21世紀の邦画少年

邦画についての覚書ブログ。☆5つで評価します。

2001〜2010年公開

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赤い文化住宅の初子

イメージ 1

☆☆☆☆
鑑賞メディア;DVD
初公開年月 2007年5月12月

監督:タナダユキ3点
原作:松田洋子『赤い文化住宅の初子』(太田出版刊)
脚本:タナダユキ4点
撮影:下元哲4点
美術:石毛朗3点
編集:渡会清美4点
音楽:豊田道倫2点
主題歌:UA『Moor』4点
録音:湯脇房雄1点

出演:東亜優(初子)3点、塩谷瞬(克人)3点、佐野和真(三島)3点、坂井真紀(田尻)3点、鈴木慶一(ラーメン屋店主)3点、鈴木砂羽(初子の母)3点、江口のりこ(美咲)2点、浅田美代子(栄子)3点、大杉漣(初子の父)3点

 久しぶりの更新である。
 と、いうのは邦画の面白いのを見ていないからだ。これからは、☆一つや☆二つの作品は書くのもやめようと思っている。何作品か観ているのだが書くに値しない、けなすだけの作品に労力や頭を使うのは無駄だからだ。むしろ怒りが湧いてくるぐらいのオバカ作品ならそれなりに書く意欲も湧いてくるというものだ。

 私が21世紀なってから評価している女流監督(こんな言い方自体が古いことは分かっているがこの監督には似合う)の一人タナダユキの2007年の作品である。

 この作品は、私の師である呉智英先生を介して知った。先生が原作者、松田洋子のまんが「赤い文化住宅の初子」を評価されていた。それがタナダユキによって映画化されていたので食指が動いたのだ。

 先生も指摘されていたが、この作品自体設定に無理がある。舞台は広島福山の現在の話なのだが、どうみても平成の話ではない。

 まず、初子は中3で可愛く清楚だ。にもかかわらず、余りに貧乏で不幸だ。父は借金を作って失踪しホームレス。母は働き過ぎて亡くなった。兄がいるが高校中退で町工場で働いているが、バイトと変わらない待遇。しかも時々切れる。
 仕方ないので初子もラーメン屋でバイトするが、給料はピンはねされるだけでなく、すぐにくびになる。

 このような状況で適当な身寄りが無い場合、行政に相談すれば施設に入れるか生活保護を受けられるはずだ。学校の先生もその状況は把握しているはずなので、高校進学にさいしても様々な便宜を図ってくれる。

 私が小学校や中学校の時も施設から学校に通っている子はいた。実家の近くにも施設があった。昭和40年代ですらこんな悲惨な中学生はいなかったはずだ。

 タナダユキは「俺たちに明日はないッス」でも昭和としか考えられない高校生を演出していた。また、学校の先生を徹底的に嫌っている。回りの大人は自己中で下らない欲望にまみれているだけという、中2病のような青臭さを持っている。

 これらの無理やテーマの古さや幼稚さがあるにもかかわらずこの作品は映画として成立している。そこが面白い。

 赤い文化住宅といいながら、その鉄の錆びた赤さをそれほど強調するでもなく、むしろ赤毛のアンによって赤を強調しているうまさ。赤いちゃんちゃんこや赤いマフラー、赤い糸のあやとり。最後は赤く燃え落ちる安アパート。

 サービスなのか何なのか分からないが坂井真紀に下半身を露出させてみたり、大杉漣に生ごみを食べさせたり鈴木慶一のような優しい中年に意地の悪いラーメン屋の親父を演じさせたりおかしいのである。しかし、そこが変でおかしい。テレビでは決して受けないであろう演出が映画的であるともいえる。

