21世紀の邦画少年

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第5話 ペギラが来た!

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本放送:昭和41年(1966年)1月30日
鑑賞メディア:ABC・WOWOW

監督:野長瀬三摩地
特技監督:川上景司
脚本:山田正弘

出演:佐原健二(万城目淳),田村奈己(久原羊子),松本克平(天田隊長),森山周一郎(池田隊員), 伊吹徹(伊東隊員),黒木順(鈴木副隊長)

怪獣:ペギラ

 この作品にはどういうわけか一平と由利ちゃんが出てこないで、突然、南極観測船に乗る万城目から始まる。南極で「寒い寒い」といいながら息は全く白くない。
 また冒頭やその他のシーンでもフィルムの傷やノイズが見受けられリマスターが完璧ではないことがわかる。

 しかし、南極の氷山や観測船や観測所などはよく作りこまれ、ロケーションほどのスケール感は無いもののモノクロ画面とうまくシンクロして美しい。日本では1952年に公開された「遊星よりの物体X」の影響を受けていると思われる。アラスカの雪の中や正体不明の宇宙人との戦いなど、内容が似ている。

 また、シチュエーションは1956年(昭和31年)の南極地域観測隊第1次越冬隊に出てくるタロ・ジロの犬の話も取り入れていて面白い。行方不明の隊員の側にいたのはサブロという犬だし。この「ペギラ」の話は後の映画「南極物語」にも影響を与えているかもしれない。

 たった30分に満たない作品の中で男女の恋愛,異常気象や行方不明の隊員,重量のある雪上車が宙に浮く奇妙な現象,犬と人間の関係性とサバイバルの謎などテンポよくサスペンスを出してゆく脚本が面白い。
 多くの隊員の中でちゃんと個性も出している。鈴木副隊長が全てのことに反論するくせに最後はいたって根性がないという敵役まで出している。ただ、演じている黒木順の声がやたらいい声なのでいい人に思えるのだが、内海賢二の吹き替えらしい。

 紅一点の久原医師を演じる田村奈己は、典型的な昭和の美人。伊東隊員に襲われたり、夜のガレージで奇妙なものを目撃して気絶したり、ジープごと吹き飛ばされたりする。若くてきれいでインテリなのでいじめられるのはお約束。
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 ペギラも怪獣らしい怪獣。ペンギンの異常な突然変異かトドとのハイビリットか何か分からないが、反重力光線で何でも浮かせてしまう。おまけにその光線は異常な寒波も含んでいるようだ。何を食べて生きているのかはよく説明されないが、肉食系っぽい。
 特にペギラが空を飛ぶシーンを見せないで、黒い球体が真っ黒な煙を出しながら空を横切るように見せるアイディアは秀逸。雪原に映えるだけでなく謎めいていて悪魔のようで面白い。

 結局ペギラの駆逐法は無く、ペギミンHを嫌がることが分かるだけ。そのことが次回の「東京氷河期」に続く伏線であることは、昭和の私には分からなかった。

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