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			<title>Don&#039;t来る、いまじねーしょん。</title>
			<description>どうも、フリメルダです。
此処は主の日常生活やきまぐれで描いたアナログ絵をうｐするブログです。
絵の種類は様々ですが、主にポケモン辺りを描いております。
最近は、東方、スマブラ辺りも描いております。
リクエストはポケモン以外でも受け付けてます。

ゆっくりしていってね！！</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959</link>
			<language>ja</language>
			<copyright>Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.</copyright>
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			<title>Don&#039;t来る、いまじねーしょん。</title>
			<url>https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-7b-4c/bcfmj959/banner/banner.gif?1236242604</url>
			<description>どうも、フリメルダです。
此処は主の日常生活やきまぐれで描いたアナログ絵をうｐするブログです。
絵の種類は様々ですが、主にポケモン辺りを描いております。
最近は、東方、スマブラ辺りも描いております。
リクエストはポケモン以外でも受け付けてます。

ゆっくりしていってね！！</description>
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		<item>
			<title>レミリアスカーレット先輩</title>
			<description>&lt;img src=&quot;https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-7b-4c/bcfmj959/folder/505255/76/31390576/img_0?1356447562&quot; width=&quot;457&quot;&gt;&lt;br /&gt;
FireAlpacaたんとMSペイントたんでかきました</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/31390576.html</link>
			<pubDate>Tue, 25 Dec 2012 23:59:22 +0900</pubDate>
			<category>イラストレーション</category>
		</item>
		<item>
			<title>ぷはー☆RMLA</title>
			<description>&lt;img src=&quot;https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-7b-4c/bcfmj959/folder/505255/03/31296803/img_0?1353678697&quot; width=&quot;457&quot;&gt;&lt;br /&gt;
あっ、ふーん・・・</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/31296803.html</link>
			<pubDate>Fri, 23 Nov 2012 22:51:37 +0900</pubDate>
			<category>イラストレーション</category>
		</item>
		<item>
			<title>博れい夢</title>
			<description>&lt;img src=&quot;https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-7b-4c/bcfmj959/folder/505255/06/31105206/img_0?1348247867&quot; width=&quot;477&quot;&gt;&lt;br /&gt;
東方求聞口授表紙の模写です。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/31105206.html</link>
			<pubDate>Sat, 22 Sep 2012 02:17:47 +0900</pubDate>
			<category>イラストレーション</category>
		</item>
		<item>
			<title>ヨツンヴァインになるんだよ</title>
			<description>&lt;img src=&quot;https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-7b-4c/bcfmj959/folder/505255/95/31086495/img_0?1347701939&quot; width=&quot;479&quot;&gt;&lt;br /&gt;
あくしろよ</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/31086495.html</link>
			<pubDate>Sat, 15 Sep 2012 18:38:59 +0900</pubDate>
			<category>イラストレーション</category>
		</item>
		<item>
			<title>わあいおひさしぶり</title>
			<description>日記ではクッソお久しぶりですね、どうもフリメルダです。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
近況としては、高校二年生になってようやく高校生活に慣れてきたのと、バイトしなきゃなーと思いつつ働かないクズみたいな生活をしているみたいな感じでしょうか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いやあ、お金ほしいです(ゲス)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
なら、働くしかないですよねもう。勇気が無いだけなんですよ、一度やってしまえばあとは流れ作業のように続けられるとは思うんですが(自信過剰)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
今は夏休みも終わってクッソあっついなか学校へ続く急勾配の坂を上り下りする毎日です。疲れます。&lt;br /&gt;
まず、学校に到着するまでに疲れます。で、机に長時間座ったり、体育で走り回った後の下り坂がきつい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
なんかこの文章見ると中年男性みたいですね。もっと運動するべき&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
長期間にわたって更新が無かったことに関しては、twitterの方にいたのと、PC故障による携帯での更新が面倒だったことですかね。&lt;br /&gt;
PCといえば、新しいPC買いました。ノートのクソスペですがあるだけでありがたい。&lt;br /&gt;
PCを買うことができたので、永無録リメイクを更新した次第です。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
永無録についてはPixivの方で更新をしていました。&lt;br /&gt;
永無録ではなく「私の自己満足」という題名でタイトルの通り公然自慰みたいなことしてました&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
まあ、決してそういう意味のタイトルではないのですが、これについて明かすとネタバレなのでできないです。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
あ、twitterのIDとPixivのを置いておきます。&lt;br /&gt;
まずここからフォローする人はいないと思いますが(笑)&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
twitterID: @Re_Medal&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
Pixiv: &lt;a HREF=&quot;http://www.pixiv.net/member.php?id=3416811&quot; TARGET=&quot;_blank&quot;&gt;http://www.pixiv.net/member.php?id=3416811&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
というわけで、日記更新は一年二か月ぶりのフリメルダでした。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
これからもみなさんよろしくお願いします。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
というか、このブログ開設してもうすぐ4年なんですね……はやいなあ</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/31066158.html</link>
			<pubDate>Sun, 09 Sep 2012 09:56:41 +0900</pubDate>
			<category>練習用</category>
		</item>
		<item>
			<title>東方永無録Remake 第十話　下</title>
			<description>「よし、じゃあ私の家まで連れてきてくれるか」&lt;br /&gt;
「わかりやした」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　慧音の家は人里の中心部から、やや離れた場所にある。寺古屋もその近くだ。&lt;br /&gt;
　診療所を出ると、もう吹雪は止んでいた。&lt;br /&gt;
　ひゅうと音をたてて風が吹く。雪は含んでいなくとも、診療所の中で暖まった男の体を凍えさせるには十分だった。&lt;br /&gt;
　男と医者はほぼ同時にぶるると震えた。&lt;br /&gt;
　医者がそれを見て「寒いのはこいつも一緒だ。折角暖めた体を出来るだけ冷やさないように、早足で行くぞ」と勇み立てるように言う。　男は頷くと、早足で慧音の家へと向かった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