 初子は都会に出て多分風俗に身を落とすのであろうが、それは暗示されるだけだ。

 また、暗転の後のタイトルバックに流れるUAの歌は映画全体の雰囲気を良く表していて、最近の邦画では珍しく好感が持てた。

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笑う警官


監督:角川春樹1点
 ひどい映画。
 ひどいとは聞いていたがこれほどとは。
 脚本・演出・テンポ全て駄目。
 素人の独りよがり。
 全ての俳優が余りに下手。それは演出がなってないから。
 とんでも映画にもなれない単なる駄作。
 こんな馬鹿監督(はっきりいってこの監督には知性が無い)に使われた原作者や役者やスタッフがかわいそう。だから点は付けない。

 笑うしかない警官もどき映画

死刑台のエレベーター

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☆☆
鑑賞メディア;DVD
初公開年月 2010年10月9日
監督:緒方明2点
原作:ノエル・カレフ
脚本:木田薫子2点
オリジナル脚本:ロジェ・ニミエ、ルイ・マル4点
撮影:鍋島淳裕
美術:磯見俊裕
衣装:宮本まさ江
編集:矢船陽介
音楽:山本友樹
音響効果:今野康之
主題歌:YUKI『ベッドタイムストーリー』
主題歌作曲:野崎良太
VFXスーパーバイザー:道木伸隆
VFXプロデューサー:大屋哲男
ギター演奏:渡辺香津美
スクリプター:川野恵美
ヘアメイク:井川成子
照明:三重野聖一郎
美術デザイナー:鈴木千奈
録音:星一郎
助監督:浅利宏

出演:吉瀬美智子(手都芽衣子)、阿部寛(時籐隆彦)、玉山鉄二(赤城邦衛)、北川景子(松本美加代)、平泉成(神健太郎)、りょう(中井朔美)、笹野高史(遠野)、熊谷真実(恩田真紀子)、田中哲司(泉仙一)、堀部圭亮(工藤浩一)、町田マリー(並木遙)、上田耕一(新川署長
)、津川雅彦(手都孝光)、柄本明(柳町宗一)

 「いつか読書する日」は名作である。あのような個性的な面白い作品が撮れる監督が何故、今、おフランスのかつての名画をリメイクしなければならなかったのか?

 脚本はほとんど変えていないように思える。また実際の現代日本に置き換えていながら、昭和30年代っぽいビルにヨーロッパの高級車や多くの外人を使い当時のフランスのような雰囲気を出している。
 それは映画のアングルや主人公たちにも及んでいて、モデル出身のバタ臭い美男美女が出てくる。

 吉瀬美智子は、ジャンヌ・モローよりきれいだし、阿部寛もスタイリッシュだ。

 やくざの親分である平泉成と刑事役の柄本明以外は、監督の演出どおりに定型的な抑えた淡々とした演技で、個性をわざと殺している感じだ。中身を空にする演出のひとつなのかもしれない。スタイリッシュで空虚だ。
 
 しかし、何故この作品を邦画にする必要があったのかの疑問は解けない。様々な加工をして現代日本を50年代のフランスらしく見せて何をしたかったのだろう?

 ライカのカメラやニュー南部という拳銃等のマニアックなこだわりも昭和を強く意識している。

 この作品を作るなら、ルイ・マルの作品をカラライゼーションしても同じなのではないか?原作を超えられないなら現代日本でこの作品の持つ意味を教えて欲しい。そこが分からない中途半端な作品だ。

 是非フランスで上映してその評価を知りたい。

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悪夢のエレベーター

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☆☆☆
初公開年月 2009年10月10日
鑑賞メディア;CS

監督:堀部圭亮3点
原作:木下半太『悪夢のエレベーター』
脚本:鈴木謙一、堀部圭亮3点
撮影:北信康3点
特殊メイク:西村喜廣、奥山友太2点
美術:磯田典宏2点
編集:高橋幸一3点
音楽プロデューサー:渡邊崇3点
主題歌: タカチャ 『AIO〜愛をください〜』3点
残酷効果:西村喜廣、奥山友太2点
照明:渡部嘉3点

