天井まで届く本棚

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道尾秀介

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道尾秀介ファンの中で評価が高い作品、と伝え聞き、早速読んでみました。
月と蟹、カラスの親指、と、道尾作品は3作目になります。
 
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主人公が異なる、全6章の連作短編集です。
異なる色々なタイプの作品を書く作家のようですが、本作は文芸っぽい作品。
人間の抱える、哀しさや寂しさ、やるさなさを
花や草、虫に例えて表現しています。
 
 
前半は、暗く生々しく、救いのない重い話なのですが、
後半に従ってだんだんと、微かな希望が見える話へと変化していきます。
よく練られた構成だな、上手いなあ、と感心。
私は、五章の「風媒花」が好きですね。
 
 
正直、苦手なタイプの作品だな〜、と読み始めた時は思いました。
子供への虐待とか、ダメなんですよ〜。
(ちょっと変態っぽい視点も気になったし・・・。)
でも、そんな私でもスルスルと読めてしまったのは、作者の筆力でしょうか。
全体的に、とても完成度の高い作品だったと思います。
読めて良かったです。
 

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先日、直木賞を受賞した月と蟹を読み、
他の道尾作品も読んでみたくなりました。
そこで、ユニークなタイトルと表紙のこの作品を選んでみました。


ひょんなキッカケで集まった、ヤミ金に人生を台無しにされた者達。
彼らは、ヤミ金組織に一泡吹かせてやろうと、ある計画をたてるが・・・。
ミステリー仕立てのエンターテイメントです。
「月と蟹」は、純文学風の重い作風でしたが、
本作は明るく痛快な作品で、ちょっとギャップに驚きました。



個性的な登場人物は、それぞれキャラがしっかり書き分けされていて、魅力的。
そんな世代も性格も違う人間達が、共同生活を始めることになる
くだりが特に面白いですね。
計画は果たして成功するのか?!
「どうなるんだろう?」と、ハラハラしながらも楽しく読み進めていくと・・・。



問題は、終盤の大どんでん返しですかね。
まさか、あんなオチがあるとは思わなかった。
確かにすごいびっくりはしました。
でも、私は「ちょっと無理があるのでは?」という気が・・・。
オチが無い方が良かったのでは???
まあ、ここは意見が分かれるところかもしれません(^-^;。



最後の大どんでん返しはちょっとひっかかりましたが、
でも、心温まる爽快な作品でした。
最後まで読んで「カラスの親指」って、そういう意味だったんだ、と納得(^^。

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144回の直木賞を受賞した作品。
ダブル受賞した漂砂のうたうに続いて
こちらも読んでみました。
道尾 秀介の作品を読むのは初めてです。


追い詰められた人間が、序々に心に狂気を宿していく。
その内面と状況を、淡々と丁寧に綴った小説です。
でも、その追い詰められていくのが、10歳の少年なので、
読んでいる者は何とも遣り切れない気持ちになります。


大人だったら辛い状況から、自力で脱出することもできると思うんですよね。
転職したり、引越したり。
でも、子供というのは、生活環境を自分で選ぶ事が出来ない。
その閉塞感が、痛いほどに伝わってきて、息苦しいような気分になりました。
やがて、追い詰めれた心は暴走を起こし・・・。
後半のサスペンスな展開は、一気引き込まれました。


残酷で不気味で哀しい物語。
読み終えて、ほっとした気分です。
3人の子供達は、それぞれ幸せになってほしいですね。

直木賞って、大衆的というイメージがありましたが、
145回に受賞した2作品は、どちらも文学っぽい作品だな、と思いました。

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