――――&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アルマデルは目を開いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「う……ここは……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　体を起こしながら呟いた。&lt;br /&gt;
　気を失っていたようだ。アルマデルはゆっくりと辺りを見回した。&lt;br /&gt;
　辺りは白で塗りつぶしたように何もなく、部屋に居るのか外に居るのかもわからなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「私は……死んだのか？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アルマデルは目を瞑った。&lt;br /&gt;
　あの時私は奴を刺した。奴は瀕死の状態だったが、念には念をと最後の力を振り絞って奴に呪術をかけたのだ。&lt;br /&gt;
　その後が思い出せない。ただ、あの時私の魔力は無いに等しかった。&lt;br /&gt;
　魔力尽きようとも、魔女は死なない。&lt;br /&gt;
　しかし、それは万全な状態での話だ。&lt;br /&gt;
　あの時、私は空中魔法陣のために多量の魔力を消費していた。そのうえ腹を貫かれていて、生命を繋ぐために魔力を使わなければならなかった。損傷した臓器を修復するのだ。　そして呪術。&lt;br /&gt;
　おそらく、呪術を使用したとき私の魔力は尽き、私は体の修復が出来なくなったのだろう。&lt;br /&gt;
　やはり私は──&lt;br /&gt;
　アルマデルはそっと腹をさすった。貫かれた傷は全く無く、痛みもない。 &lt;br /&gt;
　アルマデルは死んだということを自覚した。&lt;br /&gt;
　なら、ここは地獄だろうか。オーディーンを信仰する、言わば同胞をアルマデルは滅ぼしたのだ。&lt;br /&gt;
　そんな大罪を犯して、自分が安らかな死後の楽園に行けるとは、アルマデルは微塵も思っていなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「地獄とはもっとおどろおどろしいものだと思っていたが、何も無いのだな」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アルマデルは何だかおかしくなって笑った。&lt;br /&gt;
　本当に何もなかったのだ。辺りを見回しても真っ白な空間が広がるだけだ。　アルマデルは早々に諦めて座り込んだ。いや、上も下も真っ白で自分が座っているということでしか、ここに存在するということが示せないと思ったからかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「奴は、死んだのだろうか」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　先程から言う奴とは、死の直前までアルマデルと戦っていたラルティネアという男だ。&lt;br /&gt;
　ラルティネアがアルマデルを深く貫いていたように、アルマデルもまたラルティネアをレイピアで貫いていた。&lt;br /&gt;
　アルマデルのように人外ではなく、人間であったラルティネアには致命傷であったはずだ。&lt;br /&gt;
　もし生きていようとも、そう長くはないだろうし、仮に助かったとしても呪術をかけてある。ラルティネアが生き残るとは万が一にもあり得まい。&lt;br /&gt;
　そう思ってアルマデルが俯いた、その時だった。　近くで何か音がして、アルマデルの前に映像が映し出された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「な、なんだ……？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　先程まで音すら無かったこの空間に突如として映像が現れたのだ、アルマデルは酷く驚いた。&lt;br /&gt;
　映し出された映像は少しもやもやとしていた。&lt;br /&gt;
　そのもやの中で小さな手と足がひっきりなしに動いている。揺れ動く映像と規則性のある息遣いは、手足の主が走っているということを示していた。&lt;br /&gt;
　その小さな手には羊皮紙を持っていて、汚い字でラルティネアと書いてあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「これは……奴の記憶なのか……？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アルマデルは何が何だかさっぱり分からなくなってしまった。なぜ、死後の世界でラルティネアの記憶を見なければならないのだろうか。&lt;br /&gt;
　アルマデルはぼんやりと映像を見つめていた。　映像はいつの間にか振動をやめて、広い廊下の先に大きな大きな木製の扉を映し出していた。&lt;br /&gt;
　小さな手がやけに大きい扉を押す。ぎぎぎと軋んだ音をだして、ゆっくりと扉が開いた。&lt;br /&gt;
　開いた先は実に立派な部屋だった。まるでどこかの王の一室のような──。&lt;br /&gt;
　まさか、これがラルティネアの記憶だとするならば。次に映るのは……。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『お父さま！』&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　幼くもどこか聞き覚えのある声が響いて、部屋の中の影が振り返った。&lt;br /&gt;
　アルマデルは握り拳を作った。長く鋭い爪が手のひらにめり込んで痛々しい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「現王……！」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　振り向いた人物はやはりリンドヴルムの現国王で、ラルティネアの父でもあり、そしてアルマデルにとっては憎んでも憎み足りない怨敵であった。『おお、ラルティネアか。どうしたのだ』&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　のろりと現王が問うた。&lt;br /&gt;
　アルマデルにはそれすら忌々しく見えた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『今日の試験で満点を取ったのです！』&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ラルティネアは誇らしげに言った。アルマデルは心に鈍い痛みを感じた気がした。&lt;br /&gt;
　もし、あの方が死ななければ。今頃は自分も子供をなしていたのだろうか。アルマデルは唇を噛んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『そうかそうか。よくやったな！』&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アルマデルは現王の親としての一面をこのとき初めて見た。&lt;br /&gt;
　ラルティネアは現王の大きくごつごつした手に頭を撫でられて、嬉しそうに目を細めた。&lt;br /&gt;
　映像はそこで終わった。&lt;br /&gt;
　アルマデルは自分の幸せな時間を壊されたのと同じように、またラルティネア達の幸せな時間を壊していたのか、と理解した。　アルマデルはラルティネアとの問答でこのことを自分は理解しているのだ、と考えていた。しかし、自分は全くそのことについて理解していなかったのだ。最愛の人を殺されたということだけにかられて、表面的には理解したと思っていても、心の底から承知していた訳では無かったのだ。&lt;br /&gt;
　アルマデルは倒れ込んだ。そして顔に腕をやって、その表情を歪めた。&lt;br /&gt;
　何が復讐だ。何が滅ぼすだ。憎しみは憎しみを呼ぶだけと、奴の言っていたことは正しかったではないか。&lt;br /&gt;
　私の歪な復讐劇のために我が同胞が何人死んだ？ あの、外壁の上で魔力を練り上げていた者も、私に従していた者も、皆死んだではないか。特にリンドヴルム国の外壁の上に行かせた者など、任を終えたら命を絶てと、私は命令していたのだ。　私は何をしている？ 私は何をしたかった？&lt;br /&gt;
　私はなんてことをしてしまったのだ。&lt;br /&gt;
　アルマデルはいよいよ自分が分からなくなって、腕を大の字に広げると、目を瞑った。&lt;br /&gt;
　しかし、その中でもただ一つ分かったことがあった。自分がこの映像を見せられた理由だ。&lt;br /&gt;
　この映像は内容から察するにラルティネアの記憶に違いない。やけに大きい扉や、もやのかかった映像がその証拠だ。それも幸せな記憶なのだろう。&lt;br /&gt;
　とてもとても幸せなこの時間を壊したアルマデルには、記憶を見ることは辛かった。&lt;br /&gt;
　そう。これは地獄がアルマデルに与えた償いであるのだ。殺した者の幸せな記憶を見せて、罪人に残る僅かばかりの罪悪感を突く。&lt;br /&gt;
　アルマデルはこれが永遠に続くのかと思うと、笑ってしまいたくなった。　否、笑うしかなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「地獄もえげつないことをする……ふふ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　アルマデルは乾いた笑みを浮かべて、目を伏せた。&lt;br /&gt;
　その後も映像は流れ続けた。&lt;br /&gt;
　兄たちと乗馬を楽しむラルティネア、家族でとる和やかな食事、黙々と剣技を磨くラルティネア。&lt;br /&gt;
　アルマデルは音を聴くのも嫌になって、目を瞑ったきり、開くことはなかった。&lt;br /&gt;
　アルマデルはそのまま、深い眠りに落ちた。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/30967777.html</link>
			<pubDate>Sat, 18 Aug 2012 16:52:03 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
		</item>
		<item>
			<title>東方永無録Remake 第十話　上</title>
			<description>　ここは人里に近い森の中。&lt;br /&gt;
　びゅうびゅうと音をたてて吹雪が荒ぶ。幻想郷は冬真っ只中だ。&lt;br /&gt;
　男は雪の積もる森の中をゆっくりと、力強く進んでいた。&lt;br /&gt;