出演:内野聖陽(安井三郎)4点、佐津川愛美(愛敬カオル)3点、モト冬樹(牧原静夫)4点、斎藤工(小川順)3点、大堀こういち(望月)3点、芦名星(須藤陽子)2点、本上まなみ(小川麻奈美)2点
 
 役者出身の監督の作品だが十分合格基準。
 この作品をけなしている人は中島哲也監督、松たか子主演の「告白」をどのように考えるのか聞いてみたい。

 ありえないトリッキーな設定。わざとらしい大げさな演技と台詞。犯人がわかってからの展開の意外性など共通点が多いだけでなく全く同じジャンルの映画であることに気づいていないのだ。

 少々ひねりのきいた脚本による典型的なフーダニット物に過ぎない「告白」を何か文芸作品のように勘違い評論が多く見受けられる。

 この作品はその点、間違っても文芸物には見られない。その分若干脚本が弱いのだが、最後まで二転三転させて飽きさせない。登場人物のトラウマもさりげなく絡ませ、その虚実を混乱させて面白い。

 ただ、監督の趣味なのだろうが、余計なバイオレンスシーンやスラッシャーシーンが多い。ただ撮りたかっただけのようだ。また、冒頭の野球に人生をかね合わせた展開も後半活きていない。

 エレベーター内だけでこの物語が展開したら素晴らしい作品になったと思う。

悪人

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☆☆☆
初公開年月 2010年9月11日
鑑賞メディア;DVD

監督:李相日3点
原作:吉田修一
脚本:吉田修一、李相日2点
撮影:笠松則通3点
美術:杉本亮3点
美術監督:種田陽平2点
編集:今井剛2点
音楽:久石譲2点

出演:妻夫木聡(清水祐一)4点、深津絵里(馬込光代)4点、岡田将生(増尾圭吾)2点、満島ひかり(石橋佳乃)3点、塩見三省(佐野刑事)2点、池内万作(久保刑事)2点、余貴美子(清水依子)3点、井川比佐志(清水勝治)2点、松尾スズキ(堤下)3点、山田キヌヲ(馬込珠代)3点、宮崎美子(石橋里子)4点、樹木希林(清水房江)3点、柄本明(石橋佳男)3点

 様々な映画賞を受賞した話題作である。私がいつも酷評している妻夫木はそのぐずぐずした演技が今回はうまくはまってリアリティがある。ヒロインの深津絵里も相変わらず清潔で薄幸な演技でよい。汚れ役の満島ひかりもいかにもありそうな軽薄女の雰囲気を出している。

 自分の娘を殺された親父の哀しみや母に捨てられた孫を自分の息子として育ててきたお人よしのばあさんなどが絡んできて、最近ますます涙腺の弱ってきた私としては滂沱の涙のはずなのだが、まったく泣けなかった。

 演出も悪くないし「悪人」というテーマ性もよく分かる。登場人物すべてが少し善人で悪人なのだ。地方都市の何も無い若者たちの虚しさも出ている感じがする。

 しかし、この作品は面白くない。何がそうなのかうまく説明できないが、テイストが違うのだ。

 原作者が脚本に参加していることも関係している気がする。映画のシーンやテーマとして何か現代の日本では無いことのようだ。

 細かい違和感をいくつかあげる。
 白いGTR自体が古い。地方のヤンキーはまだこの車に乗っているのか?
 高い漢方薬を買わされたばあさんはお金を返してもらえたのか?
 灯台は何の象徴なのか分からなかった。清水祐一にとって灯台は親に捨てられた悲しい思い出なのではないのか?
 また、やたら貧乏臭い逃避行は彼らに自由と解放をもたらしたのか?
 壁にはスイートホームの絵が描いてあるのに馬込光代は清水祐一に拉致されただけだという警察の判断があるのか?

 多分脚本が悪いのだろう。演出が古いのだろう。原作者も含めて現代の日本の若者や家族の解釈がずれているとしかいいようが無い。そんなだから一番の保守主義であるキネマ旬報のベストテン1位なのだ。

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