜郭の戦い後まで〜を
関係者のそれぞれ視点から描いた、連作短編集です。



まず目次を見て、びっくりしました。
これだけ色々様々な人々の視点から新選組を描いた小説は、今まで無かったのでは?
鵜殿鳩翁、清河八郎、山岡鉄太郎といった、
新選組の小説では、まずはクローズアップされない人物が
語り手として登場するのが面白い(^^。
新鮮でした。
半面、土方や沖田、近藤、永倉などの人物は、お馴染のキャラ設定でしたが。
各章短く簡潔で読みやすく、テンポよく物語は進み、かなりのボリュームでしたが
長さは感じさせませんでしたね。
視点がクルクル変わるのに、この長い話を一本の物語にまとめたのはお見事。
最近読んだ新選組ものの中では、一番面白かったかも。



木内 昇さん、初めて読みましたが、
女性だけど、なかなか男前?な文章を書く人だと思いました。
他の作品も読んでみたいです。

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