　少しでも油断すれば吹き飛ばされそうなほどの突風。それに雪まで加わって、視界は最悪な状態であった。&lt;br /&gt;
　そんな男の前に黒い影がうっすらと見えた。&lt;br /&gt;
　獣か？ いや、妖獣と言えど真冬のこの時期に外へは出てこないだろう。&lt;br /&gt;
　男は黒い影に向かって身構えつつ、そろりそろりと近づいていった。&lt;br /&gt;
　近付いてみると、影は獣でもなんでもなく、なんと人であった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「おい……あんた、大丈夫か？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　うつ伏せに倒れている人間から反応はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「おい、しっかりしろ！」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　男は倒れている者の肩を何度も揺らすがやはり反応がない。死んでいるのか、と首に手をやると微かに命の鼓動を感じることができた。　まだ生きている！&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「こんな吹雪ン中倒れてたら死ぬぞ！ ──くそっ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　男は諦めたように倒れている者を抱え上げると、腕と肩をしっかり掴んで歩き始めた。&lt;br /&gt;
　幸い、ここは人里に近い。人里に連れていけば、まだ命が助かるかもしれない。&lt;br /&gt;
　男の脚に力が入った。&lt;br /&gt;
　それにしても。魔法の森近くの林で茸を採取していただけなのに、何故吹雪と遭難者に出逢わにゃならんのだ。男は心中で嘆いた。&lt;br /&gt;
　男は里で豆腐屋を営んでいた。妻と二人で作る豆腐は里でも評判が良く、男は誇らしかった。&lt;br /&gt;
　そんな愛する妻が茸料理を作りたいと言ったのが、今日の昼過ぎ。今日はたまたま店が休みで暇があったし、男としても茸が食べたいなと思っていた。だから、快く引き受けた。　それが、運の尽きであったのかもしれない。&lt;br /&gt;
　妻を恨む訳にも行かず、男は一人後悔した。&lt;br /&gt;
　これなら霧雨の嬢ちゃんのところに茸を貰いに行きゃあ良かったかな。男はそう考え付いたところで撤回した。&lt;br /&gt;
　いや、霧雨の嬢ちゃんところは魔法の森に居を構えている。どちらにしろ意味がないか。&lt;br /&gt;
　霧雨の嬢ちゃんは魔法使いをやっていて、自ら進んで化物茸の胞子が舞う森の中に、居を構えるような変わり者だ。&lt;br /&gt;
　当然、嬢ちゃん──確か魔理沙と言ったか──が魔法を勉強したいと言ったときに、あの頑固者で有名な霧雨の親父さんが許すわけがなかった。&lt;br /&gt;
　魔理沙は必死に魔法の有用性だとかを親父さんに説明していたが努力虚しく、ついには年端も行かぬ魔理沙を家から追い出すまでに至った。　そんな魔理沙曰く、魔法の森の茸は実験に最適であるそうだ。&lt;br /&gt;
　魔法の森でほぼ毎日茸採取を行う魔理沙は茸のスペシャリストと言ってもいい。そのような化物茸は要らないが、食用の茸なら欲しがった。&lt;br /&gt;
　しかし、男としては自身で採取した茸を妻に渡してやりたかったのだ。&lt;br /&gt;
　つまらない意地は張るんじゃねえな。全く。男は思った。&lt;br /&gt;
　そうやって考え事をしつつも足を進めていると、辺りの木々は少なく、草木が生えているのみになっていた。&lt;br /&gt;
　林を出たのか。男は全身に力がみなぎるのを感じた。&lt;br /&gt;
　ここまで来れば人里の灯りも見える。倒れていた者に依然として意識は戻らないが、「何とかなるぞ」と呟くと、男は歩みを進めた。&lt;br /&gt;
　吹き付ける雪に悪戦苦闘しながらも、男達は何とか人里の門前まで辿り着いた。　普段、夜になると人里に入る道に設けられている門は全て閉ざされる。妖獣や妖怪から里を守るためだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「おうい。門を開けてくれんか！」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　男は声を張り上げた。&lt;br /&gt;
　すると、門につけられた小窓が開き、二つの目がこちらをぎょろりと見つめた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「誰かと思えば、豆腐屋の親父さんじゃねえか。こんな時間まで外に出てどうしたんでい」&lt;br /&gt;
「今はそんなこと話してる場合じゃねえ。こっちは怪我人がいるんだよ」&lt;br /&gt;
「怪我人だって？ 本当だ。すぐに開いて手伝うけえ。おい茂吉！」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ぎぎぎと音をたてて門が開く。&lt;br /&gt;
　中からは見慣れた顔が飛び出した。門番の茂吉と新兵衛である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ほああ、こりゃたまげた。金髪に碧眼でねえか」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　茂吉が意識のない男を見て、のんきに驚いた。　確かによく見ると金髪に青い目をしている。中性的な顔立ちだが、背格好からして男だろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「んな、のんきにしてる場合じゃないわ。茂吉、もう片方を持ってくれ。新兵衛の方は医者だ、先生ところに行っといてくれ」&lt;br /&gt;
「あいわかった」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　新兵衛はそう返事をすると、門の中には駆けて戻っていった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ようし、茂吉。いくぞ」&lt;br /&gt;
「あいよ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　茂吉と共に意識の無い男を抱え上げると、腕を肩にかけて、ゆっくりと引きずっていく。&lt;br /&gt;
　金髪の男をじっくり見てみると、それなりに立派な格好をしている。&lt;br /&gt;
　幻想郷とは毛色の違う服装が男は外来人であることを表していた。&lt;br /&gt;
　外での位が高かったのだろうか。刺繍の入ったマントに、腰には剣をさしている。　背にあるマントは高く売れるだろうなと邪な思いが頭を過るが、頭を振って考えを消した。&lt;br /&gt;
　どうやらそれは茂吉も同じであったようで、何気なく茂吉の方を見ると、茂吉もまた頭を振っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　医者の家の近くまで来ると、傘をさした新兵衛が寄ってきた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「雪がこれ以上かからんようにと先生が言っていた」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　外来人に雪がかからないように新兵衛は男と茂吉のすぐ前を歩く。&lt;br /&gt;
　先生というのは医者のことだ。人里はそれなりに広いが、診療所は一つしかない。&lt;br /&gt;
　医者の家の前まで来ると、新兵衛が傘を閉じ、診療所の戸を開けて「はよう入れ」と促した。&lt;br /&gt;
　外来人を引きずって診療所に入ると、医者がいそいそと準備していた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「お？ お前は豆腐屋んとこのじゃねえか」「ご無沙汰してます。とりあえず、こいつを診てやってください」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　男は軽い挨拶をしながら、外来人を床に寝かせた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「おう。その前にまず暖めるぞ。茂吉は湯を沸かしてこい。新兵衛は毛布だ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　茂吉と新兵衛は互いに頷き、診療所の奥へと姿を消した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「あのおいは……」&lt;br /&gt;
「お前は俺を手伝え」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　男は頷いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「とりあえずはマントを外すか。おい、こいつの体を起こしてやってくれ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　男が横たわる外来人の肩を掴んで引き起こした。&lt;br /&gt;
　その間に医者がマントの留め具を外して、部屋の隅に置いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その後の医者の処置は迅速で、実に手際がよかった。&lt;br /&gt;
　診療所の奥に行っていた茂吉と新兵衛も加わり、手当ては無事に完了した。「それにしても、刺し傷まであるとは思わなんだ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　新兵衛が呟いた。&lt;br /&gt;
　新兵衛の言う通り、この外来人には脇腹の辺りに刺し傷まであった。幸い主たる内蔵を傷付けてはおらず、こちらの処置も無事に済んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「決闘でもしたのか……。おい、こいつは何処に倒れていたんだ？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　医者が問うた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「魔法の森近くの林の辺りでさあ」&lt;br /&gt;
「魔法の森の近く？ こいつがそこに倒れてたのも謎だが、お前がそこに居たのも謎だな」&lt;br /&gt;
「家内が茸料理を食べたいと言うんで、茸採取に出掛けたら吹雪に見舞われやした」&lt;br /&gt;
