21世紀の邦画少年

邦画についての覚書ブログ。☆5つで評価します。

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☆☆☆
製作国 香港/アメリカ
初公開年月 2009年10月10日
鑑賞メディア;DVD

監督:デヴィッド・バワーズ3点
原作:手塚治虫5点
脚本:ティモシー・ハリス、デヴィッド・バワーズ3点
音楽:ジョン・オットマン3点

声の出演(日本語吹替版):上戸彩(トビー/アトム)4点、役所広司(テンマ博士)4点

 話はアメリカ洋画では定番のエスニック(人種)の問題を抜きにしては語ることが出来ないものとなっている。つまり、「鉄腕アトム」自体が人間とロボットの差別問題を正面から扱った作品なのでそうならざるえないのだ。

 したがって人間の奴隷として生まれたロボットが自我を持ったらどうなるのかという、最近では映画「マトリックス」で描かれた問題を改めて問い直している。

 と、言ってもそんなに小難しく考える必要の無いように悪い人間と良い人間を単純に分けて争いのなかにアトムを放り込んで行く。子供はアトムと他のロボットや兵器との戦いのアクションで充分面白がれるように作ってある。このアクションは伝統的な日本のTVアニメとは一味違ってよく動いている。それが良い。

 人物としては天馬博士が良い。原作ほど狂気に満ちてはいないが何かバランスを欠いているところが魅力的だ。吹替の役所広司も面白い。死んだトビーを生き返らせたかったならクローンを作れば良かったのだ。何故ロボット?しかも高性能の。

 また、天上界に住む人々と地上のごみために生きる子供たちの対比は、豊かなアメリカ社会とフィリピンやタイのゴミ集積場に住む子供たちを思い起こさせて辛らつだ。そこでせこく子どもやロボットをだまして稼いでいるハムエッグもいい味を出している。手塚漫画のスターシステムをうまく使っている。

 原作のアトムではスカンク草井が出てきて「嘘をつけないロボットは完全ではない」というようなことを言って良心だけで出来ているアトムを悩ませるが、今回のアトムは子供たちの仲間になるためにロボットであることを隠す。これも高性能ロボットでは当然あり得ることだ。

 余り深読みしなくてもそれなりに楽しめるし、ディズニーのウォーリーやグラディエイターなどの面白いところをうまく取り入れてまとまりのある作品になっている。是非、次回は日本人の手で作って欲しい。

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