「ほお、お前も嫁にはあめえじゃねえか。豆腐の値はちっとも下げねえのによお」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　医者はへっへと笑った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「それとこれとは別ですぜ」　医者はちっと舌打ちをしつつも、「まあ、お前んとこの豆腐は値段相応にうめえからな」とこぼした。&lt;br /&gt;
　外来人の男の様子も落ち着き、茂吉も新兵衛もそろそろ仕事に戻ろうかと腰を上げようとした、その時。&lt;br /&gt;
　どんどん、と戸を叩く音がした。&lt;br /&gt;
「今日は患者が多い日だなあ」などと、ぼやきながら医者が向かう。&lt;br /&gt;
　男はふと、外来人に目を向けた。&lt;br /&gt;
　中性的だが精悍な顔立ちだ。&lt;br /&gt;
　男は腰の剣を見て、こりゃ腕利きの剣士だなと思った。&lt;br /&gt;
　突然、医者が頓狂な声をあげた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「だ、誰かと思えば慧音先生でねえか！」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　その言葉に男や茂吉、新兵衛が顔をあげた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうしたんですか」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　医者が丁寧に言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いえ、騒がしかったもので何があったのかと──って茂吉に新兵衛に皆どうした？」　慧音先生と呼ばれた女性が男たちを不思議そうに見た。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いやあ……外来人らしい人間が倒れてたもんで」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　男は会釈しつつ言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そんなことが……おや、失礼しました。つい仕事の口調で──」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　慧音は人里で教師をやっている。普段は敬語で話す慧音であるが、教師をしている時間が半数を占める分、時として授業をしているときの口調になってしまうのだ。&lt;br /&gt;
 しかし、男たちはみなくっくと笑った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「何言ってんでい、先生。ここに居る奴はみな先生の生徒だったんですぜ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　医者の言う通り、茂吉や新兵衛、豆腐屋を営むこの男も、そして医者もみな慧音の開く寺子屋に通っていたことがあった。&lt;br /&gt;
　しかし、男は齢30を越しているし、茂吉や新兵衛も30近い。医者に限っては還暦が近づいていた。　それなのに生徒であったというのは、慧音が人外であった為である。&lt;br /&gt;
　慧音はワーハクタクという種族にあたる。普段は人間の姿だが、満月の夜にだけ白沢になるという半獣だ。&lt;br /&gt;
　白沢とは徳のある治世者の前にのみ現れると言われる、森羅万象に精通した生き物だ。&lt;br /&gt;
　慧音は長い間人里を守って暮らしてきた。だから、今では慧音のことを恐れたりするものはいない。妖怪の襲撃時にも頼りになる、人里にかかせない人物である。&lt;br /&gt;
　慧音は男たちを見回して「それもそうだな」と笑うと、外来人の顔を覗き込んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ほう。綺麗な青をしている」&lt;br /&gt;
「へい。こういう容姿のもんは幻想郷にもいますが、こんな服装をした者はいないと……。それに見たことがねえ」　医者が煙管を取り出して、煙草を吸い始めた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「おいおい、ここは診療所だろ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　男が医者を咎めた。&lt;br /&gt;
　しかし、医者はそれを気にするような素振りは見せず、「こまけえこた気にすんな。豆腐屋のぼっちゃんよ」とからかうように言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「医者の風上にも置けんわ、医者先生は。それにおれはもうそんな年じゃないです」&lt;br /&gt;
「俺にとっちゃあ、お前は坊主だよ。──ところで慧音先生」&lt;br /&gt;
「なんだ？」&lt;br /&gt;
「こいつ、どうします？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　医者が外来人をさして言う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「治るまで人里に居た方がいいだろうね」&lt;br /&gt;
「だが、ここはただの診療所に過ぎねえ。寝かすところがないでさあ。それにこいつは剣士だ、もしも錯乱したら手に負えねえ……」&lt;br /&gt;
「む……」　慧音はしばらく考え込むと、再び口を開いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「では、こうしよう。この人間は私が引き取る」&lt;br /&gt;
「でもいいんですかい？ 先生だけでは危険じゃあ」&lt;br /&gt;
「私は半獣だぞ？ それに妖怪の私なら、もし暴れても押さえつけられる」&lt;br /&gt;
「そうけ。慧音先生気を付けてくだせえ。よし、坊主こいつを慧音先生んとこへ連れてくぞ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　医者が男を見て言う。&lt;br /&gt;
　それを聞いて茂吉たちが言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「先生よう。おれたちはどうすればいい」&lt;br /&gt;
「お前たちは門番という大事な仕事があるだろう？ 今日はこれで戻るといい」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　慧音が帽子を直しつつ答えた。&lt;br /&gt;
　茂吉たちは外来人を一瞥したのち、慧音らに頭を下げていそいそと診療所を出ていった。&lt;br /&gt;
　その間に準備していたのか、担架が床に用意されていた。「坊主、いち、にの、さんで持ち上げっぞ」&lt;br /&gt;
「おう」&lt;br /&gt;
「いちにの……さんっ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　二人の男によって、外来人がふわりと持ち上がる。&lt;br /&gt;
　持ち上げた外来人をがに股になりながらも担架に乗せた。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/30967776.html</link>
			<pubDate>Sat, 18 Aug 2012 16:50:59 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
		</item>
		<item>
			<title>東方永無録Remake 第九話　下</title>
			<description>――――&lt;br /&gt;
　話を終えたレミリアはふうと一息つくと、頬杖をついて友人を見上げた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「────」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　一方、パチュリーはその栗にも似た口を開けたまま唖然としていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「大丈夫かしら、パチェ？ まあ、無理もないか」&lt;br /&gt;
「ねえ、冗談よね？」&lt;br /&gt;
「私が友人に平気で嘘をつくように見える？」&lt;br /&gt;
「見える」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　即答であった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「おいおい。でも、事実なのよ。私も最初は信じていなかったけれど」&lt;br /&gt;
「確証たるものが？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアは頷いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ええ。血を舐めてみて確信した」&lt;br /&gt;
「血ね……。そこら辺は吸血鬼の世界だけれど、信頼していいものなの？」&lt;br /&gt;
「私は血を吸うのは苦手だけど、血の中に含まれる本質を探ることは他の吸血鬼と遜色無いわ。信じてよパチェ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　友人の信じてという言葉にパチュリーは拒否する道理がなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「信じるけど……。大丈夫なの？」&lt;br /&gt;
「大丈夫でしょうよ。たぶんね」&lt;br /&gt;
「はぁ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　こういうときこそ運命を操れば良いものを、とパチュリーはつくづく思った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「では、私はそろそろ寝に戻るわ。今の話は内密にね」&lt;br /&gt;
「ええ、そうね。寝ていた筈の主人が起きていたと知ったら、咲夜がうるさいわ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアはくすくすと笑って、図書館の闇に消えていった。&lt;br /&gt;
　パチュリーもまた、書物の深い深い闇に落ちていった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
――――&lt;br /&gt;
　紅魔館の暗い暗い闇の底。&lt;br /&gt;
　地下にある大図書館よりも更に奥深く。僅かばかりの燭台が弱々しい光で照らす中に、その扉はあった。&lt;br /&gt;
　黒々とした鉄の扉は幾重もの魔法障壁の術式が記されていた。滅多に発動することのないもの悲しい魔法。&lt;br /&gt;
　レミリアの妹である、フランドール・スカーレットはその障壁の内に居た。&lt;br /&gt;
　扉の内は四隅の燭台と、天井の灯りで比較的明るく保たれていた。&lt;br /&gt;
　その明るさとは対照的に部屋のようすは酷く殺風景だった。&lt;br /&gt;
　角に置かれた木製の机と椅子。壁の真ん中にぽつんと置かれた、隙間なく本の並べられた本棚。白のシーツを被ったベッド。あまり物の入りそうにない衣装箪笥。カーペットも豪華な装飾のついた家具もない。&lt;br /&gt;
　これが館主の妹の部屋かと人々に問えば、十中八九違うと答えるだろう。&lt;br /&gt;
　しかし、フランドールに不満はなかった。何故なら他の部屋を見たことがないからだ。&lt;br /&gt;
　フランドールは495年間もの間をこの地下の一室で過ごした。&lt;br /&gt;
　外界になんてもちろん出させてもらえない。館の中を歩くことは許されていたが、それも同じく地下にある図書館くらいまでのものだった。&lt;br /&gt;
　姉が何故、妹の自分を幽閉するのか。フランドールには理解できなかった。&lt;br /&gt;
　外に出させてと姉に懇願したこともあった。かんしゃくを起こして、障壁を突き破ったこともあった。&lt;br /&gt;
　しかし、外に出ることは叶わなかった。&lt;br /&gt;
　常人ならあまりのことに狂ってしまうだろう。否、既に狂っていたのかもしれない。&lt;br /&gt;
　だが、自分自身狂っているとは思っていない。&lt;br /&gt;
　私は正常だ。フランドールは自身に言い聞かせるように呟いた。&lt;br /&gt;
　思考を止めて、今まで寝転んでいた体を起こす。&lt;br /&gt;
　七色の宝石を携えた背中の羽根が、深呼吸するかのように上下した。&lt;br /&gt;
　ふと、この空間を閉ざす扉に目をやる。自分が少し触っただけでひびの入る、脆弱な結界。『目』をつかんでしまえば、あとは壊れるのを待つのみの存在。&lt;br /&gt;
　出ようと思えば出られてしまうこの状況で、自分が今すぐにでも扉を破壊しないのは、諦めているからなのだろう。&lt;br /&gt;
　最初の内は壊しては館の中をぶらついて、外に出ようと躍起になっていた。&lt;br /&gt;
　しかし、いずれもそれは阻まれた。館に仕える魔女の降雨の術だとか、人工的な日の光を放つ術だとかで。&lt;br /&gt;
　だからか、日にちにかんしゃくは少なくなっていき自分は内に引きこもるようになった。&lt;br /&gt;
　そう。望んで閉じ込められていたのだ。&lt;br /&gt;
　あのお目出度い色をした巫女とモノクロの魔女がやってきたときだって、ただのきまぐれで結界を破った。外に出られるとは微塵も思っていなかったのだ。&lt;br /&gt;
　どうせ、パチュリーやらが雨を降らせて外に出させないのだろう。適当に館内をぶらついて、戻ろうとしていた、その時だった。&lt;br /&gt;
　人間と名乗るものたちに出会ったのは。&lt;br /&gt;
　二人の人間は博麗霊夢と博麗霊夢と名乗った。もちろん、片方は霧雨魔理沙であったが。&lt;br /&gt;
　博麗霊夢と霧雨魔理沙は強かった。いくら死なないスペルカードルールの上であったとしても、二人は強かった。&lt;br /&gt;
 彼女達と遊ぶ中で、フランドールは自分が変わっていくような錯覚に襲われた。&lt;br /&gt;
　事実、彼女はこの日生まれて始めて外界を見た。&lt;br /&gt;
　穴の開いた壁から射し込むほのかな日の光。外は雨も上がって曇り空だったが、何より彼女にとっては全てが新鮮だった。書物の中でしか雲も空も草木も湖も見たことがなかった。&lt;br /&gt;
　もし狂っていたとしても、あの日の人間達が私を変えてくれたのだ。今の私は正常そのものだ。フランドールはベッドに倒れ込んで目を瞑った。&lt;br /&gt;
　すると、ざわざわと肌が逆立つような感触があった。&lt;br /&gt;
　ぱッと体を起こすと、フランドールは上へ上へと意識を飛ばし始めた。&lt;br /&gt;
　フランドールは索敵能力に秀でていた。&lt;br /&gt;
　495年もの長きに渡って一室に閉じ込められていたフランドールが外のことを知りたがるのはもっともで、その為に感覚が研ぎ澄まされて行くことは至極当然のことであった。&lt;br /&gt;
　今のフランドールは地下に居ながら、姉の居場所や話している内容を窺い知ることができるのだ。&lt;br /&gt;
　場所ほど明確に話している内容はつかめないが、それでも凄い能力であろうとフランドールは自負していた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「あいつ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　小さくそう呟いたのは姉であるレミリアのこと。&lt;br /&gt;
　声にだし念じることで、動向を知ることができるというわけだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
 「──パチェ……──」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　うっすらと聴こえる言葉から察するに、レミリアはパチュリーと話しているのだろう。&lt;br /&gt;
　吐息も抑え、耳に聴こえる声だけに集中する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「──外界……人間が……紅魔館──」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　よく聞き取れなかったが、もしや人間が紅魔館に来ると言うのだろうか。&lt;br /&gt;
　いや、もしかしたら既に来ているのかもしれない。&lt;br /&gt;
　フランドールは内心わくわくしていた。博麗霊夢と霧雨魔理沙の二人は自分を変えてくれた。なら、この人間も自分を変えてくれる存在となるかもしれない、と根拠の無い期待を抱いて。&lt;br /&gt;
　フランドールは索敵をやめて、ベッドに勢いよく倒れた。&lt;br /&gt;
　そして、鼻歌を歌いながら、どんな人間だろうと夢想するのであった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
――――&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
久しぶりにどばーっと。&lt;br /&gt;
こちらの更新はおろそかになっていましたね。何分pixivの方で更新していたもので。&lt;br /&gt;
これの次の次の次の話くらいまでかけてますので、定期的に更新していきたいと思います。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/30964117.html</link>
			<pubDate>Fri, 17 Aug 2012 10:58:18 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
		</item>
		<item>
			<title>東方永無録Remake 第九話　中</title>
			<description>――――――――&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアは寝室につながる大廊下ではなく、図書館へとつながる階段を降りていた。&lt;br /&gt;
　何故か。それはレミリア自身にも理解し難いことであった。&lt;br /&gt;
　さあ。寝に行かんと寝室へ来たまではよかったのだが、いざベッドに横たわるとどうも目が冴えてしまうのである。しばらくは寝ようと格闘したのだが、それも無駄に終わってしまった。&lt;br /&gt;
　さてはて、どうしたものか。紅い天井を見上げながら考え付いたものが、図書館での暇潰しであった。&lt;br /&gt;
　階段を降り終えて、相も変わらず馬鹿に巨大な扉が姿を現す。&lt;br /&gt;
　あの貧弱な紫もやしに果たして押せるだろうかなどと考えながら、重い扉を指で押した。 &lt;br /&gt;
ずずず、と重苦しい音がして、棚の並んだ館内が見えた。&lt;br /&gt;
　館内をしばらく行くと、長机に向かうパチュリーの姿があった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「パチェ、研究はどうしたの」&lt;br /&gt;
「あら、レミィ」&lt;br /&gt;
「やあ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　パチュリーは顔を上げてレミリアを見るとすぐに本の方へと目を向けた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「行き詰まったから、気晴らしにね。貴女の方こそ寝るんじゃなかったの？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアはパチュリーの向かいに腰かけると、恥ずかしそうに頬を掻いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「まあ、目が冴えてしまってね」&lt;br /&gt;
「そう」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　しばらくレミリアはパチュリーを退屈そうに見つめていたが、何か思い付いたように目をぱちくりさせて、のろりと立ち上がると図書館の闇に消えていった。&lt;br /&gt;
　パチュリーはてっきり、自分がつれないのでレミリアは寝に戻ったのだろうと思っていた。&lt;br /&gt;
　しかし、しばらくして何冊かの本を抱えてレミリアは戻ってきた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「珍しいわね」&lt;br /&gt;
「私とて本の一冊二冊読むさ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　そう言ってレミリアは本を開いた。&lt;br /&gt;
　本越しに背表紙を見てみる。&lt;br /&gt;
　『血液型占い』……まあレミィらしいというかなんというか。どこか違うわねと思いつつ、積まれてる本を見やる。&lt;br /&gt;
　もう何冊かは料理関連のものであったのだが、一つ例外があった。&lt;br /&gt;
　『地獄辞典』フランスの文筆家、コラン・ド・プランシが著した悪魔や神、当時の伝承などが記された一冊である。&lt;br /&gt;
　しかし、辞典と言ってもこれは娯楽小説のようなものであり、学術的な価値はあまりない。それが何故図書館に置いてあるかと言うと、偶然と言うしかない。パチュリーには本の内容に関わらず、片っ端から本を集めた時代があるのだ。&lt;br /&gt;
　そして、片っ端から集めた内の一冊をレミリアが読もうとしていた。&lt;br /&gt;
　何を今更。パチュリーはレミリアに視線を戻した。&lt;br /&gt;
　吸血鬼と言えど悪魔にカテゴライズされているレミリアだ。書に記されているような者なら覚えているだろうし、著名な悪魔と会う機会も無い。 &lt;br /&gt;
　それなら何故、急に調べだしたのだろう。パチュリーは、もはや本を読んでいることも忘れて考えていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いけないいけない……あら」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　頭を振り振り、無意味な思考を吹き飛ばすための一言が、ついパチュリーの口をつついて出てしまったようだ。&lt;br /&gt;
　レミリアが怪訝そうにこちらを見ている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうしたのさ」&lt;br /&gt;
「いや、何でも無いの。そう言えば、今度の気紛れはいつまで続けるつもり？」 &lt;br /&gt;
「ん？ 外来人のことか」&lt;br /&gt;
「ええ。風宮とかいう」&lt;br /&gt;
「ふうん。紅魔館の知識人でいらっしゃるパチュリー様ならご存じなんじゃないの？ おや、失礼。穀潰しの間違いだったわね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　この吸血鬼もよく言う。パチュリーはくすくす笑った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「またご自慢の運命操作でもして、暇潰しの道具を取り寄せたのかと思ったわ」&lt;br /&gt;
「あれは元から此処に来る運命だった」&lt;br /&gt;
「へえ。何か企んでるのね」&lt;br /&gt;
「いや。企んでいるのは向こうの方さ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　読んでいた『豆腐料理大全』を机に置いて、レミリアが吐き捨てるように言った。豆腐に大全と言えるほどのレパートリーがあるのだろうか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「向こう？」&lt;br /&gt;
「ああ、パチェはあのとき──いや、毎日図書館に籠りきりだものね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアは諦めたように言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「失礼ね。まるで私が引きこもりみたいに。で、何の話よ」&lt;br /&gt;
「パチェは知らないだろうけれど、館に薬売りがやってきたのよ」&lt;br /&gt;
「薬売り？ また珍しいわね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　パチュリーは眉をひそめて言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ええ。だけれど、アレはただの薬売りじゃあなかった。体中から年寄り特有の老獪さのようなものが滲み出ていたしね」&lt;br /&gt;
「もう。話を勿体ぶらないでよ」&lt;br /&gt;
「わかったわかった。奴は『暇を潰せるものがやって来る』と言ったんだよ」&lt;br /&gt;
「暇潰しってまさか、外来人のこと？」&lt;br /&gt;
「十中八九そうだろうな」&lt;br /&gt;
「運命を操る貴女が振り回されるなんて、滑稽ね」&lt;br /&gt;
「うるさいな。まあ、これだけなら別に構わない」&lt;br /&gt;
「他にも何か？」&lt;br /&gt;
「ああ、奴が最後に言った言葉が──」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
――――&lt;br /&gt;
　俺は寝ていたのか。一体、どれくらい寝ていたのだろうか。眠気眼を擦りながら、颯は考えていた。&lt;br /&gt;
　部屋には時計は見当たらない。生憎、腕時計も身に付けていなかった。&lt;br /&gt;
　身体を起こすと、不意に戸が開かれた。&lt;br /&gt;
　掛け布団を手に持った、咲夜であった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうしたんですか」&lt;br /&gt;
「貴方がぐっすり寝ていたから、掛ける物をと思ったのだけれど」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　咲夜は一旦、間を置いて、「──無駄足だったようね」と言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ああ、すみません……。わざわざ持ってきてくれたのに」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　咲夜は微笑んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「別にいいわ。疲れていたのね」&lt;br /&gt;
「何だか、眠くて」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　颯は欠伸をしながら言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「無理もないわ、昨日幻想郷に来て、いきなり悪魔の館だもの」&lt;br /&gt;
「とりわけ危険ではないように霊夢は言っていたけど」&lt;br /&gt;
「これでもつい最近まで、異変を起こしていたのよ」&lt;br /&gt;
「異変？」&lt;br /&gt;
「まあ規模の大きな事件みたいなものよ。人々は皆紅魔館をおそれていたわ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　確かに、レミリアはとても強かで恐ろしかった。颯は切られた頬を擦って、身震いした。&lt;br /&gt;
　だが。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「正直言って、話す間もなく食われでもするかと……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　颯の様子に咲夜は笑った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「それなら何で来たのよ」「それは──魔理沙も来てくれるものと思って」&lt;br /&gt;
「随分と信頼しているのね」&lt;br /&gt;
「彼女は強いですから」&lt;br /&gt;
「確かに。でも、見ただけでわかるのかしら」&lt;br /&gt;
「弾幕ごっこを見たんです」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　成る程、と咲夜は手を打った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「弾幕ごっこ、綺麗だったでしょう」&lt;br /&gt;
「はい、とても。メイド長さんもやるんですか」&lt;br /&gt;
「相手がスペルカードルールを叩きつけてきたら受けざるを得ないから、ね。それと、咲夜でいいわ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　咲夜はふと、自分が微笑んでいることに気付いた。先程までこの外来人を受け入れることに対して、懐疑的な自分であったのに、そんなことも忘れて本心からの笑みを見せていたのだ。&lt;br /&gt;
　咲夜は恐怖した。獰猛な獣を前にしたような恐怖とは違い、主であるレミリアに感じる恐怖ともまた違う、己の心を探られているような嫌悪にも似た恐怖。&lt;br /&gt;
　それだのに、この外来人を心の隅では受け入れているように思えて、咲夜は混乱した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「──さん、咲夜さん」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　鼓膜をつく颯の声に咲夜ははッとなる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「え、ああ。ごめんなさい」&lt;br /&gt;
「大丈夫ですか？」&lt;br /&gt;
「ええ。少し、ぼうっとしていただけだから」&lt;br /&gt;
「そうですか……」&lt;br /&gt;
「この掛け布団、置いていくわね。また持ってくるのもアレだし」&lt;br /&gt;
「あ、ありがとうございます」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　咲夜は手に持つ掛け布団を小さく折り畳んで、ベッドの隅に置いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「じゃあ、私は仕事に戻るわ。しばらくしたら図書館に連れていくから、それまでは適当に館内を見て回るといい」&lt;br /&gt;
「はい」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　颯が答えると、咲夜は小さくお辞儀してその場から消えてしまった。&lt;br /&gt;
　最初見たときから完璧な女性だと感じていたが、そんな咲夜も何があったわけでもなしにぼうッとすることがあるのだなあ、と閉じられた戸を見つつ考えていた。&lt;br /&gt;
　やはり、人が居るのと居ないのとでは違うのか、肌にはりつくような冷気を感じて颯はぶるると身震いをした。&lt;br /&gt;
　掛け布団を持ってきてもらったのは僥倖であった、と颯は布団を肩にかける。&lt;br /&gt;
　そしてポケットから一冊の本を取り出した。命名決闘──スペルカードのルールブックである。&lt;br /&gt;
　博麗神社に居たとき霊夢に貰ったものだ。今日、神社へ魔理沙が来るまでの間に読んでいたのだが、読みきれずに中途半端になっていた。&lt;br /&gt;
　紅魔館は広い。館内は妖精メイドや門番の美鈴につれられて歩いただけだが、それでも外観以上にだだっ広いことは容易に想像できた。&lt;br /&gt;
　そんな紅魔館を一人で歩くとなれば、間違いなく迷子、いや遭難するだろう。それならば、咲夜が来るまでルールブックを読んで暇を潰そうと思った次第である。&lt;br /&gt;
　颯は栞の挟んであった所を開くと、じっくりと読み進め始めた。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/30964115.html</link>
			<pubDate>Fri, 17 Aug 2012 10:57:37 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
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			<title>東方永無録Remake　第九話　上</title>
			<description>第九話 主たちの思惑と従者たちの疑念&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアは静かに下がってよいとだけ言うと、椅子の肘掛けに頬杖をついて、おずおずと後ずさる颯に微笑んだ。颯の心臓は破裂しそうな程だった。ばくばく、と伸縮運動を繰り返す音が頭に響く。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「さて、私は寝るかな。咲夜？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアは咲夜の方を向いて言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ベッドメイキングは済んでおります」&lt;br /&gt;
「うむ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　咲夜の仕事振りに関心した様子のレミリアは、再び颯の方を向いて口を開いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「妖精メイド」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　すると、広間の扉が開かれて、十五、六歳ほどの少女が一人、姿を現した。妖精の通りその背には羽根が生えており、虫のそれに似ていた。咲夜に似たメイド服を着ている。&lt;br /&gt;
　紅魔館では妖精を館の使用人として雇っているようだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「御用でしょうか、お嬢様」&lt;br /&gt;
「この客人を適当な客間に案内してやって」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアは颯を指さして言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「かしこまりました」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　妖精メイドは颯に、こちらです──と言うと颯を連れて部屋を後にした。&lt;br /&gt;
　颯が広間を後にするのを見て、美鈴が口を開いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「では、私は仕事に戻ります、おやすみなさいお嬢様」&lt;br /&gt;
「ええ。私の安眠を侵入者が邪魔しないこと、信じているわ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴はレミリアに一礼すると、自らの仕事場へと足を向けた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「じゃあ、私ももう少し頑張ってこようかしら」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴を尻目にパチュリーが言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「また実験？ よく飽きないものね」&lt;br /&gt;
「魔法使いに限らず、そういうものよ。求道者が途中で満足してしまったら、死ぬのと同じよ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアは、そういうものか──と呟くと眠そうに目を細めた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「じゃあ、おやすみレミィ。あと咲夜、しばらくしたら紅茶をお願い」&lt;br /&gt;
「かしこまりました」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　綺麗な礼を見せた咲夜を見ると、パチュリーは図書館へと広間を後にした。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「アレは死ぬまで我が館の財を潰しながら、求道とやらをするつもりなのかしら」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　扉の隙間から見える、知識人の背を見て、レミリアはため息をひとつ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いいではありませんか。お嬢様も、パチュリー様のお陰でお楽しみになられているでしょう？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアの斜め後ろからすうっと耳に通る声。咲夜である。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「あら従者。私に口答えとはね」&lt;br /&gt;
「失礼致しました。しかし、事実では？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　丁寧に頭を下げながら、それでも咲夜の顔は微笑んでいた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「まあ、ね。パチェとは竹馬の友であるし。それにしても……先の異変から貴女も変わったわね」&lt;br /&gt;
「そうでしょうか」&lt;br /&gt;
「今の貴女、私は好きよ」&lt;br /&gt;
「？ 有り難きお言葉でございます」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　咲夜は首を傾げるも、恭しく一礼した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「さて、ベッドルームに行くわ。おやすみ」&lt;br /&gt;
「おやすみなさいませ、お嬢様」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　レミリアの歩みを深々とした礼で咲夜は見送る。それは、レミリアの姿が扉により見えなくなるまで続いた。&lt;br /&gt;
　広々とした紅い広間には、銀色の従者だけが残された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……パチュリー様の&amp;quot;しばらくしたら&amp;quot;まで、まだ時間があるわね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　銀の懐中時計をちらと見やると、ぽつりと呟いた。&lt;br /&gt;
　懐中時計の蓋を押さえて、力を入れる。ぱちっと乾いた音が広間に響いた。&lt;br /&gt;
　その音が壁に伝わる頃には、もう従者の姿は広間には無かった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
――――&lt;br /&gt;
　所変わって、紅魔館内の廊下である。&lt;br /&gt;
　見事な緋色に染まったここは廊下と言うにはあまりにも広すぎた。大の大人が二人並んで手を広げても、まだ余裕があるかといった具合である。&lt;br /&gt;
　颯は先行する妖精メイドを何とはなしに眺めながら、この広々とした廊下を進んでいた。&lt;br /&gt;
　ふと、妖精メイドが口を開く。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「お客様は何と言うお名前なのでしょうか」&lt;br /&gt;
「風宮、風宮颯です」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　それに答えつつも、颯は前を行く妖精メイドの背を見ていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「風宮様でございますか」&lt;br /&gt;
「え、ああ。君は何て言うんだ？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　様を付けられるのは何ともむず痒い気持ちだ。そんなことを思いながら、妖精メイドに問いかけた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「私は……。私は、一介の妖精メイドに過ぎません。私には名前が無いのです」&lt;br /&gt;
「そうか……。何だか悪いこと訊いちゃったかな」&lt;br /&gt;
「いえ。私のことなど、気になさらずに。──お部屋はこちらでございます」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　妖精メイドが足を止め、壁に打ち付けられた扉を指した。どうやら、着いたようだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ありがとう」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　礼を言って戸を開けようとすると、それよりも早く、妖精メイドが扉を開いた。&lt;br /&gt;
　改めて礼を言い、中に入った。部屋の中は存外広く、十五畳はあるかと見える。&lt;br /&gt;
　しかし、何よりも驚いたのは部屋が真っ赤に染まっていたということだ。床は深紅のカーペットがこれでもかと敷き詰められ、壁には緋色の壁紙が一面に貼り付けられている。実に目によろしくない。&lt;br /&gt;
　勿論、部屋の中央に置かれたソファも真紅であった。だが、ベッドだけは例外で、シーツは純白に染まっており陽光に照らされた一面の雪のように錯覚させた。&lt;br /&gt;
　無論、ベッドシーツは真っ赤な部屋の中で異彩を放っており、その紅白の色合いは颯に何処かの巫女を思い出させていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「真っ赤……ですね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　振り向き様に言った。颯の顔は苦笑に満ちていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ここは紅魔館ですので」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　妖精メイドはそれだけ答えると、用がございましたら何なりと申し付けくださいませ──と言って、部屋を後にした。&lt;br /&gt;
　真っ赤な部屋には颯だけが残された。とりあえず、颯は戸を閉めてベッドに腰かけた。実に目によろしくない。よろしくない。&lt;br /&gt;
　戸の閉められた部屋は思ったよりも暗く、真紅のソファも、いくらか落ち着きを取り戻して深紅に変わっていた。&lt;br /&gt;
　だが、夜目が利くわけでもない颯は部屋の電気をつけることにした。実に目によろしくないが、致し方ない。致し方ないことである。&lt;br /&gt;
　電気を入れるために辺りを見回したが、無い。電源を入れるスイッチが無いのだ。壁沿いに歩いてみても、スイッチは何処にも見つからなかった。&lt;br /&gt;
　さては、此処には電気が通っていないのではないか？&lt;br /&gt;
　廊下を歩いていたときはメイドの背ばかりに気をとられていたが、確かに灯りは燭台に在る蝋燭であった気がする。&lt;br /&gt;
　やはり、此処には電気が通っていない。そう思い直して、部屋を探してみるとすぐにマッチを見つけることが出来た。&lt;br /&gt;
　マッチを一本取り出して、天井を見上げる。どうやら、大層立派なシャンデリアがあるようだ。此処は客間の一室では無かったか。&lt;br /&gt;
　部屋の隅にある椅子を引いてきては、その上に昇る。背伸びすれば蝋燭まで届きそうだ。&lt;br /&gt;
　マッチを一擦り。二擦り。ぼおっ。マッチの先に小さくも力強い火が灯った。腕を伸ばして、蝋燭に灯す。&lt;br /&gt;
　灯りを取り戻したシャンデリアは、そのきらびやかな体で一身に光を浴びて、煌々と輝いていた。&lt;br /&gt;
　灯りの戻った部屋は、シャンデリアの灯りが優しいものであったために、目を痛めるほどの派手さではなかった。よかった。&lt;br /&gt;
　火を灯しただけであるのに、颯の心は満足感で満ち満ちていた。&lt;br /&gt;
　椅子を戻し、ゆっくりとベッドに倒れ込む。まだ午前中であるのに、体を包む柔らかさと非日常への疲れが、颯を眠りに誘った。&lt;br /&gt;
　目を閉じると共に、颯の意識は沈んでいった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
――――&lt;br /&gt;
　咲夜は館を出て、門前まで来ていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「暇そうにしてるわね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴は壁に寄りかかっていた背を起こして、答えた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「あら、咲夜。寂しくなったのかしら」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　広間での毅然とした様子から一変、美鈴は実にフランクであった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……そんなんじゃないわ。それに今は仕事中でしょ？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　そっとナイフに手をかけて、美鈴の赤みがかった頬をぺちぺちと叩いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「了解しました、メイド長」&lt;br /&gt;
「宜しい」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　びしっと背を伸ばした美鈴を見て、咲夜は腕を組み頷いた。&lt;br /&gt;
　そんな様子を思って、美鈴は呟いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「門番隊長もメイド長も地位的には変わらないのだけどなあ」&lt;br /&gt;
「貴女がしっかりしないからよ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ふうっとため息をひとつ。&lt;br /&gt;
　美鈴はにこりと笑ったあと、表情を固くして言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「──さて、此処に来たのは何か用があってのことでしょう」&lt;br /&gt;
「ええ。でも、用というわけでもないわ。──あの外来人、どう思う？」&lt;br /&gt;
「颯君ですか」&lt;br /&gt;
「ええ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴は肘を抱えてしばらく考えたのち、「特になんとも」と曖昧な答えを返した。&lt;br /&gt;
　咲夜は美鈴の態度に納得出来ず、声を少し大きくして言った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「でも、ただの外来人に過ぎない彼を、なぜお嬢様が匿ったのかしら」&lt;br /&gt;
「それはメイド長がまだ館のことを把握してないだけでは。お嬢様はとても気紛れな方です。今までにも何度かこういうことはありましたし」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴は咲夜よりも長くレミリアに仕えている。それも、何百年もの年月をだ。&lt;br /&gt;
　お嬢様をよく知る美鈴と比べては、まだ仕えてから十年も経たない自分の言えたことではないか。そう思いつつも、咲夜は唸っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「うーん……。確かにその通りなのだけど……。あと私は、館のことはきちんと把握しているつもりよ」&lt;br /&gt;
「何か引っかかるんですね？ まあ、それは言葉の綾ですよ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴の言葉は穏やかでありながら、咲夜の核心を突いていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「私はこの時止めの能力をかわれて仕えることになったわ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　それ以外にも理由はあったのだろうと思ったが、美鈴は言わないでおいた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ええ。大方言いたいことはわかります。つまり『お嬢様を動かす程の何か』が彼にはあるのでは、と」&lt;br /&gt;
「確かにお嬢様の気紛れによる行動なのかもしれないわ。だけれど、この前の薬売りと言い、何かが喉に引っ掛かっているというか」&lt;br /&gt;
「ふむ……」&lt;br /&gt;
「美鈴も感じない？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴は首を傾げたあと、苦笑して答えた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「私には気のことくらいしかわかりません」&lt;br /&gt;
「そう……」&lt;br /&gt;
「ただ、彼の気は少々不可解です」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴は俯いて続けた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「彼の気は二つあるように思えるのです」&lt;br /&gt;
「二つ？」&lt;br /&gt;
「はい。本来生物というのは一つの体に一つの気を流しているものです。ですが、彼にはそれが二つ。本当かはよくわかりませんが」&lt;br /&gt;
「何故よくわからないの」&lt;br /&gt;
「流れている気の一つは、柔和に感じられ温かみがある。勿論、この気が彼の大部分を占めています。対照的にもう一つは冷ややかで、吹き荒ぶ北風のような棘を感じられました。しかし、この気は微弱なもので、彼のものなのかも定かではありません」&lt;br /&gt;
「……手がかりは気だけか。ただ、美鈴の考えが正しいと仮定して、今の話をよく聞くと、彼の中に何らかの存在が居るとも言えない？」&lt;br /&gt;
「それはそうですが、彼の体内に生き物でも飼ってない限りは、ありえない」&lt;br /&gt;
「思念体のようなものなら？」&lt;br /&gt;
「生きているからこそ、気は流れるもの。それ故、死体や幽霊、思念体などからは気は感じ取れません」&lt;br /&gt;
「なら……なぜ……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　咲夜は顎を押さえて呟いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「さあ。これ以上考えても、答えはでなそうですよ。──それにしても、やけにつっかかってきますね。嫉妬ですか？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　にやけながら言う美鈴。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そ、そんな訳ないでしょう！ とにかく、もう仕事に戻りましょう」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　対する、咲夜の顔は紅魔館の外壁にも負けぬほど紅潮していた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そうですね。では」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　美鈴がそう答えると、咲夜は時を止めたのか、その場から消えていた。&lt;br /&gt;
　図星だったのかしら。心の中で美鈴は微笑んだ。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/bcfmj959/30964111.html</link>
			<pubDate>Fri, 17 Aug 2012 10:56:04 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
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